心に響く小さな物語 by Chichi
人間学を探求して41年

月刊誌『致知』とは――。
有名無名を問わず、様々な分野でご活躍されている方々の人生観や仕事観をご紹介し、日々真摯に仕事に、そして人生に向合われている方々の心の糧となることを願って編集している定期購読誌です。
  • 01Apr
    • 【前編】支える側が支えられ、生かされていく。介護の詩に込めた想い

      3月に刊行された、詩人・藤川幸之助の自選詩集「支える側が支えられ 生かされていく」早速大きな反響をいただいています。発刊に寄せて、著者である藤川先生にインタビューさせていただきました!ぜひお読みくださいませ(^^)/今回は【前編】。後編に続きますのでお楽しみに。。。(4/6以降になります) 自選 藤川幸之助詩集「支える側が支えられ 生かされていく」 1,650円 Amazon 藤川先生インタビュー(聞き手は編集・浅倉)―自選 藤川幸之助詩集 「支える側が支えられ 生かされていく」 発刊おめでとうございます。ありがとうございます。私はこれまで認知症の母のことを書いた詩集を7冊刊行しています。第1冊目の詩集『マザー』から30年間、母が亡くなるまで母の症状に沿って詩集を順次出してきました。この7冊30年間に書いた詩およそ350篇の詩の中から62篇の詩を自選し、その詩篇のために描いたイラストも配して本書をつくりました。多くても40篇前後というのが詩集では通常ですので、いくら厳選したとはいえ62篇は多すぎて、分厚く重たい本のできあがりを予想していたのですが、本書のようにコンパクトで軽い本になるとは編集の妙。驚きました。―詩集のタイトルにはどのような思いが 込められているのですか?本書の題名ですが、ある光景を見たのがきっかけでした。ある日、信号待ちをしていると、横断歩道をはさんで反対側に赤ん坊を抱いた若いお母さんがいました。その時、突然、私たちの間を大きなダンプが砂埃を立てて通り過ぎました。通り過ぎた後、前を見ると若いお母さんは赤ん坊をしっかりと抱き締め、横断歩道に背を向けていたんです。その時、私はふと思ったのです。あの赤ん坊がいるからこそ、あの若い女性は母親然としているのだと。胸に抱いた赤ん坊が、あの若い女性から母性や勇気、優しさという人間性を引き出しているように思いました。育てる側の母親が、赤ん坊に育てられていたのです。私もそうだ。母が認知症にならなかったら、こんなふうに母のことを思いやっただろうかと思いました。母が認知症になって、認知症の母が目の前にいてくれたからこそ、私は母のことを思いやり、母のことを考え、母の痛みを自分のこととして感じてきたのだと思いました。認知症の母の存在が、私の心の中から母を思いやる気持ちや優しさを引き出しながら、私を育ててくれていたのです。支える側の私が、認知症の母に育てられ支えられていたのです。介護や教育、子育てなど命が命に寄り添うという行為においては、片方が支え、教え、育てているように見えますが、実は互いに命と命が育み合っているのではないかと思い、この詩集には『支える側が支えられ、生かされていく』とタイトルを付け、本の扉を開けたところに支える側が支えられ教える側が教えられ育てる側が育てられると、記しました。―詩集の制作過程で一番大変だったことは?本詩集を読んだ人からよく言われる言葉があります。「今度の詩集は編集がいいね。」と、詩の並べ方やイラストの配置など編集をよく褒められます。私も全くその通りだと思っているのですが、「編集はおいといて詩の方はどうなんだ」と聞き返したくなるほどです(笑)。本詩集の編集は致知出版の小森俊司さんなのですが、彼の意向で詩を時系列に並べ、その時期折々に父の年齢、母の年齢、私の年齢を入れることになったのです。その編集方針を聞いた時、これは大変なことになったと思いました。母が認知症と診断された前後を入れると30年近くの間、350篇ほどの詩を書き繋いできましたが、私の中ではそれらの詩篇は時系列ではなく、印象が強い順に並んでいるのです。これまで時間軸を意識して詩を書いたこともなく、そもそも私は時系列に物事を考えることがはなはだ不得意なんです。しかしながら、時系列の正確なところはもちろん、この私にしか分かりませんので、この作業は体験した私にしかできません。まず350篇ほどの詩をすべて印刷・コピーして時間軸にあわせ並べました。この作業に骨が折れました。いくら自分で体験し書いた詩でも、もうすっかり忘れていることもあります。詩を書く時から時間軸を意識していないのもあって、この作業に1か月ほどかかりました。そして、どれも自分の生み出した詩なので捨てきれずに62篇の詩を選ぶのにさらに1ヶ月ほどかかりました。―詩を時系列に並べて 見えてきたことはありましたか?詩を時系列に並べ、詩をチョイスするのは大変な作業でしたが、そのおかげで見えてきたこともありました。詩を一篇一篇読み、時系列に机の上に並べながら、30年間の認知症の母の介護の日々を俯瞰して見ることができたのです。詩は私の内側で書かれたものですから、これまでこの私から離れることはなかったのですが、時系列に並べて時間軸に沿って一つひとつの詩を読んでみますと、まるで外側から自分ではない一人の人間の人生を見るようでした。悩み、悲しみ、怒り、時には喜びながら、一つひとつの出来事や感情と折り合いをつけて受け入れて、自分の人生を引き受け、少しずつ変わっていく自分自身の姿が見えてきました。一人の人間として泥臭く生きる自分の姿を見つめることができたのです。この人生は私ものであって誰にも体験することはできないものだとも感じました。この人生は私自身で歩むしかない道だったのです。「おまえの人生は不幸だなあ」と言われたことがありました。母が認知症になり、介護を引き受け、めまぐるしくいろんな出来事が私のまわりに起こったからだろうと思います。確かに、辛く悲しい思いもいっぱいしました。でも、それは不幸ではなく、私の人生そのものなのだと思ったのです。―刊行までのいきさつを教えてください。2018年の11月に千葉県の八千代市の秀明大学の学園祭で講演をしましたが、その時のポスターを致知出版社の方が見て、編集部の浅倉さんから月刊誌『致知』のインタビューの依頼が来ました。