定額給付金もらいますか? http://ameblo.jp/otokonosweet/entry-10191190518.html の続き。


俺がかねてから懸念しているのは日本の食料問題と少子高齢化。
とくにスイーツブロガーになってからは、食糧問題はとても身近に感じ、問題意識を持つようになりました。少子高齢化についてはお一人様中年男性としては偉そうなこといえないので、今日は触れません(笑)。

たとえば、俺がこうして毎日食べているスイーツたちも、すべてが農産物や乳製品からつくられているわけで、コストやトレーサビリティという問題を超えて、食料問題として高所大所から考えるようになりました。

食料は人間が生きていくにあたって最も大切で欠かすことのできないもの。命の根源といってもいいよね。
しかし、果たして、われわれはそんな食料に対して、どこまで本気で考えているだろうか?
日々食べるものが溢れてしまっている、飢餓がなくなった日本において、日常それを考えるのは難しい。

途上国の飢餓という食糧問題と日本の食料問題はが表す通りに、まったく異なるものだが、食料問題が食糧問題に至るリスクは常にはらんでいる。
地球温暖化対策などエコといった響きのいいカッコいいものには飛びつくけれど、食料問題を深刻に身近に考えることって少ないような気がする。

皆さんは我が国の食料自給率をご存じだろうか?
食料自給率とは、我々が食べている食料のうち、どのくらいが日本国内で作られているかという割合のことです。計算方法は複数ありますが、それぞれの品目をカロリーベースにならし算出したものが農林水産省のデータです。

主要国の食料自給率(カロリーベース)
国名 1962 1966 1970 1974 1978 1982 1986 1990 1994
オーストラリア 229 255 206 234 268 242 233 233 217
カナダ 143 169 109 121 168 176 189 187 167
フランス 106 96 104 120 123 135 132 142 131
ドイツ 70 66 68 78 80 85 85 93 88
イタリア 89 86 79 76 76 77 77 72 78
オランダ 68 63 65 69 77 73 88 78 70
スペイン 94 101 93 89 102 95 93 96 86
スウェーデン 90 72 81 114 93 98 104 113 75
スイス 51 47 46 51 56 60 59 62 59
英国 45 44 46 53 59 72 74 75 74
アメリカ 115 117 112 132 135 142 128 129 132
日本 76 68 60 55 54 53 51 48 46
国名 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003
オーストラリア 261 273 261 281 310 280 265 230 237
カナダ 163 159 157 158 184 161 142 120 145
フランス 131 139 138 140 137 132 121 130 122
ドイツ 88 90 95 96 101 96 99 91 84
イタリア 77 75 76 77 77 73 68 71 62
オランダ 72 70 71 70 67 70 67 67 58
スペイン 73 99 97 93 84 96 94 90 89
スウェーデン 79 86 85 93 79 89 85 87 84
スイス 59 60 58 60 57 61 55 54 49
イギリス 76 79 76 77 78 74 61 74 70
アメリカ 129 126 131 131 127 125 122 119 128
日本 43 42 41 40 40 40 40 40 40

引用:農林水産省
http://www.maff.go.jp/j/zyukyu/zikyu_ritu/013.html
主要先進国の食料自給率(1960~2003)
(エクセル:25KB)


この表の通り他の先進国と比べても極めて低いのが日本なのです。
破綻こそしてしまったが、金融大国のアメリカでさえ、食料自給率は100%を超え農業大国。
お菓子の本場フランスもさすが100%を超えもはや農業立国といえる。
我が国の自給率40%ということは、60%も外国に依存しているわけで、家庭でいえば朝昼晩の3食のうち、家の食事は1回であとはよそ様の食事をもらっているというような不安定な状況。
表からも瞭然なのは、日本だけが唯一、増減することなくひたすら下降しているということ。
しかも、1998年から40%のまま。これがなにを意味するのか、是非みんな真剣に考えたいところだよね。

そもそも、食料の問題は国家の存亡にかかわる重要課題であるはずだ。
原始の時代は、生きるために食料をめぐって絶えず部族間で対立し紛争をしていた。
日本においては、水稲(コメ)という稲作文化が伝来し集落をつくり、それがやがて国家の源になっていくわけで、荘園制、封建制をはじめ戦国時代の領地の奪い合いなんて、実は石高という農地と農民の奪い合いだったわけだ。

ということは食糧問題は、国家の安全保障問題でもあるわけで、北朝鮮のミサイル以上に深刻に受け止めなければいけないはず。
すなわち、国家は人なり、食料は国家なりということだな。

資料のある2004年の防衛予算は約5兆円で、かたや農林水産予算はその五分の三の約3兆円。
自給率をあげるためにはまだまだ沢山やるべきことがある筈なのに、予算配分を考えればとても少ない感じがする。

