魔女なのか?天使なのか? | 僕が死ぬ日・・生まれる日

僕が死ぬ日・・生まれる日

僕が死んで・・生まれる日までの記録

多くの人間たちが不安という暗闇の中で生きている。


その中で苦しみ、喘ぎ出口を必死に探してる。


妻の笑顔を見るたびに私を苦しみが襲う。


その笑顔は偽りだと自分自身がわかっているから・・・


「珍しいわね・・」


最近の妻は私に対してよくその言葉を使う。


彼女から見ても最近の私の行動はどうもぎこちないようだ。


それもそうだろ・・


最近の私は常に何かに怯えながら生活をしてるのだから・・


私は心にいろいろなことを溜める性格で殆ど愚痴というものを言わない。


面倒?そう一言で言ってしまえば終わりなのだが・・・


本当は怖いのだ。愚痴や不満を誰かに言った後の次の相手からの言葉が・・


そんな恐怖を味わうくらいなら・・私は何も言えないさえない男を演じていたい。


妻の携帯はそれ以降も鳴り止む事はなかった。


ただ、最近、携帯電話の管理がしっかりして来たような気がする。


私が何か感じていると妻自体もわかっているのか?それとも??


木村と最後に飲んでそれ以降も頻繁に彼は私に連絡をよこすようになった。


「留守番電話大魔王」と呼ばれていた私であったが・・


なんとなく、いつも木村からの電話を待ち焦がれているような気がする。


月に二度ほど木村から連絡があり飲みに出かけるようになった。


飲み屋に着くと木村は必ず私の家に電話をしてくれる。


「今夜も旦那さんをお借りします・・」


そんな短い言葉であるが携帯電話の向こうから・・


「いつもすいませんね!」と言う妻の声がする。


以前は新宿で飲んでいがだんだん、飲んだ後に木村の家に泊まる事が多くなり・・


自然的に飲む場所も新宿から木村の地元の蒲田へと変わって行った・・・


「最近、奥さんの様子はそうなんだ?」


木村が注文した焼き鳥を美味そうに食べながらそう私に聞く・・


私は少し現実に戻される。


「ああ・・どうなんだろう??わからない・・」


それが素直な答えであった。


なぜなら。妻は私が木村の家に泊まった以降、絶対に携帯電話を手放す事が無くなったからだ。


「あれ?社長じゃないですか?」


そんな女性の声に驚きながら木村と私は振り返った。


そこには二人連れの女性が立っている。


髪長い・・・少しやせ気味の美人と少しぽっちやり系の美人・・・


木村は驚いたようにつぶやく・・


「あれ、珍しい・・今夜はお店は休みなの??」


「ええ・・最近、ぜんぜん、来てくれないじゃないですか~~

こんな所で浮気ですか!

それも男性となんて!今日子ちゃんショックよ~~」


そう笑いながら言う髪の長いほうの女性・・


木村は笑いながら私に二人を紹介する。


「俺がよく行く飲み屋の子でさ~今日子ちゃんと小百合ちゃん!

良かったら今度、お前も一緒に飲みに行かないか??」


「お前・・俺がその手の店が苦手なの知ってるだろ?」


そんな私の不機嫌そうな言葉に木村は少しだけ気まずそうな顔をした。


私は女性の接待してくれるような店が苦手である。


昔から、多くの友人たちがスナックやクラブ・・キャバクラなどに夢中になっていた頃・・


私はそんな友人達の誘いをいつも断って来た。


「坂本はまじめだな~~」


いや・・違うんだ。そうじゃない・・


なんとなく・・馬鹿にされている気がするから・・


私の隣に座り笑顔で私に酒を注ぐ女に・・・


私はなんとなく馬鹿にされているような気がするのだ・・・


金で愛は買えない・・・


一度だけ私はそう、飲み屋の女性に夢中になっていた友人にそう言った事がある。


「夢が無いな~お前は・・・」


呆れたような顔で彼は私に言った。


「飲み屋に夢を買いに行くんだよ!

当たり前だろ!こんな美人が俺なんか好きになるわけがないだろ!

でも現実からは、逃がしてくれるんだ!金を払えば・・・

店にいる間だけ・・逃がしてくれる・・」


そう寂しそうに呟く彼を見て私は心の中で呟く・・・


哀れな奴だな・・と


ただ、今は、なんとなくその時の友人の言葉の意味がわかるような気がする・・


でも、私はそんな店の女性を口説くのにお金を使うなら・・


自分が好きだと思う女に使いたいと思うタイプなのだ。


「社長!ご一緒してよろしいですか?」


今日子は笑顔でそう呟く。


木村は嬉しそうに言った。


「誠!ラッキーだな!今日子は店のナンバー1だから・・

なかなか一緒に飲めなんだ!」と


私は興味なさそうにそんな木村の笑顔を見つめていた。


それが佐藤今日子と言う女との初めての出会いであった。