ポスターを見ての依頼とは不思議だと思っていましたら、そのポスターを見た本人が私を知っているとのこと。さらに詳しく尋ねましたら、致知出版社の道家真寿美さんとのこと。名字に思い当たりませんでしたが、そこは元教師ですから、「真寿美」という名前を見てすべてを思い出しました。私は長崎県の平戸市で小学校の教師をしておりましたが、真寿美さんはその時の教え子で、書いていた詩、好きな食べ物、嫌いな食べ物、ご両親の顔、出来事、もちろん可愛く聡明であったこともすべて私の頭の中によみがえったのでした。その後、浅倉さんと共に道家さんも横浜での私の講演を聞きに来てくださって、30年ぶりの再会でした。そして浅倉さんが書いてくださった私のインタビューの一字千金に感動しまして、こんなすばらしい出版社から詩集が出してみたいと浅倉さんにメールで打診しましたら、「社長決裁が取れましたので詩集をつくりましょう!」とのこと。こちらも驚くやら、感謝するやらで刊行に至ったのでした。―自選詩集の読みどころは?詩の一篇一篇を読んでいただきながら、認知症の母との関係性によって紐解かれていく私の人生を感じてほしいと思っています。母が認知症になって母の介護に時間を割くことで詩を書く時間もなくなり、教職にも集中できなくなってくると、自分がそこから進む人生の道には希望もなくなり、先が見えない時期が続きました。食べていくためには教職を続けなければならない、この母の状況では詩を書く時間など見つからない、かといって教職にも集中できずキャリアアップものぞめないと思っていました。認知症の母の介護は私にとっては手枷足枷以外の何物でもなかったのです。充たされない思いを抱えながらも、教職を続けながら認知症の母とともに生きることを精いっぱいやった日々でもありました。母のウンコを拭き、母のオムツを替え、徘徊でいなくなった母を涙ながらに必死に探し、垂らしたヨダレの臭いにうんざりし、わけの分からない話に苛つきながら母に付き合いました。「いくら母親だからといってこんなに忙しいのに何でこんなことまで私がしなければならないのか?」「なんでこの私が一人で母の介護をしなければならないのか?」「いくら死に際の父の頼みでも母の世話を止めてもよいのではないか?」どうにか母の介護から逃げようと自問しながらも、その母との日々の中に生まれる「問い」がありました。「親とは何か?」「母とは何か?」「人を愛するとはどういうことか?」「生きるとは?」「死とは?」「人のために生きるとは?」それまでは自分のためだけを考えて生きてきた私でしたので、そんな自分自身への人生からの問いだったように思います。 認知症の母との関係性によって生まれるその問いに、母と必死に生きる中で一つひとつ自分なりに答えを出そうともがき続けた日々でした。もがく中で母との関係性の中から解かれていく私自身に気がつきました。私とはこういう人間であったのだとか、私はこんな課題を抱えながら生きていたのだとか、自分自身のありのままの姿が見えてきたのです。自分に足りなかったこと、自分に欠けているものを母は言葉で教えてはくれなかったけれど手枷足枷と思うような認知症の母との介護の日々が、私の足りない部分を埋め合わせてくれるきっかけを作り、私の中から大切なものを引き出してくれたように思うのです。認知症の母との関係性の中で生まれる「問い」に私になりに答えを出しながら、少しずつ私の人生が紐解かれていく姿をこの詩集の中で感じてほしいのです。―ああ、藤川さんの詩は、 認知症のお母様へが投げかける「問い」への答えでもあったと?認知症の母の命に向き合ってきた日々の中で、私はいろんな思いを抱え、いろんな感情に出会い、いつもいつも迷い、医療的な判断をも迫られました。この私たち家族の物語詩を読み進めながら自分自身に問いを投げかけてもらいたいと思うのです。「自分の親だったらどうするだろうか?」「自分の連れ合いだったらどうするだろうか?」「自分の子供だったらどうするだろうか?」「自分だったらどうしてほしいか?」これらの問いは、医療・介護関係の仕事に就いておられる方にとって、医療やケアの質についてもう一度考えるよいきっかけになるかもしれませんし、介護を今経験されている方々にとっては自分と同じように悩み、苦しんでいる者が他にもいることに、自分だけではなかったと安心されるかもしれません。また、人それぞれ仕事も自分の親との関係も千差万別ですので、この問いは介護や認知症とは無関係だと思われる方にとっても親の老いや介護について前もって考えておくよい機会になるのではないかと思います。この本を読んでくださる全ての人の延長線上には必ず老いは存在します。その老いをどう捉え、どう自分の人生と重ね合わせていくかを考える機会にもなるのではないかと思います。―最後に詩集の中で 一番思い入れのある作品を教えていただけますか?詩「母の遺言」です。この詩は、母が亡くなった時、母の亡骸を見つめながら書いた数行が元になってできた詩です。母の臨終に間に合わなかった私は、母の亡骸を見つめながら母を「看取る」ことができなかったと落ち込みました。しかし、よく調べてみるとこの「看取る」という言葉はもともと「病人の世話をする」とか「看病する」という意味だと知って、臨終には間に合わなかったけれど、私は24年間しっかりと母を「看取る」ことはできていたのだと何か安心して、さらに調べると、「看取る」とは「見て取る」、「見て写し取る」という意味を語源にもっていることを知りました。母を介護した24年間、認知症の母を見つめながらその命を自分に「見て写し取り」、母の生き様を自分の命に刻んできたのだと、「看取る」という言葉が自分の胸に落ちたのでした。ですから、認知症の母とのことを書いたこの詩集の中で一つをあげろと言われれば、他の詩に申し訳ないですがこの詩になります。◆予約段階でAmazon現代詩集ランキング1位にもなった 詩集「支える側が支えられ 生かされていく」 いままさに介護をされている方も、 まだ介護が遠いことに感じている方も、 生きることの本質について考えることのできる 一冊となっています。 自選 藤川幸之助詩集「支える側が支えられ 生かされていく」 1,650円 Amazon Presented by 致知出版社◎今年で創刊42周年。人間学を学ぶ月刊誌『致知』って、どんな雑誌?↓詳しくはこちらへ

