めんこい嫁御と話したこと |  お転婆山姥今日もゆく

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 人間未満の山姥です。
 早く人間になりたい。

二つ三つ前の記事で、嫁のYちゃんとの連休中の、とある一日について書いた。

 

私には、夫がいて、息子娘がいて、嫁御がいて、友達もいる。

誰彼となく話もできる。

が、

男女間の温度差・性差

年齢差

親だから、あるいは、子だから逆に言えない

そういう場合もあったりする。

 

娘がカレのことを、一番最後に私に伝え、会わせる形になったのは、私以上に私の気持ちが分かっていたからかもしれない。

私ではなく、血のつながりのない夫へメールをしたのも、ワンクッション置きたかったからだとも思う。

 

息子が私に一切話さなかったのも、大事な件だったからである。

妹について、それ以外のことは割とヘラヘラ喋っていた兄だ。

 

それぞれがそれぞれの立場でものを考え、ものを言う、あるいは言えないでいる。

 

つらつら思い出すと、前夫の母は、ずいぶんと私にあれやこれや

「この人は一体・・・」

と思うようなことまでベラベラと話す人だった。

自分にとっての婚家先の悪口、自分への扱いへの恨みつらみ、それはいつも

「誰にも言わねでよ」

とわざわざ釘を刺すような内容であった。

 

結婚間もない私が一番衝撃だったのは、夫婦生活のことをあれこれ言われたことだった。

こちらへのやんわりしたアドバイス・・・ではなく、自分たちが現役で、

「つい5年前も妊娠したけど堕胎した」

という話で、生々しいというよりも、当時まだ妊娠という経験もなかった私には全く理解を超える内容であった。

 

挙句には

「これ持ってけば」

と、コンドームの箱を投げてよこされた。

驚くなかれ、箱は開封済みであった。中身はさすがに個別包装だったが・・・・。

 

もちろん前夫に話したことはない。

息子が母親の「女」の部分を聞かされることは、ただただ気持ち悪いだろうと思ってのことだ。

 

彼女にしてみれば、結婚以来の積年のあれやこれやを、「他人」である嫁だから言えたのだと思う。

その後も話は内容を変えつつ、きわどいことばかりで、末期には金の話、ジジイ(元舅)の話。

「アンタとオンナジ年の女と付き合ってるんだ!!」

と、私がその相手でもないのに同い年というところが憎たらしいらしく、ものすごい剣幕であった。

笑えるけど。

 

 

しかしいくら他人同士であっても、ただの他人でなくなると、聞き流すのも一瞬考えてしまうのが

「義理であっても親で縁者」

という繋がりなのである。

 

私もYちゃんには余計なことは言わないようにしていたが、今般の娘のことでは夫の次にYちゃんに告げたのは、どこか

「相手はもとは他人」

という変な甘えがあったのかもしれない。

 

ドライブ中は女二人である。

心置きなく話せる。

 

Yちゃんには可愛がっている妹さんがいて、徒然なるままに

「そろそろ年頃なのに・・・」

とよく話していたものだ。

 

自分が早い時期に結婚したから、自分の年になると余計に気になったとも思う。

それが、昨年、ついに妹さんに彼氏ができたそうだ。

 

「それは良かったねぇ」

「・・・はい・・・」

「え、気に入らない人なの?」

「会ったことないです」

「でも、報告が来たんでしょ?」

「母から聞いたんです、母と同じ職場の人なので」

「お父さんお母さんはなんて言ってるの?」

「喜んでるんじゃないですか。この前なんて、オバチャン(お母さんの妹さん)のところで、いとこたちも一緒にバーベキューしたそうですから・・・。私らは仕事だったので行きませんでしたけど」

 

そんな話を、息子の入院騒ぎのあとに聞いた。

 

「姉夫婦だけが会ってないの」

「そうなんです」

 

Yちゃんは明らかに口をとがらせていた。

 

それからしばらくして、この前また

「春休みで従妹が帰ってるので」

 

またオバチャン宅でバーべキューをしたそうだ。

その時は息子とともに行って、初めて会ったそうだ。

 

「なんか、一番近いはずなのに、言わないのね、Mもそうだったけど」

「そうなんです」

「YちゃんはRと付き合ったとき、先に誰に言ったの?」

「言ってないです」

「言ってないの?」

「言ってないんです。その前に

 『最近いいことあったでしょ』

 って、バレてました。待ち合わせするのがいつも〇〇で、会社の人とかにも結構バレてて」

「へぇ・・・。でも、妹さんもMも、お互いに一番近いと思ってたのに、なんだかねぇ・・・」

「そうなんですよ」

「一番言えなかったようだよ」

「S(妹)もそうだったようです」

「なんか寂しいよね」

「寂しいです」

「嬉しいことなのに、寂しいんだよね。私は、下の子だからかなって思ったりするんだけどね。RがYちゃん紹介してくれた時はただただニタニタ嬉しかったけど」

「妹はずっと人見知りで、一人でいるのが好きな子だったんです。だから、私が守ってやらないとって思ってて・・・ 

 なのに、私のSちゃんが・・・って。

 そんな感じなんです」

 

そうなのよ

 

私のMちゃんがーーーー!!!

 

嫁と姑はお互いの思いを共有し、互いに慰め合い、あれやこれやと話は尽きないのであった。