続いていたワグナーのメンテナンス

作業場での仕事が無事終了しました。

 

 

全てがピカピカになりましたっキラキラ

 

 

がしかし都合により

ピアノ本体のクリーニングが

まだ終わっておらず、

ひとまず保留とし

イースタインの作業に入ってます。

 

 

左が終了した広島ワグナーで右がこれからのイースタインB。

 

 

僕がこれまでに

関わらせていただいた

イースタインは、

例外なく中は酷い状態でした。

 

イースタイン自体古い楽器ですので、

50年以上前に製造された個体が

基本となってきます。

 

今回も御多分に洩れず

製造は1967年(昭和42年)ですので

57年前の個体です。

 

 

 

調律カードがなくても

イースタインはアクションのどこかに

製造年の記載があります。

 

ちなみに、

イースタインの製造番号表記は独特で、

上のパーツは

67年のある月の3日の16番目に作られ、

下のハンマーアッセンブリは

67年のある月3日の14番目に

作られたという意味、

ということになってます。

 

よく見ると同じアッセンブリでも各パーツによって日付が異なる。

 

製造日当日の14番目とか16番目とか

細かく記載してある点がミソ。

通常は製造年のみの記載が一般的です。

 

クリーニング前なので汚れてますがアクションレールにも記載があります。

 

本当は製造年の前に

製造月もわかるアルファベットの

記載があるはずなのですが

なぜか今回はありませんでした。

 

過去記事にもう少し詳しく書いてます。

 

 

これらの写真は今回のイースタインを

最初に見に伺った日のものです。

 

 

なかなかの汚れ具合です。

てかここ2〜3年で"優勝"かも。。

 

 

 

 

B型の弦の張り方は一本張りと掛かりがあります。今回は掛かりです。

 

 

イースタインで

気をつけないといけないのは

チューニングピンが緩くなる

いわゆるピンズル(ルーズピン)

という症状。よくあります。

 

でこれがあると

メンテナンス費用が大幅にUPするか、

深刻な場合は

泣く泣く修理を諦めるケースも。

 

ピアノの状態から

最初は覚悟したのですが、

ラッキーなことに

今回は大丈夫でしたOK

 

で大丈夫となると

これはもう絶対メンテナンスを

行ったほうがいい楽器、

ということになります。

 

このイースタインというピアノは

ピアノメーカーができた背景や

楽器に関わっていた人々など

様々な要素を考えると

 

劇場型ピアノ

 

と言ってもいいかもしれません。

そのヒストリーが

一冊の本にもなっているほどです。

 

詳細は過去に書いているので

ここでは割愛します。

ご興味ある方はどうぞ。

 

いい塩梅にイエロー化した象牙鍵盤。

 

 

ただピアノ本体がこれだけ傷んでいると、

必然的にアクション自体も相当きてる、

ということになります。

 

すでにバラバラです。

 

シミだらけのシャンク。。これ除去するの大変なんです..

 

表面のホコリを取ってもシミだらけのアクションレール.。

 

同じくシミ&カビだらけのウィペン。

ガチガチでほとんど動かないジャック。

 

同じくシミ&カビ&ホコリだらけのダンパー。すごい汚れ方..

 

深溝&汚れまくったハンマー

ことごとくこんなです..

 

ダンパーレバークロス、の穴..

 

経年劣化で先端がパッチンパッチン切れる、ブライドルテープ。

 

 

 

さてこれから、

イースタイン劇場の

幕が開きます。。

 

 

 

 

今日も僕のブログを読んでくれてありがとうございましたm(__)m

 

OTO

工房

古いピアノの修理

メンテナンスのご相談はこちらからどうぞ