  • 18Mar
    • 『藤川幸之助詩集』が出来上がりました!〝「徘徊と笑うなかれ」――認知症の母が教えてくれたこと”

      先日ブログでご紹介した『自選 藤川幸之助詩集』が仕上がってきました。まだ印刷所から届いたばかりの、出来立てほやほやです!何度も撫でて手触りを感じ、ページをめくっては言葉を目で追う・・・今回は表紙のイラストも、中にちりばめられたイラストも、すべて藤川先生が描いてくださいました。リブログ先の藤川先生の言葉です。~「介護を通じて、母は私の中から人を思いやる心や愛する心を引き出してくれていたのかもしれない。だから、認知症となって言葉や記憶を失ってしまったとしても、人は皆そこにただ生きているだけで、存在しているだけで大きな意味を持っている」~この言葉からも感じられるように、、藤川先生の人を見る温かい視線や、お母さまへの深い思いが伝わってくる一冊になっています。Amazonでのご予約もたくさんいただいています。ありがとうございます!皆様のお手元には4月初旬に着く予定です。楽しみにお待ちくださいませ。 自選 藤川幸之助詩集「支える側が支えられ 生かされていく」 1,650円 Amazon 致知出版社公式Notehttps://note.com/chichinote/n/nc8a06f5dca12 

  • 16Mar
    • 今だからこそ【親子でともに人間学を学ぶ】時間を。

      新型コロナウィルス感染予防のためにとられた全国小中高の一斉休校措置。その中で、「毎日子どもとどう過ごしたらいいか」と悩んでいらっしゃる親御さんも多いのではないでしょうか。本日は、ある30代女性読者の方から寄せられた体験談をご紹介させていただきます。当たり前の日常が失われてしまった今だからこそ、今しかできない、【親子で共に人間学を学ぶ】時間を過ごす参考になりましたら幸いです。・・・・・・・・・・私が中学生の頃のある日、父から、「家族みんなで毎週日曜日にある本の勉強会をしよう」という提案がありました。私が中学二年生、弟が小学校三年生、兄が高校一年生の時でした。当時思春期にあり、週末も部活で忙しかった私は、正直嫌だな……という気持ちもありましたが、大好きな母も私たち兄弟三人と一緒にやるということだったので、「お母さんもやるならじゃあしょうがないか」くらいの気持ちで勉強会を始めることにしました。その勉強会で読んだ本は、教育者・哲学者である森信三(もり しんぞう)著、『修身教授録(しゅうしんきょうじゅろく)』。この本との出会いが、時を経て自分の人生に大きな影響を与えることになるとは、その時の私は全く想像もしていませんでした。・・・・・・・・・・この本は、昭和12~14年に、大阪天王寺師範学校(現・大阪教育大学)本科での森信三先生の講義をまとめたもので、教師を志す学生に向けた「修身」の講義が収録されています。当時の講義を生徒が筆録した内容を本にしたもので、各章の前後には、先生が教室に入ってきてから講義を始める様子、終わってから教室を出て行かれるまでの様子、また、生徒とのやり取りも記されていて、授業の様子が想像でき、子供心にもとても本の世界観に入りやすく、まるで自分も森先生の授業を受けているような感覚で本を読み進むことができたと記憶しています。勉強会は、事前に指定された項を自分で読んできて、当日、輪読会形式で母・兄・私・弟で順繰りに数段落ごとに読んでいく。最後に感想を述べて、200字程度の感想文を提出して終了、という形式で行われました。これを毎週日曜日に続けていきました。一つひとつの授業に先生が題目を掲げてくださり、それが一つの章になっています。その内容は、「挨拶」「上位者に対する心得」「目下の人に対する心得」という子供にも理解しやすいものもあれば、「人間と生まれて」「人生の終始」「諸君らの将来」「立志」「人生二度なし」など、中学生の私には、これまで聞いたことも考えたこともないような内容も多くありました。・・・・・・・・・・聞いたことがない内容で、「難しいな」と感じたこともありましたが、考えたこともないような話が出てきて、とても新鮮でしたし、私より五つも年下で小学三年生の弟も一所懸命辞典で漢字の読み方を調べて参加していました。この勉強会をどれほど続けたか明確に覚えていませんが、兄が大学受験に差し掛かりこの勉強会は終了になったように記憶しています。・・・・・・・・・・それから数年後、私は、この本の勉強会の価値を感じる体験を何度かしました。一度目は、私が大学受験に差し掛かった時、兄に受験勉強の相談などいろいろな話を二人でしているときに、ふと二人の意見が一致したことがありました。「テストでうまくいかないこともあるけど、それも最終的に合格するために必要なことだよね」このときは、普段はタイプの違う兄と同じ考えを自分が持っていることに驚きましたし、勉強が良くできる兄と同じ考え方ができていることがすごくうれしかったことを覚えています。そしてさらに数年後、私が社会に出て仕事を始めて数年が経った時、私はこの本の勉強会が、自分という人間に大きな影響を与えていたことに気づきました。仕事をしていると、いろいろな壁にぶつかります。困難に遭ってくじけそうになることもあり、実際にくじけてしまうこともあります。しかし、私は、くじけそうになっても、自分の目の前にある壁に意味を見つけて、泣きながらでも前進しようとする自分がいることに気づく、という体験を何度かしました。そしてあるときふと、この『修身教授録』を手に取って開いてみたときに、この本との出会いが私に生きる力を与えてくれていることに気が付きました。・・・・・・・・・・「最善観」という章に、このように書いてあります。「わが身の上に起こる事柄は、そのすべてがこの私にとって絶対必然であるとともに、またこの私にとっては最善なはずだ」十年ぶりにこの部分を読み直したとき、「あ、あの時の勉強会のおかげで、私は困難の中にも意味を見出し、前を向いて歩むことができていたんだ」と確信しました。中学生のときのあの勉強会で本の内容をインプットするだけでなく、「こういう生き方が大事なんだと思いました」と感想を述べ、感想文に書くというアウトプットをすることで、私の潜在意識の中に、物事の捉え方・判断基準・森信三先生の生き方が落とし込まれていった。潜在意識にたっぷり溜め込まれた善い考え方が、壁にぶつかり余裕がなくなった時にあふれ出てきた。それは、ほかの兄弟を見ていても同じです。・・・・・・・・・・あの時の勉強会がなかったら、もっと困難な人生を歩んでいたかもしれません。高校生、中学生、小学生にはまだ人間学の勉強は早いと思う方がいるかもしれません。しかし、まだ心が柔らかいうちに、大切にすべき考え方を教えていくことが、子供に生きる力を与えることを私は実感しています。数年前に私も子供を授かりました。折を見て、私も家族で人間学の勉強会・読書会を始めようと思っています。素敵な本に出合わせてくれた父と、この本を世に送り出してくれた致知出版社に深く感謝いたします。………………………………………………ご紹介いただいた本『修身教授録』 修身教授録 (致知選書) 2,530円 Amazon ・・・・・・・・・・Presented by 致知出版社◎今年で創刊42周年。人間学を学ぶ月刊誌『致知』って、どんな雑誌?↓詳しくはこちらへ

