第120回レッスン ~バッハとヴィヴァルディ~ | 四十路テナライストのヴァイオリン練習部屋

四十路テナライストのヴァイオリン練習部屋

音楽や楽器とはおよそ縁のないまま四十路を迎えた中年男性がヴァイオリンを習い始めた。
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 今回は理由があってヴィオラのレッスンをしていただくことにした。といっても積極的にヴィオラを見てほしかったというよりも、ヴァイオリンの弓の具合がわるいので、仕方なくヴィオラという中途半端な気持ちだったので、先生にはちょっと申し訳なかった。
 とはいっても、ヴィオラはヴィオラで悩みは深い。4指が届かないのは何回か前に記事にしたが、開放弦でさえ思うような音色は出てこないし、4指以外も音程は不安定。しかもバヨ会ではすっかりヴィオラ係が定着しているので、レパートリーにしたい曲もいっぱいだ。いったい何から練習すればいいのか。などと言いつつも、面倒くさい基礎練習は長続きせず、すぐに曲のコソ練を始めてしまう私の性格は先生にはお見通し。さっそく「何か曲はないですか」という話しになった。それじゃ、一番基礎練習が出来そうな曲ということで、バッハのヴァイオリン協奏曲1番イ短調の第2楽章を見ていただくことにした。


 曲を見ていただくのならスコア譜を持って行って然るべきなのだが、ここで気持ちの中途半端さが露呈。ヴィオラ譜しか持参していない。それじゃ曲想が付けられないと、スマホでYouTubeを検索される先生。見つけた動画を再生しながら、楽譜に書き込みをされていく。そしていよいよ弾いてみてください、となった。

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 この曲を弾く時のポイントは深さ
 そういわれると、ついつい身体全体で深く響くような音を出そうとしてしまうのだが、ここでも踊るのはNG。背筋を伸ばして、内面から深さが滲み出るような音色で弾く。う~む。仰っていることが既に深い。特にヴィオラなので、和音を意識して、その和音でフワッと包み込むようなイメージを持つこと。でも身体は揺らさない。ところどころにメロディーが出てくるのだが、そこもテンポを守ること。「やったー、出番だ~」と思って歌いすぎず、全部が伴奏のつもりで冷静に弾く。決して身体で弾いてはいけない


 ここでいう深さとは、音の出始めから中盤にかけて弓を弦に沈めていくような感じで厚みを増していくような弾
き方。練習は開放弦でもできる。

 決して簡単な曲ではないは、パターン的にはそれほど多いわけではない。だいたい最初の何小節か(上で引用したところぐらい)を弾けば、あとは同じパターンだ。とはいっても、指がうまく回らないところもあるのでなかなか一筋縄ではいかないが、そこは自分で頑張りなさいということなのだろう。


 もう少し時間があるので、もう1曲見ましょうかということになった。手元には、AllaRusticaだとか、霊感も1番と7番と11番があったのだけれど、先生が「もう1曲」と仰っておられるのは、前に見ていただいたヴィヴァルディの「調和の霊感」11番ニ短調第1楽章に違いない。

 この曲は霊感プロジェクトの最初からのレパートリーで、我が家にヴィオラがやってきてからずっとお付き合いしている曲なので、もうすでに暗譜状態だ。ただ、最近は指遣いを変えて、移弦を少し少なめにする代わりに4指に頑張ってもらうようにしているところだ。
 今回は、フレーズの解釈をご教示いただいて、それにしたがって弓順を変えた。

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 弾き方なのだが、全体的に「ヴィヴァルディだから歯切れよく」とのこと。音の出し始めをパキッと。深い音から始まって、出したらあとは抜く感じだそうだ。


「深く」といってもバッハとヴィヴァルディでは違うのか。いろいろ聞いてみたいところだったが、少し調子が出てきたところで終わりの時間。なかなか深いレッスンだった。