昨年末まで作業していたアトラスも無事納品し

現在は早速次のメンテナンスに入っています。

 

アトラスについては外装磨きが追加となり

本体部分はお客様宅で作業を行う必要があり

納品は遅れに遅れてしまいましたm(__)m

 

お客様宅での外装磨きは厳重な養生が必須。状況によってはお断りのケースも。

 

作業場でピカピカになった前パネル。二ヶ所塗り直しが必要でした。

 

作業終了後に全てのパネルを取り付けましたキラキラ

 

 

最終日に調律ということになるのですが、

ここで問題発生。

といっても最初からわかっていたことです。

 

ピアノ上部に棚が壁に直接設えてあるため

調律ハンマーが入らないのです。

棚を壁から取り外せば問題ないと

最初はなんとなく思っていたのですが、

諸事情によりそれができないとなり

さて困りました。。

 

いろいろ考え

弦交換の時などに使っている小型のラチェト

長いエクステンションバーをつければ

なんとかなるのではと Let's try!

 

 

写真だとわかりにくいですが棚がかなり前に出てます。

これでもギリギリ。この位置でピアノの上蓋に当たってしまう。

 

で実際にやってみたのですが

まだラチェット柄の先端部分が上蓋に当たる。

つまり上蓋が途中までしか開かない状態。

これだと腕も当たり非常〜にやりにくい。

 

あとラチェットということもあり

微調整がじつに難しく

精密な調律ができません。

これは調律という作業にとって致命的。

 

しかもピッチが半音以上も下がっているので

普通に調律しても時間がかかるレベル。

これではいつ終わるかわからない。

というより

途中で僕の心が折れることになりそうだ。

 

結局前方にピアノを動かすことにしました。

 

Let's do it!アセアセ

 

最低これくらい前に動かす必要がありました。

 

無事調律することができました。

 

 

半音以上下がっている弦を上げたので

ピッチは当然すぐ下がります。

しかもものすごい下がり方..

今回は2回調律を行いましたが

ピッチが正しく安定するには

何回か調律が必要で時間がかかります。

 

がしかしアトラスの音は

とてもすばらしいものでした。

古いピアノはこれだからやめられません。

とにかく新しいピアノにはない、

まさに時代を超えた

独特な音色を響かせてくれるのです。

 

 

お孫さんのためのピアノと伺っていたのですが、

オーナー様は保育士でいらしたとのことで

これを機にまたピアノを再開しようと

おしゃっていただけました。

 

お孫さんがピアノを弾けるようになるには

もう少し時間がかかるかと思います。

それまでにたくさん練習をして

皆さんで素敵なピアノライフをお送りください^^

 

 

 

 

 

 

 

・・・

 

 

 

さて年初めから

というより昨年末から

始まっているメンテナンスは、

カワイのBLー71という機種で

BLシリーズの上位機種です。

約50年前の個体で

もちろん大掛かりなメンテナンスは

今回が初めてになります。

 

グランドと同じスタイルの譜面台や

鍵盤蓋を採用しています。

かつてケーヨンパー(K48)

と呼ばれていた高級機種が原型のモデルです。

 

更にこのK48の原型となった機種が

僕が所有しているNO.480という機種です。

だからBL71とは遠い親戚の関係です。

ちなみに僕のNO.480は66年前のピアノです。

関連時期

 

 

現在BL71のアクションはすでにバラバラ状態です。

 

 

アクション引き上げ時に

クリーニングを行わせていただいたので

ピアノ内部はすでにキレイな状態です。

 

 

チューニングピンのサビ〜

プレッシャーバ〜 ビフォーアフターキラキラ

 

チューニングピンは弦のコイルまで磨くの大事キラキラ

 

低音弦の汚れ。

右半分磨いたところ。弦は磨き過ぎないこと大事。

 

 

キーピン〜

キーピン〜キラキラ

 

お馴染みのペダル〜キラキラ

 

相変わらず大変な散乱状態と化す現場m(__)m

 

 

こちらのピアノは

昔パパ様がご実家で弾いていたもの

とお聞きしました。

元は親戚のお宅からパパ様のご実家へ移動し、

数年前にパパ様のご家族が暮らす

現在のご自宅へお引越ししました。

 

こちらへピアノを移動する際に

業者がクリーニングを行ったはず

とお聞きしましたが見る限り

鍵盤下の埃を掃除機でさっと吸った程度

と思われます。

これはよくあることです\_(`o´)ココ!

 

 

 

二人の娘さんは

バイオリンを習っているという

音楽一家です。

 

ピアノがキレイになった暁には

お父様もピアノを再開されるはずですし

お母様もまたリスタートしたいと

確か言っておられたような気がします。

 

願わくば一度ピアノから離れた

娘さんたちもピアノを再開し

バイオリンとピアノの二刀流で

有意義な音楽の時間を楽しんでほしい。

 

きっとそんな願いを込めての

ご依頼なのかもしれません。

 

 

 

 

今日も僕のブログを読んでくれてありがとうございましたm(__)m

 

OTO

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