  • 13Mar
    • 休校中の子どもたちへ【こんなときだからこそ伝えたいこと】⑤

      ✍📨緊急特別配信 第5回📨✍休校中の子どもたちに贈る〝こんなときだからこそ伝えたいこと〟━━━━━━━━━━━━━━━━━新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、全国の小中学校に3月2日から春休みまでの間、臨時休校をするように政府が要請を出しました。そんな中、『ビジネスマンのための歴史失敗学講義』(弊社刊)などの著書がある、作家の瀧澤 中 (たきざわ あたる) 先生から一通のメールが届きました。「休校中の子どもたちを何かで元気づけられないか? 不安を和らげてあげられないか?」そんなふうに、いろいろと考えてくださった結果、特別にこんな記事を寄稿してくださることとなりました。テーマは、休校中の子どもたちに贈る「こんなときだからこそ伝えたいこと」5日間限定で、毎日シリーズで配信いたします。お読みになりましたら、ぜひお子さまやお孫さまにもこのお話をシェアしてください💕(シェア大歓迎です😍)………………………………………………▶第1回はこちら(5日間連続で掲載しています)・・・・・・・・・・森繁久彌(もりしげ ひさや)という俳優さんがいました。彼は、こんなことを息子さんに質問します。「広場でたくさん人がいたとする。そこにお前がまぎれ込んで、どちらの方向が空いているのか、自分が行きたい方向がどちらなのかわからない。こんな時、お前ならどうする?」息子さんは、「皆の行く方向についていく」、と答えます。森繁さんは、こう教えます。「いいか。もしそこに、みかん箱が一つあったとして、それに乗れば頭一つ上に出るだろ。するとよく見えるな。どの方向が混んでいて、どっちが空いているか、行くべき方向がよく見える。そのみかん箱が『知識』というものだ」・・・・・・・・・・知識があれば、行くべき方向が見える・・・。よく、「広い視野(しや)を持ちなさい」と言われることがありますね。「広い視野」を持つには、少しだけ高いところからものごとを見渡せばいいんです。箱ひとつ分高い場所からものごとを見れば視野は広がり、進むべき道が見えてくるのです。その箱が、知識です。・・・・・・・・・・では知識は、どうやって得ればよいのでしょう。もっとも簡単で、時間も場所も限定されない方法が、読書です。なぜ、読書がいいのか。まず。行ったこともない場所に、連れて行ってくれます。「(アマゾン)河の水がひくと、場所によってはあちこちに沼の残るところがある。こういう沼やアニンガ(水草)の生えたところをシャベルで掘りおこすと、泥の中から30〜50センチくらいの大きさの化石のようなよろいをきた魚がたくさん獲れる。化石にしては動くので気味が悪い」(『アマゾン河』神田錬蔵)・・・・・・・・・・ほかにも、馬をのみこむ蛇の話や、船を走らせているだけで、魚が船に飛び込んでくる話などが、書かれています。もちろん、実話。アマゾンで七年間過ごした、日本人医師が書いています。この本はとても読みやすいので、チャレンジしてみてはいかがでしょう。・・・・・・・・・・それから。読書は会ったことのない人に、会えます。「(織田信長は対談するとき)だらだらした前置きを嫌い、また、身分の低い人とも親しく話をした」「誰であろうと、武器を持って信長の前に出ることは許されなかった」「(豊臣秀吉は)優秀な騎士(きし)であり、戦いに熟練(じゅくれん)していたが、気品に欠けていた」(『完訳フロイス日本史』より一部意訳)戦国時代、日本にやってきた宣教師(せんきょうし)が実際に見聞きした、織田信長や豊臣秀吉の様子です。行ったことのない場所に行き、会ったことのない過去の人や、未来にも行くことができる。これが、読書です。そして、こういう読書を通して、知識を得ます。どうです?楽しいでしょう?・・・・・・・・・・さらに。活字の本には、知識習得以外にすごい効果があります。それは、想像力を持てる、ということです。川端康成(かわばたやすなり)の小説、『伊豆の踊子(いずのおどりこ)』。ヒロインの踊り子の名は、薫(かおる)。もしドラマや映画なら、薫(かおる)は若き日の吉永小百合(よしながさゆり)さんとか、美しい女優が演じますから、役者さんのイメージになります。漫画やアニメでも、そうですね。でも、活字の本なら、あなただけの薫(かおる)を想像できる。あなただけの主人公(学生)を想像できる。活字の本は、人物や風景を自由に想像することができます。これは、あなただけが、見ることのできるものなんですよ。・・・・・・・・・・さらに。あなただけの情景(じょうけい)の中で、なぜ薫(かおる)は主人公に好意を寄せたのか、主人公は、薫のどんなところを好きになったのか、その切ない気持ちを感じることが出来る。私は主に、歴史のことを本に書いています。歴史を見ていると、想像力が欠けたために失敗をおかすことがとても多いのに気がつきます。もしこんなことをすれば、相手はどう思うのか。その結果、どんなことが起きるのか。相手の気持ちをろくに考えもせず、相手の実力を小さく見て、大失敗するのです。逆に、想像力があったから、素晴らしいものを発明したり、人の気持ちがわかるから、人に優しくできて、おかげで友だちをたくさん持つことができる。読書によって、正しい知識と、豊かな想像力を得れば、人生は本当に豊かになります。・・・・・・・・・・1つ、大事なことを忘れていました。昨日の、宿題。将来あなたは、どんな人になっているのでしょうか。それを予測する方法があります。「未来を予測する最良の方法」。あなたの答えはなんでしょう。・・・・・・・・・・答え。「未来を予測する最良の方法は、 未来を自分でつくることだ」(エイブラハム・リンカーン)そう。知識と想像力を使って、自分の未来を、自分の手でつくっていく。あなたの未来をつくるのは、お父さんやお母さん、学校の先生ではありません。あなた自身が、あなた自身の力であなたの未来をつくるのです。そして、あなた以外の人の幸福な未来もつくることができるのです。それはつらいことではなく、楽しいことです。知識と想像力さえあれば、どんな未来でも自由に描けるのですから。・・・・・・・・・・さて。1日目は、「自分以外の世の中のために」と思えば、時間のムダが省けることを。2日目は、どうしたら「自分以外の世の中のために」なんて気持ちになれるのか、それは、「善い心」の選択をすればよいのですよ、と申しました。3日目は、人が困ったときに、困ったことに便乗(びんじょう)しない。「善い心」を発動してほしいと。4日目は、失敗してもいい。ミスをしない人は何もしない人だ、という話でした。そして成功のひけつは「最後の5分間のふんばり」と、述べました。そして5日目。広い視野を持つため、知識という名のミカン箱を持つこと。それから想像力を持つこと。この2つを実現するもっとも容易な方法として、読書を紹介しました。どこからでもいい。まずは、この中の何かを、やりはじめませんか。その結果、みなさんの未来と、わたしたちの国、日本の未来が、希望に満ちたものになりますよう、願ってやみません。5日間、読んでいただき、本当に、ありがとうございました。生徒のみなさん、学生のみなさん。心から応援しています!!瀧澤 中―・―・―・―・―・―・―瀧澤 中(たきざわ・あたる)――作家、政治史研究家 昭和40年東京都出身。平成13年『政治のニュースが面白いほどわかる本』(中経出版)がベストセラーとなり、時事解説を中心に著作活動を続ける。また日本経団連・21世紀政策研究所で平成23年~25年まで、日本政治プロジェクト・タスクフォース委員を務めた。政権交代の混乱期に「リーダーはいかにあるべきか」を徹底議論、報告書作成に関わる。また、『秋山兄弟 好古と真之』(朝日新聞出版)や『日本はなぜ日露戦争に勝てたのか』(KADOKAWA)等で、教育や財政面から歴史をやさしく解説し好評を得、その後『「戦国大名」失敗の研究』(PHP研究所)をはじめとする「失敗の研究」シリーズ(累計19万部)を執筆。自衛隊や日本経団連はじめ経済・農業団体、企業研修、故・津川雅彦氏主宰の勉強会で講師を務めた。マスコミで「近現代の例と比較しながら面白く読ませる」(日本経済新聞)と取りあげられるなど、〝むずかしいを面白く〟の信念のもと、「いまに活かす歴史」を探求する。◉「成功した人は誰もが失敗している。」 瀧澤先生の最新刊も好評発売中!!『ビジネスマンのための歴史失敗学講義』 ビジネスマンのための歴史失敗学講義 1,980円 Amazon ・・・・・・・・・・Presented by 致知出版社◎今年で創刊42周年。人間学を学ぶ月刊誌『致知』って、どんな雑誌?↓詳しくはこちらへ

