大切な者 | 僕が死ぬ日・・生まれる日

僕が死ぬ日・・生まれる日

僕が死んで・・生まれる日までの記録

本当に大切な者の価値は失って初めて知る事が出来る・・


あたり前のように側に居てくれる人間の存在を・・


人はあたり前だと何時の間にか感じてしまい。


その大切を見失ってしまう。


そして、そのあたり前が消えた時に・・


初めてその大切さに気がつくのだ。


人間とは・・・


なんと愚かな生き物なのだろうか・・


本当に・・・


晃は小学校に入学した。


入学式の日、義明は着慣れないスーツに久しぶりに袖を通した。


「孫にも衣装ね!」


そんな義明を見ながら小雪は笑いながら言った・・


「お前に言われたくね~~よ!」


義明はそんな汚い言葉を使いながら嬉しそうに笑った。


晃の小学校には3つの幼稚園から生徒が集まった。


初めての教室、初めて出会う仲間達・・


気が強い晃であったが、そんな初めてに少しだけ緊張した。


そして・・


何時もあたり前のように自分の前に座って居た真子が居ない事に・・


なんとなく寂しさを感じていた。


「お前!共栄幼稚園の晃だろ!

結構、強いらしいじゃん!」


不意に後ろの席の生徒が晃に話しかける。


彼の名前は加藤建一・・


村の西にある韮山幼稚園の園児であった。


「ああ・・お前は??

だから・・何??」


そんなシラケタ言い方の晃に建一は言った・・・


「お前・・生意気だな!

今まではそれで通用したかもしれないけど・・

これからは俺が居るからそうは行かないぞ!」


建一は晃を睨みつけながらそう呟いた。


「ケッ!偉そうに・・」


晃はそう呟きなら舌打をした。


悦子が死んで6年になろうとしていた。


義明はそれなり成功をしていた。


店も3店舗になり長屋に住む人間の何倍もの金を稼いでいた。


「義明さん!そろそろここを出て家でも買ったら??」


そんな事を言う住人も居たが義明はそんな時に何時も笑って言った。


「俺はここが好きなんだ・・

ここには何時も悦子が居てくれるきがするから・・」と


義明にお見合いの話が無い訳ではなかった。


長屋の世話焼き女房達が次々に写真を彼の家に持って来る。


しかし、義明は何時もそんな写真を眺めながらすまなそうに言った・・


「すいません!悦子、以上の女は居ないから・・」と


そんな義明を見つめながら小雪は何時も暗い気持ちになっていた。


何時までも悦子の亡霊に縛れて居たので・・


悦子、自身が可哀想よ!


彼女の一番の願いは、あなたと晃君の幸せなのだから・・と


小雪は美人であった。


年はもう直ぐ30歳を越えるくらいで義明とそんなに年は変わらない。


何時も義明の世話をしている小雪に長屋の女が言った事がある。


「小雪ちゃんが義明さんと結婚すれば良いのに・・」と・・


そんな話がある度に小雪は笑いながら言った・・


「こんな水商売の女・・あの人には不釣合いだわ!」と・・


ある日の夜、義明と晃は小雪の店で夕食を食べていた。


「義明さん!たまには一杯飲まれますか??」


小雪は笑いながら義明に言った・・


「いいや・・酒はやめたので・・」


義明の返事は何時も同じであった。


義明は最後にこの店で長屋の男達と飲んだ後・・・


6年間、ひと口もお酒を飲んで居なかった。


それが義明の意地であった。


そんな彼を彼を知らない人間は意思が強い男と言った・・


しかし、小雪は・・哀れな可哀想な男だと涙するのであった。


時間は夜の8時をまわろうとしていた。


「晃、!そろそろ帰ろうか!」


そう義明が晃に言った瞬間・・・


小雪の店のドアが突然に開かれた。


義明は無意識に開かれたドアの方向を見つめた。


そこには1人の男性が立っていた。


「小雪さん!今日こそはちゃんとしたお返事を頂きたい・・」


そう呟きながらその男はドシンと義明の隣のカウンター席に越しかけた。


ちゃんとした返事???


義明は帰るのを少しだけ止める事にした。


「小雪さん・・ウーロン茶を一杯もらえますか??」


そんな義明の言葉に小雪はつらそうな顔をした。


※今回のお話はこれでお終い・・

皆様!ごきげんよ~~~う(=⌒▽⌒=)