京都大学人気ナンバーワン教授、鎌田浩毅氏が教える人生を豊かにする「一生もの」の読書術とは?? | 致知出版社公式アメーバブログ

 

 

 

 

 

京都大学の人気NO.1教授として長年教鞭を執った火山学者の鎌田浩毅さん。専門は

地球科学でありながら、鎌田さんの著作は勉強術や読書術まで幅広いテーマで執筆

されています。その博学多才さはいかにして磨かれたのでしょうか。

 

 

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■人生を変えた体験的読書

〈鎌田〉

読書の真価とは、挫折を経験し苦境に立たされた時に実感できるものです。私自身

の学生時代を振り返ると、勉学や友人関係、恋愛やスポーツと、日常の様々な出来

事に一喜一憂していた時に救われたのがD・カーネギーの『人を動かす』(原著19

37年刊)『道は開ける』(1948年刊)です。

 

「きょう一日のよかったことを数え上げよう」「プラスのことを考えたらプラスの人生に

なる」など、当時の私が本当に求めていた言葉が書かれてあり、青年期の多くの場

面で救われてきました。

 

現場と読書が一致して初めて人は変わる。それが私の実感です。教養を得ることも

大事ですが、いま目の前の課題を解決するヒントを掴むこと。そこには人や本との

出逢いも関わってきます。普段からたくさんの本を読んだり、いろいろな人と出逢って

いると、必要とした時に様々な教えを得られるものです。

 

31歳の時の『論語』との出逢いもそうでした。通産省(現・経済産業省)から2年間

のアメリカ留学を命じられ、一冊だけ持っていく日本語の本を上司に相談したところ、

薦められたのが『論語』だったのです。以来、人生の伴侶として常に座右にあり続け

ているのですが、私の心が求めていたからこそ、その出逢いを生かすことができた

わけです。

 

同じ場面で紹介されても「ふうん」で終わってしまう人も少なくないでしょうし、私自身

も自分の心に引っかからずに掴み損ねてきた本はたくさんありました。しかし、それ

でもいいのです。決して何でもかんでも勉強する必要はなく、無理のない範囲で楽

しく学べばいいというのが持論です。

 

本を読んでも9割方は忘れていきます。では残った1割は何かと言えば、読んだ内

容で自分が変わったことなのです。変わらなかったものは、忘れてもいい知識。たっ

た一行でも、僅かひと言でも何か自分が変わってしまうものに出逢えたら、それだ

けで十分。

 

読んだ量やジャンルの広さは問題ではなく、出逢った本を通じて自分がどれくらい

変わったか。無理して「変わらなければいけない」と思い込んで読む必要はありま

せん。変わらなかったら読み飛ばしていいので、好きな本をどんどん読み漁ってくだ

さい。変わる時は自然と変わっていきます。

 

私自身が火山という一生のテーマに巡り合えたのも、本物の自然とよき師との邂逅

によるものです。大学を卒業後、希望する職に就けずやる気もないまま働く中で、た

またま阿蘇山に調査に行った際に本物の大自然に触れて心から感動しました。と

同時に、小野晃司先生という世界的火山学者のもとで指導を受ける僥倖(ぎょうこ

う)に恵まれ、自然科学の面白さに初めて気づくことができたのです。この二つの

出逢いによって学問の楽しさに目覚め、以前の10倍速で勉強に打ち込むように

なりました。

 

人は努力せずとも、出逢いで一気に変わるものです。人生を変える本、専門分野、

就職先、そして結婚も同じです。学生たちにも言い続けてきたことですが、出逢いが

なくても焦る必要はありません。何もかも出逢う時には必ず出逢い、出逢った後は10

倍の力で将来を切り拓くことができるようになる。それが人生というものなのです。

 

 

 


(本記事は月刊『致知』2023年7月号「学を為す 故に書を読む」一部抜粋・

編集したものです)

 

 

 

 

◇鎌田浩毅(かまた・ひろき)  

昭和30年東京都生まれ。54年東京大学理学部地学科卒業。通産省地質調査所

に18年間務めた後、41歳の時に京都大学大学院人間・環境学研究科教授に。地

球科学、火山学、科学教育が専門の理学博士。京大の講義は毎年数百人を集め

る人気で教養科目1位の評価。「科学の伝道師」としてマスコミでも明解に解説を

する。令和3年定年退官し、防災や減災の啓発に一層力を注いでいる。著書

は『新版 一生モノの勉強法』(ちくま文庫)『火山噴火』(岩波新書)『理科系の

読書術』(中公新書)『座右の古典』(ちくま文庫)『武器としての教養』(MdN新書)