  • 12Mar
    • 休校中の子どもたちへ【こんなときだからこそ伝えたいこと】④

      ✍📨緊急特別配信 第4回📨✍休校中の子どもたちに贈る〝こんなときだからこそ伝えたいこと〟━━━━━━━━━━━━━━━━━新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、全国の小中学校に3月2日から春休みまでの間、臨時休校をするように政府が要請を出しました。そんな中、『ビジネスマンのための歴史失敗学講義』(弊社刊)などの著書がある、作家の瀧澤 中 (たきざわ あたる) 先生から一通のメールが届きました。「休校中の子どもたちを何かで元気づけられないか? 不安を和らげてあげられないか?」そんなふうに、いろいろと考えてくださった結果、特別にこんな記事を寄稿してくださることとなりました。テーマは、休校中の子どもたちに贈る「こんなときだからこそ伝えたいこと」5日間限定で、毎日シリーズで配信いたします。お読みになりましたら、ぜひお子さまやお孫さまにもこのお話をシェアしてください💕(シェア大歓迎です😍)………………………………………………▶第1回はこちら(連続で掲載しています)・・・・・・・・・・学校での落第、4回。転職の回数、およそ20回。しゃべるのがヘタで、人とのつきあいもうまくない。冗談を言って、出世のチャンスを逃す。なんだか、いろいろな失敗がありますね。でもこれ、全部、のちに総理大臣になる人たちの若い頃の話なんです。・・・・・・・・・・落第4回は、石橋湛山(いしばし たんざん)。しょっちゅう転職していたのは、高橋是清(たかはし これきよ)。社交的でないのがずっと悩みだったのは、浜口雄幸(はまぐち おさち)。冗談で出世のチャンスを逃したのは、吉田茂(よしだ しげる)。そうそう、有名なアメリカのリンカーン大統領は、大統領になるまでの間、いろんな選挙に9回も落選しています。戦国時代の英雄、豊臣秀吉(とよとみひでよし)は、若い頃、ある侍の家で働きますが、仲間とうまくやっていけずに、クビになります。農民から天下人(てんかびと)になった、人から好かれて出世した、あの秀吉が、ですよ。明治維新の立役者(たてやくしゃ)、西郷隆盛(さいごうたかもり)は、上司に嫌みを言って、遠くの島に送られてしまいます。・・・・・・・・・・弱みのない人なんて、いません。英雄も、大統領も、総理大臣も、みんな私たちと同じように、弱点や悩みを持っているのです。では、彼らは弱点や悩みを、どうやって良い方向にもって行ったのか。簡単です。たくさん、たくさん、失敗したのです。失敗するには、チャレンジしなければなりません。チャレンジして、失敗して、反省して、またチャレンジする。そうやって弱点や悩みを、少しずつ良い方向にもっていったのです。・・・・・・・・・・日本に親近感を持っていたことで知られるアメリカの大統領、セオドア・ルーズベルトは、「ミスをしない人間は、何もしない人間だけだ」と言っています。失敗した、ということは、間違いなく、なにかにチャレンジしたわけです。ですから、失敗は、ものすごく大切なのです。だって、チャレンジしなければ、なにも実現しないのですから。・・・・・・・・・・そうはいっても、できれば失敗はしたくないですね。先ほどふれた、戦前の総理大臣・浜口雄幸(おさち)は「自分は、失敗の数はたくさんあるが、成功の例はきわめて少ない」と言っています。その浜口が自分の失敗を反省して「成功のひけつ」をのべています。・・・・・・・・・・成功のひけつの第一にあげているのは、「自分がやる仕事が、世の中のためになる仕事であること」としています。なぜなら、そういう仕事は、信念を強く持てるから。この信念をふくめ、8つのことをのべていますが、いちばん最後の8つ目を「もっとも大切なところ」と言っています。それは、「最後の5分間のふんばり」。・・・・・・・・・・もう、くたびれて一歩も前に歩けない、そんなときでも、あと一歩、前に出るのです。つかれきって、勇気が出ない。でも、「最後の5分」、その最後のところで、もう一歩だけ、前に進むのです。失敗には、いろいろな種類があります。中でも、あと少し準備をしていれば防げた、ということが、とてもたくさん起こります。後悔をしないためにも、「最後の5分間」をふんばってみませんか。・・・・・・・・・・失敗は、してもいい。でも、後悔しないためにも、「最後の5分」を、やり抜きましょう。たとえば勉強なら、あと1ページ、読み進めましょう。あと1語、漢字を、単語を、覚えましょう。あと一歩、前に進めるのです。そうすれば、どんな結果であっても、きっと次につながります。・・・・・・・・・・さて。明日は、いよいよ最後です。「未来を予測する最良(さいりょう)の方法」って、なんだと思いますか?みなさん、明日まで、考えてみましょう。おたのしみに。※全5回にわたってシリーズで連載しています。明日は最終回です。楽しみにお待ちください。―・―・―・―・―・―・―瀧澤 中(たきざわ・あたる)――作家、政治史研究家 昭和40年東京都出身。平成13年『政治のニュースが面白いほどわかる本』(中経出版)がベストセラーとなり、時事解説を中心に著作活動を続ける。また日本経団連・21世紀政策研究所で平成23年~25年まで、日本政治プロジェクト・タスクフォース委員を務めた。政権交代の混乱期に「リーダーはいかにあるべきか」を徹底議論、報告書作成に関わる。また、『秋山兄弟 好古と真之』(朝日新聞出版)や『日本はなぜ日露戦争に勝てたのか』(KADOKAWA)等で、教育や財政面から歴史をやさしく解説し好評を得、その後『「戦国大名」失敗の研究』(PHP研究所)をはじめとする「失敗の研究」シリーズ(累計19万部)を執筆。自衛隊や日本経団連はじめ経済・農業団体、企業研修、故・津川雅彦氏主宰の勉強会で講師を務めた。マスコミで「近現代の例と比較しながら面白く読ませる」(日本経済新聞)と取りあげられるなど、〝むずかしいを面白く〟の信念のもと、「いまに活かす歴史」を探求する。◉「成功した人は誰もが失敗している。」 瀧澤先生の最新刊も好評発売中!!『ビジネスマンのための歴史失敗学講義』 ビジネスマンのための歴史失敗学講義 1,980円 Amazon

