「 子供 の 脳力 は 9歳 までの育て方 で 決まる 」の ご 紹介 です | 詩 と 散文 と 音楽 の 広場 ☆ ミックス・ヴォイス の 見つけ方

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著者 は 京都 大学 名誉 教授、 
脳 生理 学者 の 大島 清 (きよし) さん。

◇ 5 ページから。
1.脳は 9歳 までに つくられる

【 脳力 は 9歳までの しつけ で 決まる 】

【 前頭葉 (ぜんとうよう) は
9歳 までに  出来上 (できあ) がる 】

人間 の 「 心 」 というのは、
胸 に ある のでは なく
「 脳 」 にある。

その 上 で 脳 の 成長 過程 を
考えていくと、
教育という 刺激 の 期間 も
ある 程度 決まってくる。

例 (たと) えば、脳 の 中 に ある
前頭葉 の 大半 を 占 (し) める
ソフトウエア ( = コンピュータ
に 対して 命令を出す プログラム )
の 部分 は、9歳 までに
出来上がって いくもので、
9歳 以降 変化させるには
うんと 時間 が かかる。

そういった 意味 において、
子育て の 場合、9歳 までが
最 (もっと) も 大切な
しつけ の 時期 である。

それでは、9歳 までに
どのようなしつけ方が
大切かというと、
大事なのは、
《 本物 を 見せてあげる 》
と いうことに つきる。

デジタル 映像 は 魅力 (みりょく)
が あっても しょせん
絵そらごと、理屈抜きの
からだ で 覚 (おぼ) える
喜 (よろこ) び が いちばん だ。

本物 というのは、例 (たと) えば、
ヘソ の 緒 (お) でも 持ってきて
子供 の 目 の 前で 見せてやり、
命 の 尊 (とうと) さ を 教えたり、
夕日 を 一緒 に 見たり、
電線 に 止まった 小鳥 の
名前 を 図鑑 から 探 (さが) したり、
さえずり の 声 を 真似 (まね)
て みたり、何となく
沈 (しず) んでいる 時 は
しっかりと 抱きしめてやったりと、
親子 関係 にしても、
人間 関係 にしても、
本当の 愛情 や 信頼 関係 を
子供 に 見せて、教えてあげる
と いうことに つきる。

もし、この 時期 に 子供 に
《 本物 を 見せる 》ということ
を して おかなければ、
子供 自身、現実 と 虚像 との
区別 が つかなく なる。

ビデオを見て、現実 と 虚像 との
違い が わからなくなったり、
空気 銃 で 通行人 を 
撃 (う) つ と いうのは、
この 時期 に 本物 を 見ずに
成長した ということが 言える。

それと もう 1つ 大切なことは、
子供 を 「 ほめて 育てる 」
と いうこと である。

現代 の 母親たち は、
子供 を しつけるときに
しかって ばかりで、
ほめる という こと が
少ないようだ。

前頭葉 が 完成するまでに
しかってばかりいると、
素直 (すなお) な 心 が
かたくな( = 頑固 ) に スミ に
追い やられて しまう のである。

だから、子供を しつける ときは、
しかって ばかり よりも、
その 合間 (あいま) に
「 ほめる 」 という クッション を
与 (あた) えることが 大切なのは
言う までも ない。

つまり、しかって ほめる という
ことは、中脳 (ちゅうのう) から 
出発している 快感 神経 系統 を
刺激する と いうこと に なる。

快感 神経 というのは 枝 (えだ)
のように 広がって いるので、
食欲 中枢 (ちゅうすう)
性欲 中枢、そして 知的な
活動への 刺激 となり、それで、
食欲 や 性欲 や 意欲 が
増 (ま) して、脳 全体 に
喜び の 気持ち が
わいて くる ので ある。

陰 (いん) が あって
陽 (よう) が あり、
動 (どう) が あって
静 (せい) が ある わけ だから、
決まった 刺激 だけでは
脳 は 麻痺 (まひ) して
しまう ことに なる。

しかし、子供 を ほめる
と いっても、逆 (ぎゃく) に
ほめて ばかり いると、
これ も また、よくない。

それは 子供に、自分 は
偉 (えら) いんだ という
心 を 植 (う) えつける だけに
なって しまう から である。

子供に やる気 を 起こさせるには、
ほめてしかり、しかっては
ほめる というように、常 (つね) に
脳 を ゆり 動かす と いった
刺激 が 必要 なのである。

【 ほめて しかり、
しかって ほめて 脳 を 育てる 】

現代 の 日常 生活 では、
動物 と 共有 の 部分 である
大脳 辺縁 系
 ( だいのう へんえん けい ) は、
もう1つ の 部分である
大脳 新 皮質 系 
( だいのう しん ひしつ けい )
によって コントロール されている。

人間 が 本来 幼いころに 養 (やしな)
わなければ いけない のは、
快、不快、怒り、喜び、悲しみ
など、非常に 原始的 で 単純 な
感情 であり、これは、
大脳 辺縁 系 で 育っていく 動物 と
共通 の 情動 の 心 である。

つまり、読み、書き、ソロバン に
かたよった 大脳 新皮質 ばかり
刺激 する ようでは、
情動 は 育たない。

だから、日常 生活 で《 遊び 》
という 間 (ま) を 入れるべきで、
《 しかって ほめる 》ということも、
脳 を 刺激 するのに
たいへん 効果的 な ことで ある。

〈 中 略 〉

【 原 風景 (げんふうけい) へ の 
回帰 (かいき) 】

子供 の ときに 見た 風景。

その 中で 感じた 快感 の 記憶
というのが その 人 の 人生 の
目的 なること が とても 多い。

田舎 (いなか) の 風景 とか
木 の 香 (かお) り、潮風
(しおかぜ) の 感触 (かんしょく)、
落日 (らくじつ) を 見ながらの
トンボ 取 (と) り、
寝 (ね) ころんだ 陽 (ひ) なたの
干 (ほ) し 草 の 匂 (にお) い ・・・

それを もう 1度
味わって 見たい と 思う。

原 風景 を 持った 人 は、それを
出発点 というか 核 (かく) として、
それが 創造力を あと押 (お) し
していることが 多い。

小説家、画家、映画 作家 
などの 処女 作 が 原 風景 から 
生まれる ことが 多い のは、
もっとも な こと で ある。

五感 を フル に 動員して 
感じ 取った 原 風景 の 世界。

そこにいるとき、人は
快感 神経 A10 が 刺激 され、
ドーパミン や ベータ・
エンドルフィン が たっぷりと
分泌 (ぶんぴつ) されている。

魂 (たましい) の ユートピア とは、
この 記憶 の 底 に 横たわる
原風景 にある のではないか と思う。

だから、これから の 子供 たち に
残して ゆきたい のは、五感 の
バランス の とれた 快感 である。

笑顔 と やさしい 声。
乳 (ちち) の 匂 (にお )い と、
やさしく触 (ふ) れてくれた
感触 (かんしょく)。
懐 (なつ) かしい 味 (あじ) 。

そういう 生き物 感覚 が
もたらす 心地 よい 刺激 で
脳 に 快感 を 与 (あた) え、
育てて ほしい と
思う わけ で ある。 

その 「 原 風景 の 快感 」 、
つまり、《 遊び 》の 中 に こそ、
人生 の すべて が ある のだ から。

〈 後 略 〉

□ 参考 文献

「子供 の 脳力 は 9歳 までの
育て方 で 決まる 」
大島 清 (きよし)   著
株式 会社  海竜社  発行

◇  大島 清
 https://g.co/kgs/FM9jUEV