桜さくら
咲いた桜は5分咲きだったか満開だったか、肌寒い春の初めだったのか、初夏を思わせる汗ばむような陽気だったのか、どうしても思い出せない。覚えているのは、初めはまったく気乗りがしない宴だった、という事だけだ。参加したメンバーの顔もはっきりしない。会社から少し離れた場所にある、桜で有名な公園で花見をしようと言い出したのは、確か若手の中でも威勢が良い数名だったと思う。絶対来て下さい、バッシュさん来ないんじゃ、スポンサーがいないじゃないですか。ここまではっきりと誘われ…たのではなく奢って下さいと強請られると、行かない=奢りたくないになってしまう。しょうがないので、業務を一つ残した所で切り上げ、彼らが既に盛り上がっているであろう公園に足を運んだ。途中コンビニエンスストアで少し良い酒を買い、ディスペンサーで金をおろした。歓声とともに迎えられ、何杯もの紙コップと乾杯を交わす。屈託のない笑顔に迎えられ、ビールを2,3杯飲み終わる頃には来て良かったと思える様になっていた。ほろ酔い加減になってきた時に、隣のグループの内の一人と目が合った。どうやら学生仲間であるらしい隣のグループは、わりと騒々しく盛り上がっている。そんな中、わたしと目が合った彼は、女性に囲まれ大いにもてているようだった。ひと際華やかな女性の笑い声が周囲に零れ、思わず私もそちらに首を廻らした所で、彼と、その碧の瞳と、視線が行き逢った。当たり前だが、表情を変える事無く自然に眼を逸らし女性達の会話に戻る彼から、わたしはそのまま視線が外せない。( 2009・10,09 再録 )季節外れもいい加減にしろ的な発想なのですが、花見で出会うのもいいなーと。騒いでる若人数人の中一人、桜の幹に背を預け、片膝立ててビール飲んでる22歳。騒ぎの中心にいるのに、何故かその瞳は寂しそう。そしてこっちはサラリーマンのグループ。紙コップは足りているか?部長におつまみを廻して。ああ、飲んでいるよ心配してくれてありがとう、なんて皆様に気配りつつ、ふと顔を上げ隣のグループになんとはなしに眼をやる36歳。霧に濡れそぼったように黒い桜の幹に寄り掛かる、一人の青年が眼に入る。笑ってるのに、みんなと仲良く話してるのに、何かが足りなそうな顔してるのが気になって眼が離せなくなる。友人との会話が途切れた、その隙間に伏せた彼の視線の先を追うと、丁度散った花びら。その一枚を自分の白い指先でそっと受け止めて、ふうっと息を吹きかける。ばしゅ撃沈。花びらの飛んだ先を見極めようと、上げた視線の先に自分を見つめる男が一人。眼と眼が合い、あんま見られてるんで、視線を逸らして、も一回見るとまだ見てて、「なんだよ」って口だけ動かしたら、向こう(ばしゅ)も声を出さず口パクで、多分ばしゅは…プロポーズするね。( 2009・12,09 再録/かなり修正 )はい、もう恒例となりました悲しき自作解説コーナーBY書いた本人。でもって同じネタで日記二日分、も恒例…すまない。更に…ほんっとうにほんとうに…ほんとに…桜の下のバシュバルが好き、なんだね。何度も同じ話を書いている。何度も読ませてごめんなさい、巻き込んですまない~。UPやめてた、のにやっぱどうしても没に出来ない…。 淡紅に透ける桜の花びらに 祝福されて実れ我が恋 ( 詠み人知らず…だがなんとなく想像出来たりする )この一枝に君を想う。ばるは桜。ばしゅは梅。( 2010・03,01 再録 )