放浪する千鶴子改訂版
La zia del vagabondaggio
男から男へ放浪する女千鶴子
私の母の一番下の妹
彼女は4回の結婚離婚を繰り返した
4番目の男と別れたのも他の男が好きになり家出した
小さな男の子を置いて・・・・・・・
私の母が脳溢血で行き倒れになった時
何故か母の手帳の裏面に
千鶴子の電話番号が
走り書きしてあったので
このどうしようもない
叔母の所に
我が母危篤の第一報が入る
母は長女でしっかり者だった
不肖の末妹、千鶴子連絡先の走り書きは?
危篤の母は病院で11日目に息を引き取る
母が何故千鶴子の電話番号を知ったのかは
今でも謎である
兄弟姉妹親戚元亭主産んだ子供たちが
知らない千鶴子の居場所
母が行き倒れ病院に運ばれた
その時、千鶴子は病院に来た
それから他の姉妹の一人に連絡
母のすぐ下の叔母が来るなり
じゃあねといつもの様に
半開きの口をポカンと開けたまま
帰って行った・・・・・・・・・
千鶴子の暮らし
生活保護
エアコン付きの1DK
家賃はいらない
税金も払わなくていい
13万円位支給されている
下手なプライドなんかなければ
生活保護はいいんだろうね
4番目の亭主と別れたのも
男関係である
お決まりの様に子供を残して出奔
つまり5番目の男がいたという事になる
彼女は決して美人ではない
男を惑わす魅力も感じられない
鼻は低いし、目はアイラインの黒だけ
口元だらしなく、いつも半開き
上下の前歯は3本も抜けている
頭が足りてない所が男心をくすぐるのか?
女の私には判らない
次々と男を変える千鶴子の性癖
最初の亭主とは2人の女の子を儲ける
次の結婚は下の子だけを連れ子にして
商売をしている人と結婚
其の連れ子を置いて!
20歳も若い男と再々婚したのは
42,3才位だったか⁈
私の母方の祖母が亡くなった時である
私と同い年くらいのいい男だった
多分、27,8歳
二人の間にはもう2歳の子がいた
↓
その子も次の男と逃げた時置いていく
3番目のご亭主は子供を連れてきた
千鶴子はいつも産みっぱなしで自分の母の葬式に
何処からか一人でスーッと来ていなくなる
なんと葬式の最中出奔した
千鶴子はそんな感じで男を
次々乗り換えて子を捨てて来た
離婚した4人の
元夫たちは再婚していない
二番目の肉屋の亭主は再婚もせず
連れ子を立派に育て上げて嫁に出した
千鶴子の子どもたちは
母をどう思っているのだろう?
三歳前後で置いていかれた
産んだ子供より男!
千鶴子に一度聞いてみたかった
産んだ子供は4人
女の子2人男の子2人
子供はバラバラに暮らしている
それぞれの父親が育て成人した
二番目の夫は連れ子を育てた
4人は短大、大学に進学し立派に成人した
千鶴子はオツムが足りない?
眼はどこを見ているのかいつも虚ろである
生活保護を受けてから15年
彼女は今75歳位だろうか?
なんどもいうが彼女は美人ではない
所謂いい女でもない
最近また男の影がある様だ
居場所が判って会いに行った叔父
千鶴子の話に驚愕する
もう一回結婚しようかなぁ~![ハートのバルーン](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char4/662.png)
![ハートのバルーン](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char4/662.png)
迷ってんだ~アタシ
そう呟いていたらしい
末弟の叔父はやめとけ
生活保護受けられなくなるからさ
姉さんいくつだと思ってるの
結婚して配偶者ができると生活保護
受けられないよ
エーッ受けられなくなるの!
そういう事も理解できない千鶴子叔母さん
今思えば白痴?魯鈍?
高校には行けなかった
行く気が無かった方が正しい
勉強は全く出来ない
今度の男も独身の45歳位のサラリーマン
なかなかのいい男だと言う
この話は西乙眞の
老いらくの恋する叔母
放浪の女
千鶴子の物語である
千鶴子は2022年12月末に亡くなった
彼女の子たちは告別式に来たらしい
このノンフィクション物語は
2019年千鶴子が生きていた頃
西乙眞の叔母千鶴子の生涯を
今風のデザインに改訂したものである
【墨呂空】