など。

 

 

 

 

 

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7月1日発刊

~『致知』最新刊2023年8月号「悲愁を越えて」

 

 

 

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●「悲愁を越えて歩み来た百年」

吉村光子

●「奇跡を起こす心の法則

井上裕之(いのうえ歯科医院理事長)

●「小林一茶の人生と名句に学ぶ」

齋藤孝(明治大学文学部教授)

●「偉大な父の志を継いで」

髙江智和理(北海道光生舎理事長)×森田隼人(シャボン玉石けん社長)


………………
好評連載
………………

「忘れ得ぬ人 忘れ得ぬ言葉」
 五木寛之(作家)

「人生を照らす言葉」
 鈴木秀子(国際コミュニオン学会名誉会長)

「禅語に学ぶ」
 横田南嶺(臨済宗円覚寺派管長)

「人生百年時代を生きる心得」
 田中真澄(社会教育家)

「仕事と人生に生かすドラッカーの教え」



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『1日1話、読めば心が熱くなる
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藤尾秀昭・監修
 

 

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(1978~1998年)の記事にも思いを馳せ、
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      ※肩書は『致知』掲載当時


「人生の闇を照らしてくれる光」
 五木寛之(作家)

「人生で一番大事なもの」
 稲盛和夫(京セラ名誉会長)

「十年間辛抱できますか」
 浅利慶太(劇団四季芸術総監督)

「一期一会」
 瀬戸内寂聴(作家)

「独立自尊の商売人になれ」
 柳井 正(ファーストリテイリング社長)

「人間の力は出し切らないと増えない」
 平尾誠二(神戸製鋼ラグビー部ゼネラルマネージャー)

「会社がおかしくなる6つの要因」
 永守重信(日本電産社長)

「自分の限界を超える条件
 長渕 剛(シンガーソングライター)

「逆算式目標設定術」
 岸田周三(レストラン カンテサンスシェフ)

「忍耐は練達を生じ、練達は希望を生ず」
 加藤一二三(将棋棋士)

「“なぜ?”を5回繰り返せ」
 張 富士夫(トヨタ自動車相談役)

「仲間を信じ、童心を忘れず、科学に徹する」
津田雄一(「はやぶさ2」プロジェクトマネージャ)

「金メダル獲得の原動力」
 古賀稔彦(柔道家)

「決勝戦直前の姉のひと言」
 伊調 馨(ALSOL所属レスリング選手)

「一流プレーヤーに共通したもの」
 岡本綾子(プロゴルファー)

「ジャニー喜多川さんの褒め方・叱り方」
 村上信五(関ジャニ∞)

「人は負けるとわかっていても」
 佐藤愛子(作家)

「世界に挑戦する上で影響を受けた人」
 宇津木麗華(女子ソフトボール日本代表監督)

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 村田諒太(WBA世界ミドル級スーパー王者)

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★『1日1話、読めば心が熱くなる
 365人の仕事の教科書』


 藤尾秀昭・監修

 

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「知恵の蔵をひらく」
 京セラ名誉会長・稲盛和夫

「現場には仕事と無駄の二つしかないと思え」
 トヨタ自動車相談役・張富士夫

「プロは絶対ミスをしてはいけない」
 福岡ソフトバンクホークス球団会長・王貞治

「一度は物事に死に物狂いで打ち込んでみる
 建築家・安藤忠雄

「人を育てる十の心得――加賀屋の流儀」
 加賀屋女将・小田真弓

「ヒット商品を生み出す秘訣」
 デザイナー・佐藤可士和

「嫌いな上司を好きになる方法」
 救命医療のエキスパート・林成之

「準備、実行、後始末」
 20年間無敗の雀鬼・桜井章一

「公私混同が組織を強くする」
 神戸製鋼ゼネラルマネージャー・平尾誠二

「一番よい会社の条件」
 ファーストリテイリング会長兼社長・柳井正

「仕事にも人生にも締切がある」
 料理の鉄人・道場六三郎

「脳みそがちぎれるほど考えろ」
 日本ソフトバンク社長・孫正義

「奇跡を起こす方程式」
 指揮者・佐渡裕

「10、10、10(テン・テン・テン)の法則」
 帝国ホテル顧問・藤居寛

「自分を測るリトマス試験紙」
 将棋棋士・羽生善治

「負けて泣いているだけでは強くならない」
 囲碁棋士・井山裕太

……全365篇
 

 

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