  • 11Mar
    • 休校中の子どもたちへ【こんなときだからこそ伝えたいこと】③

      ✍📨緊急特別配信 第3回📨✍休校中の子どもたちに贈る〝こんなときだからこそ伝えたいこと〟━━━━━━━━━━━━━━━━━新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、全国の小中学校に3月2日から春休みまでの間、臨時休校をするように政府が要請を出しました。そんな中、『ビジネスマンのための歴史失敗学講義』(弊社刊)などの著書がある、作家の瀧澤 中 (たきざわ あたる) 先生から一通のメールが届きました。「休校中の子どもたちを何かで元気づけられないか? 不安を和らげてあげられないか?」そんなふうに、いろいろと考えてくださった結果、特別にこんな記事を寄稿してくださることとなりました。テーマは、休校中の子どもたちに贈る「こんなときだからこそ伝えたいこと」5日間限定で、毎日シリーズで配信いたします。お読みになりましたら、ぜひお子さまやお孫さまにもこのお話をシェアしてください💕(シェア大歓迎です😍)………………………………………………▶第1回はこちら▶第2回はこちらいま、マスクが足りません。なぜか、トイレットペーパーやちり紙もお店からなくなっています。マスクはたしかに、足りないようです。でも、じょじょに生産が追いついてくるようですし、トイレットペーパーやちり紙はちゃんと普通に生産されて、本当は足りているらしいのです。足りなくなったのは、「トイレットペーパーがなくなる」という、ウソの情報を信じた人が、買いあさっているからです。一部の人は、買い占めたマスクやトイレットペーパーなどを定価の何倍もの高い値段で売ってもうけています。なんだか変だなぁ、と、思いませんか。・・・・・・・・・・尾崎行雄(おざきゆきお)という人がいました。「憲政(けんせい)の神様」として、有名ですね。大正時代を中心に活躍した、政治家です。その尾崎行雄のお嬢さんが、小学校で、「紀伊国屋文左衛門(きのくにや ぶんざえもん)はとても偉い」という話を聞いてきて、尾崎に話します。紀伊国屋文左衛門というのは、江戸時代、紀州(いまの和歌山県と三重県の一部)から江戸まで、みかんを運んで大もうけした人物です。・・・・・・・・・・当時江戸では、海が大荒れでみかんが足りずに困っていました。そこで紀伊国屋文左衛門は、荒れた海を乗り越えて紀州から江戸まで、みかんを運んだのです。尾崎行雄はお嬢さんに、こう言います。「紀伊国屋文左衛門は、ちっとも偉くありません。江戸の人が困っているのですから、 みかんをタダで配ったというのなら偉いけれどもそれで金儲けするなんて、もってのほかです」尾崎は、そう言ってお嬢さんをさとしました。・・・・・・・・・・また、明治時代に陸軍の医療を近代化させた軍医で赤十字社の社長もやった石黒忠悳(いしぐろ ただのり)という人は、11歳でお父さんを亡くして苦労した人です。石黒忠悳(ただのり)が12歳のとき、江戸が暴風雨にみまわれます。幼いながら彼は、「紀伊国屋文左衛門は、江戸が大火事のとき材木を買い占めて大もうけした。今回も、多くの家が暴風雨でこわれてしまうから、材木は高くて買えないけれど、釘(くぎ)を買ったらもうかるかもしれない」さっそく彼は釘を買いました。その話を聞いたお母さんは、激怒します。彼を座らせて、「昨年、お前の父上が亡くなられる直前に、その枕元でお前を立派な人間にすると私が誓ったことを忘れたのですか!」つまり彼のお母さんは、釘を買ったことは立派な人間のすることではない、と考えたのです。彼の叔父たちは、「これから釘の値が上がる、その前に釘を買って大もうけしようとしたのはたいしたものだ」と忠悳(ただのり)をほめます。しかしお母さんは、そのことにも怒ります。「こんなことで、人にほめられて得意になっているとは、見下げたものです!」・・・・・・・・・・当時、お母さんの実家の2階に、お母さんと一緒に住んでいた忠悳(ただのり)少年。激怒したお母さんは、二階から彼の布団を一階に投げ捨てます。「もう、この部屋にあがることはなりません!」まだ12歳の忠悳(ただのり)少年にとって、お母さんから見捨てられたことはショックで、その晩は一睡もできませんでした。お母さんが彼を許してくれたのは、三日後。尾崎行雄が、娘をさとし、石黒忠悳(ただのり)のお母さんが、激怒したのはなぜなのでしょうか。・・・・・・・・・・それは、「人が困っているときに、人を助けるのではなく、困っていることに便乗してお金もうけをしようとしたこと」 それが、立派な人の行ないだとは思えなかったからですね。紀伊国屋文左衛門は実際にこうしたことをやったのか史実では確認できません。しかし、こういう行ないが、いつの時代、どこの国でも起こっているのは事実です。そして私たちはいま、目の前で、それを体験しているのです。1日目から触れてきましたが、自分以外の人のことを考えたら、こんな行動はできません。自分の心に問いかけて、少しでも「おかしいな」と感じたら、まずは立ち止まって考えてみましょう。そのとき、ぜひ今回の話を思い出してくださいね。※全5回にわたってシリーズで配信いたします。楽しみにお待ちください。―・―・―・―・―・―・―瀧澤 中(たきざわ・あたる)――作家、政治史研究家 昭和40年東京都出身。平成13年『政治のニュースが面白いほどわかる本』(中経出版)がベストセラーとなり、時事解説を中心に著作活動を続ける。また日本経団連・21世紀政策研究所で平成23年~25年まで、日本政治プロジェクト・タスクフォース委員を務めた。政権交代の混乱期に「リーダーはいかにあるべきか」を徹底議論、報告書作成に関わる。また、『秋山兄弟 好古と真之』(朝日新聞出版)や『日本はなぜ日露戦争に勝てたのか』(KADOKAWA)等で、教育や財政面から歴史をやさしく解説し好評を得、その後『「戦国大名」失敗の研究』(PHP研究所)をはじめとする「失敗の研究」シリーズ(累計19万部)を執筆。自衛隊や日本経団連はじめ経済・農業団体、企業研修、故・津川雅彦氏主宰の勉強会で講師を務めた。マスコミで「近現代の例と比較しながら面白く読ませる」(日本経済新聞)と取りあげられるなど、〝むずかしいを面白く〟の信念のもと、「いまに活かす歴史」を探求する。◉「成功した人は誰もが失敗している。」 瀧澤先生の最新刊も好評発売中!!『ビジネスマンのための歴史失敗学講義』 ビジネスマンのための歴史失敗学講義 1,980円 Amazon

