「してあげたし・・・」私・・・ | 僕が死ぬ日・・生まれる日

僕が死ぬ日・・生まれる日

僕が死んで・・生まれる日までの記録

その日も今日子は何時もの場所でオカメを待っていた。


しかし、何時もの約束の時間になっても結局はオカメは現れない。


今日子はしびれを切らし娘の葵を連れて幼稚園に向った。


何度も、オカメの携帯にメールや電話をしたが通じる事は無かった。


幼稚園に着き、教室を覗くとオカメの娘が楽しそうに遊んでいる・・


何で??もう、来てるんじゃない・・・


今日子を何とも表現できない息ドウリが襲った・・・


その日の夜に今日子にオカメからメールが届いた。


「悪いけど・・朝は別々に行きたいんだけど・・・」


そんな短いメール


今日子は返事を返す気力も無くなった・・


ただ、何も考えられずにその送られたメールを眺めていた。


私がいったい彼女に何をしたのか??


あんなに気を使っていたのに・・


色々な物をあげたし・・・


お弁当だって作ってあげていたし・・・


「あげたし・・」


それが今日子から友達が消えて行く理由である事を今日子はまったく気が付いていなかった。


そしてまた、泣きながら母親に電話をした。


「何で私ばかり・・・こんな目にあうのよ!」


今日子の母親はそんな娘を不憫に思い一緒に泣いた・・・


しばらくしてタヌキから真相めいた話を聞いた・・


「ほら・・あの子、まだ若いじゃない・・

カッパとか私と10歳以上も年が離れているし・・

なんか、昔からあんな感じらしいよ!気まぐれなんだよ!

それに、葵チャンの誕生日会がオカメの娘の誕生日会より盛大だったから・・・」


そう何ともあやふやにタヌキは今日子に言った。


誕生日??


そう言えば・・葵の誕生日の後からだ!


オカメが疎遠になったのは・・・


何だ!それ!


今日子は叫びたくなる気持ちを必死に抑えた・・・


自分の娘の誕生日会より私の娘の誕生日会が盛大だから・・・


何て理不尽な理由なのだ!


ならば、自分も出来合いの惣菜なんかではなく手造りに料理を並べればよかったのだ!


矛盾している・・


それにもしも言ってくれれば気軽に手伝ってあげたのに・・・


今日子は呆れてしまった反面・・・


自分に落ち度が無かった事に少しだけ気持ちが軽くなった・・・


安心をした今日子はまた、母親に電話をする・・


丁度、その時に誠が帰宅をした。


「ただいま~」


そう言ったが誰も家の中から誠を迎える者は居なかった・・・


何時のように無言でシャワーを浴びて出て来ても今日子の電話は終っていなかった・・


誠はまた、適当に食事を始める。


電話を切った今日子が嬉しそうに自分に非が無かった事を誠に話し始める・・


誠は興味無さそうに食事を済ませると食器を洗ってウォーキングに出かけた。


次の日から今日子は1人で幼稚園に行った。


そして途中で何時もタヌキ親子と待ち合わせをして幼稚園に向う・・


葵は相変わらず汚れた手でタヌキの服を触っていた・・・


嫌な顔をするタヌキに対して今日子はまるで気が付かないかのように何も娘に注意をしない・・


タヌキの中で少しずつストレスが溜まり始めた。


ママ友のなかで・・・


「あげたし・・」はタブーな言葉らしい・・


人生は辛すぎて私の手には負えない・・