自給率問題と農政問題は同列では語れないだろうが、食料問題を農業の側面からいうと、それは農家保護の助成金や輸出入関税の問題とは別に、農業を生産性のある事業、もっとえげつなくいえば国民の殖産政策としてとらえ予算を計上すべきなはずだ。

リストラされた社員や解雇された派遣、契約社員だった人たちの就農者が増えているという。
それもそのはずで、日本の農家の直面する課題は、高齢化が進み後継者不足による、休農、耕作放棄なのだ。ようするに農業の担い手が不足しているということ。
これだけ景気後退で解雇される人が増え続けていると報じられる一方で、農業の人手不足というその現実の矛盾。

2005年の耕作放棄地は39haに及び(参照 http://www.maff.go.jp/j/tokei/sihyo/data/10.html )、その面積はなんと埼玉県の総面積よりも大きい。※耕作放棄地とは一年間なにも栽培されていない農地をいいます。

既存の農家が人手不足に陥っていて、なおかつ耕作放棄地は埼玉県以上?
これらを改善するだけで、いったいどれだけ雇用が創出できて食料自給率があがることだろうか?
これは一石二鳥ではないか!

しかし就農というものの現実は厳しいのが事実。
いかに就農者を定住就農者として受け入れ育てていけるのか?
それがまさに国が成すべきところであり、農林水産省官僚の役目ではないのでしょうか?
(なぜか農林水産省って統計とって、予算配分ばかり考えているお役所のような気がするゼ)(笑)。

俺だったら2兆円規模の予算があれば、こんなことに活用したい。

予算で保護しろ、規制しろ、といっているのではない。
農林水産業に投資しろ、援助しろ、殖産しろ、といっているのです。
具体的には就農するための職業訓練施設や啓蒙施設、生活施設、インフラを整える。

リタイアされた団塊の世代といわれる方々、年金生活者といったシニア世代の方々に人気なのが、クラインガルテン(Kleingarten)と呼ばれる滞在型市民農園
実は密かなブームで、各施設は入園待ち状態といいます。

たとえば南アルプス市が母体の南アルプスクラインガルテン http://www.minami-alps-klein.jp/
こちらも定員の5倍以上の応募があったそう。
俺も申し込みたいって思ったぐらいだもの(笑)。
いっそのこと、ブロガーの皆さんとでシェア保有して週末農園やるのも楽しいかもね!?

脱線したが、こういった滞在型の農園を各地に沢山作るというのはどうだろう。
定住営農できるように農地面積を大きくし、訓練研修施設や農業インフラを整えた大規模クラインガルテンを各地に作るのだ!

全農主導の農営から一歩踏み出した企業体の殖産農業が必要だ。
確かに一般企業が農業するにはあまりに規制が多い。
過去にあのユニクロやオムロンが進出し付加価値野菜を耕作、直売したが成功せず撤退してしまった。

ワタミファームも年々縮小規模にあるという。
こんな規制をしている場合ではないのに、なにやってんだよ日本の農政と全農は!。

こんなんだから、もしそれが難しいなら、いっそのこと陸上自衛隊員を数十万人規模で増員するのはどうだろう?
別に国連軍に派遣しろ、などというのではなく、食料問題を国家の安全保障問題ととらえれば、自衛隊こそが、耕作放棄地を開墾し生産性をあげる一助になるべきではないでしょうか?

それこそ自農隊。自農幕僚監部を設置したりして(笑)。

いゃ、冗談めかしてしまったが、それこそ徴兵制ならぬ「徴農制」はどうだろう?
16歳ぐらいから22歳ぐらいの男女全員が1年から2年間農林水産業に従事することを義務化するのだ。学業は農閑期にすればいい。当然志願すれば年齢はいとわない。俺も当然志願するゼ(笑)。
そうすればおのず食を育む大切さ、大変さ、素晴らしさを知り、自然に対する畏敬の念が育まれれ、やがて「生命」そのものの大切さを知り、命を慈しむ心と生きることの本質を学べるような気がしてならない。

そういう、自然を敬う心が培われてこそ、地球温暖化対策やエコっといったライフスタイルが行えるのだと思う。

そして、こうした精神性が失われてしまったからこそ、食の偽装だの、命の軽視だのがまかり通る世の中になってしまった気がする。

話はまたもやちょっとそれたけれど、俺だって、2兆円規模の予算があれば、定額給付金なんていうバカなばらまきよりも、少しはましな考えを持てるわけだから、国会議員のセイセイ方、本気汁出してよ本気汁!(笑)

津波のような人員削減の動きは、民間シンクタンクの調べによると、2010年半ばには国内の失業者が170万人に及ぶこともありうるという。
そんな社会のうねりに、われわれは労働者、生産者、資本家としてではなく、消費者として意識の変革も迫られるの時なのかもしれないね。

云いたいことは、言い切ったかな(笑)。