  • 10Mar
    • 休校中の子どもたちへ【こんなときだからこそ伝えたいこと】②

      ✍📨緊急特別配信 第2回📨✍休校中の子どもたちに贈る〝こんなときだからこそ伝えたいこと〟━━━━━━━━━━━━━━━━━新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、全国の小中学校に3月2日から春休みまでの間、臨時休校をするように政府が要請を出しました。そんな中、『ビジネスマンのための歴史失敗学講義』(弊社刊)などの著書がある、作家の瀧澤 中 (たきざわ あたる) 先生から一通のメールが届きました。「休校中の子どもたちを何かで元気づけられないか? 不安を和らげてあげられないか?」そんなふうに、いろいろと考えてくださった結果、特別にこんな記事を寄稿してくださることとなりました。テーマは、休校中の子どもたちに贈る「こんなときだからこそ伝えたいこと」5日間限定で、毎日シリーズで配信いたします。お読みになりましたら、ぜひお子さまやお孫さまにもこのお話をシェアしてください💕(シェア大歓迎です😍)………………………………………………第一回では、「自分以外の人のために」という覚悟をすると恐怖や不安が後回しになる、というお話しをしました。▶第一回はこちらきょうは、「では、どうすればそんな気持ちになれるのか」ということを、お話ししたいと思います。・・・・・・・・・・・・あなたは、遊びたいですか?お金がほしい?楽したい?勉強しないで怠けたい? たまに意地悪な気持ちになる?はい、私もそういう気持ちがたくさんあります。でも。ほんのちょっぴりでも、身体の不自由な人を手助けしたい、ほしいものを我慢して募金に協力したい、そういう気持ち、心のどこかにありませんか?・・・・・・・・・・・・人の心を1つの円に表すと、右半円が、善(よ)い心。優しい、心が広い、勤勉、思いやりがある。左半円が、悪い心。意地悪、心が狭い、怠ける、自己中心。人は、自分さえよければいい、という心と、他人を助けてあげたい、という心、両方持っているんです。あなたはいま、電車の中で座っています。目に前におばあさんが立っています。あなたは、どうしたいですか?・・・・・・・・・・・・部活で疲れてるし、あしたのテストのために単語覚えなきゃいけない。すこし居眠りもしたい・・・。おや?別の声も聞こえてきます。おばあさん、なんだかつらそうだなぁ。単語なんか立ったまま覚えられるし、譲ってあげようかなぁ。こんなときは、あなたの心の中で、善い心と悪い心が、戦っているのです。あなたは席をおばあさんに譲りました。良い心が勝ちました。どうして?あなたが、自分のことより、おばあさんのことを思ったから。日本の歴史上でも、たくさん同じことが起きています。・・・・・・・・・・・・少年が本を読みながら、たきぎを背負っている像を見たことがありますか?そう、二宮金次郎。あの像は、金次郎が、いまで言えば中学生くらいの頃だと言われています。二宮金次郎は、すごいことをやります。600以上の村々を、救うのです。中には、食べ物がまったくなくて毎日バタバタと人がたおれ、死んでいった村もありました。金次郎は、どうやって村を救ったのか。・・・・・・・・・・・・まず、村人の身体を休めさせます。次に、どう働けば豊かになるかを教えます。そして、ふだんからムダな出費をおさえ、危機に備えるようにします。働いて、稼いで、出費はおさえる。すると、お金が余ります。余ったお金を、どうするか。将来のため、子どものために貯める。これは、理解できます。それとは別に、自分の住んでいる地域のため、自分以外の人のために役立てるようすすめます。一所懸命働いて稼いだのに、他人のために使う??ちょっと考えられませんね。・・・・・・・・・・・・でも、今から200年くらい前の江戸時代、村人たちは実際に、「自分以外の人のため」に余ったお金を、みんなで助け合うお金として寄付し合います。どうしてそんなことができたのか。自分以外の誰かを助ける、という方が、自分の欲望を満たすよりもより魅力的だったからです。自分は良いことをしている。その気持ち良さを、あなたも経験したことがありませんか?お年寄りに席をゆずったときに感じる、あの気持ち。・・・・・・・・・・・・あなたは善い心も、悪い心も、どちらも選択できる。忘れないでほしいのは、その選択の積み重ねが、あなたの人生になるということ。善い心の選択を積み重ねた方が良い人生になるにきまっています。二宮金次郎は、ほとんど財産を残しませんでした。でも、200年たったいまでも、こうして私たちの前にあらわれるのです。素晴らしい人生だと、思いませんか?ちなみに、「人には、善い心と悪い心のふたつがあって、それが一つの円になって人間をつくっている」と考えたのは、二宮金次郎です。迷ったとき、自分の心に「どうしようか」とたずねてください。あなたがたずねる心が、善い方の心でありますように。※全5回にわたってシリーズで配信いたします。楽しみにお待ちください。―・―・―・―・―・―・―瀧澤 中(たきざわ・あたる)――作家、政治史研究家 昭和40年東京都出身。平成13年『政治のニュースが面白いほどわかる本』(中経出版)がベストセラーとなり、時事解説を中心に著作活動を続ける。また日本経団連・21世紀政策研究所で平成23年~25年まで、日本政治プロジェクト・タスクフォース委員を務めた。政権交代の混乱期に「リーダーはいかにあるべきか」を徹底議論、報告書作成に関わる。また、『秋山兄弟 好古と真之』(朝日新聞出版)や『日本はなぜ日露戦争に勝てたのか』(KADOKAWA)等で、教育や財政面から歴史をやさしく解説し好評を得、その後『「戦国大名」失敗の研究』(PHP研究所)をはじめとする「失敗の研究」シリーズ(累計19万部)を執筆。自衛隊や日本経団連はじめ経済・農業団体、企業研修、故・津川雅彦氏主宰の勉強会で講師を務めた。マスコミで「近現代の例と比較しながら面白く読ませる」(日本経済新聞)と取りあげられるなど、〝むずかしいを面白く〟の信念のもと、「いまに活かす歴史」を探求する。◉「成功した人は誰もが失敗している。」 瀧澤先生の最新刊も好評発売中!!『ビジネスマンのための歴史失敗学講義』 ビジネスマンのための歴史失敗学講義 1,980円 Amazon

