祝われた |  お転婆山姥今日もゆく

 お転婆山姥今日もゆく

 人間未満の山姥です。
 早く人間になりたい。

今年の誕生日前日。

昨年同様、私は臥せっていた。

犬の件以来、体調が全くよくならない。

死んだショックというのではなく、今までと違う経験したことのない体調の悪さだった。

夕方になると微熱が出、怠い。

嫌な感じである。食欲はあるが、横になっていたい。

頭痛が酷く、風邪っぽいような違和感もある。

嫌な心持ちばかりなので、イベルメクチンを飲んだら軽快した。コロナに「効く」らしい話を聞き、昨年購入してあったものだ。

お守り代わりである。

万が一コロナに罹っても治療薬があるわけでなし、体調が悪いのに医療機関で待たされ、結果が「陽性」になっても耐えるしかないのだ。

週末の事だし出歩く気力が皆無なのであるが、抗う気持ちもあり、服用したのである。

数刻から半日でガラリと体が軽くなった。不快感も軽快した。

私には「効いている」のかもしれない。

そもそも体調の悪さはコロナかどうかもわからないが。

 

そうやってグズグズ過ごしていると息子から

「明日夜、寿司でも買って行く」

と連絡が来た。誕生日祝いをしてくれるようだ。

息子が用意してくれるとしたら

「お高い方のお寿司屋」である。

しかし私は寿司の気分ではなかった。

 

「気を使わなくて良いのよ。老犬が死んで、それまでバタバタしてて今ヘロヘロなのよ」

「じゃあやめとく」

息子は深追いはしない。

なんか急にもったいなくなったので

「お蕎麦食べに行かない?」

と振ってみた。

「明日じゃなくても、そのうちに」

と言うと

「丁度用事があって蕎麦屋方面行くから、迎えに行くよ」

というありがたい返事だった。

 

で、翌日。

昼過ぎに息子夫婦が迎えに来てくれて、まず蕎麦屋へ向かう。

ここは、自家製粉の十割蕎麦で、平日は細麺と太麺を選べる。

昼はとても混んでいて、私たちが着いたときは13時半を過ぎていたが、テーブル席は満席で、奥の座敷に通された。

息子は小さい時から蕎麦喰いで、ちびっ子わんこそば大会で優勝したこともある。

今も蕎麦好きは変わらず、気に入りの店に夫婦でよく行くそうだが、「ここは初めて」と言っていた。私は細麺が好きなので、麺と、何よりも美味しくてたまらない天ぷらについて説明する。

 

夫は元来ラーメン党で、蕎麦は食べない人であったが、8月に彼の実家へ行った帰り、やっとここらまでたどり着いたとき

「蕎麦でも食うかぁ」

と珍しいことを言い出したので、たまたまここが帰り道に近いとなり、寄ったら

「蕎麦ってこんなに美味いもんだったのか」

と喜んでいた。

夫が言うほどだから美味しいのである。私もいつも温かい麺を食べるのだがここのざる蕎麦がとても美味しくて、更に天丼が実に美味しく、(よそで食べる天ぷらは胃もたれを必ず起こすのだが、ここのはそれが皆無で特に海老の美味しいこと!)2人で騒ぎつつ食べたのだった。

 

 

そんな話をし、ミニ天丼が付くセットを頼んだ。Yちゃんは温かい麺、息子と私はざるを頼んだ。

 

 

         

     

        

 

この頃トンと食べる量が減ったので、息子に蕎麦を半分手伝ってもらうが、彼も以前ほど食べない。そうか、もう子供ではないのだ…と感慨深いが、短く切った髪と顔を見ると中学の頃と何も変わっていないのがおかしい。

 

息子が全部払ってくれて、今度は昨年も買ってもらったブルーチーズケーキの店に行き、好きなものを選んでと言われる。

嬉しがってチョコマーブルを選んだ(写真3段目右下)。

 

 

     

 
     
 

 

その後、息子が今度大学の頃の友人に所用で会いに行くのに、手土産を買うと別の店に行き、何か手にして私に言う。

「コレ、イケダの子供が恐竜好きなんだよ」

どうかな?という。

「そりゃあ喜ぶでしょう」

と言うと得心した顔になった。

Yちゃんとアレコレ相談しながら他にも何か買い求めていた。

 

用事が済みウチに移動しお茶にする。

よくよく考えると夫婦に会ったのは3ヶ月ぶりである。

ここにいちいち何を食べた、だの、誰と会ったと記すのも、それほどまでに私はどこにも出掛けず過ごしている証左であるのだ。

体調はグズグズでも、この日はナンボか元気に過ごせたのがありがたいのだった。