    • 休校中の子どもたちへ【こんなときだからこそ伝えたいこと】①

      ✍📨緊急特別配信📨✍休校中の子どもたちに贈る〝こんなときだからこそ伝えたいこと〟━━━━━━━━━━━━━━━━━新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、全国の小中学校に3月2日から春休みまでの間、臨時休校をするように政府が要請を出しました。そんな中、『ビジネスマンのための歴史失敗学講義』(弊社刊)などの著書がある、作家の瀧澤 中 (たきざわ あたる) 先生から一通のメールが届きました。「休校中の子どもたちを何かで元気づけられないか? 不安を和らげてあげられないか?」そんなふうに、いろいろと考えてくださった結果、特別にこんな記事を寄稿してくださることとなりました。テーマは、休校中の子どもたちに贈る「こんなときだからこそ伝えたいこと」5日間限定で、毎日シリーズで配信いたします。お読みになりましたら、ぜひお子さまやお孫さまにもこのお話をシェアしてください💕(シェア大歓迎です😍)………………………………………………学校にかよっているみなさんへ。これから5日間、あなたにあてて、手紙を書きます。なにを書くのか。あなたが不安なとき、あなたが勇気をほしいとき、きっと役に立つ5つのことを書きます。………………………………………………なんだかわからないけど、危険が迫っているらしい。お店からモノがなくなっていて、不安。いつ、ふつうの生活にもどれるのか、わからない。恐怖や不安で気をつけることは、そのことで心がいっぱいになり、自分の大切な時間をムダにしてしまうことです。あなたが与えられた、思ってもいなかったお休み。恐怖や不安でムダにすることなく有効に使える1つ目の方法を、お教えします。………………………………………………「たった2年半で、総理大臣2名と大臣7名、大学の創始者を2名つくった塾。入塾試験、なし。成績、関係なし。授業料、無料。年齢、10歳でもOK」そんな塾があったら、行ってみたいと思いませんか?ただ入塾のとき、1つだけ聞かれます。「何のために学ぶのか」、と。このとき、「成績がよくなりたい」なんて答えでは、だめなんです。塾の先生は、「成績よりも、学んだことを世の中のために実行すること、それが大事です。本を読んだり、勉強することは誰でもできる。成績を上げるのも、誰でもできる。大事なのは世の中のために、勉強したことを活かすことなのです」………………………………………………なんだか、むずかしいですねぇ。でもこれ、実はすごく勉強をするきっかけになるんです。この塾には、もともと勉強のできる子もいましたが、タバコばかり吸う、どうしようもない不良少年や正規の学校では怠けてばかりの子も、たくさんいました。でも、入塾したあと、彼らは一所懸命勉強するんです。それは、「世の中のために役立ちたい」そういう気持ちを持ったから。もっとわかりやすく、言い換えましょう。たとえば。あなたがひまつぶしにコンビニに行くときは、べつに急がず、だらだら歩くかもしれない。でも、家族が急病で、お医者さんを呼びに行くとなったら、あなたは、だらだら歩きますか?きっと一所懸命、走るのではありませんか?だらだら歩けば、10分。一所懸命走れば、3分。これが、「自分以外の人のために役立ちたい」ということの、時間的な違いなのです。たった7分の差。でも、これが毎日だったら、どれほど大きな差になるでしょう。………………………………………………実は人間は、他の人のためなら、走れるのです。塾の名前は、「松下村塾」(しょうかそんじゅく)。聞いたことがあるかもしれませんね。先生の名は、吉田松陰(よしだしょういん)。吉田松陰は、わずか29歳で、刑死します。吉田松陰が松下村塾をやっていた時期は、松陰は仮釈放中だったのでいつまた牢獄につながれ、死ぬかもしれない。そういう「恐怖」の中にいました。でも彼は、恐れません。なぜなら、彼は「自分以外の人のために役立ちたい」と思っていたから。………………………………………………他の人のために生きる人間は、自分がどうなるか、ということは後回し。だから、不安も後回し。そして、自分のためではなく世の中のために頑張らなければいけなかったから、サボってなんかいられません。塾にいた生徒たち、不良も、貧しい家の子も、怠け者も、「なんのために勉強するのか」を問い、「世の中のために役立ちたい」そう考えたから、わずかな時間で大きく成長します。だって、自分のためなら、サボっても自分が損するだけだけど、世の中のためなら、サボったら、世の中が悪くなってしまいます。たとえ自分の生活のすべてでなくてもいい。そういう気持ちを、ほんの少し持つだけで、人は強く、そして勤勉になれるのです。………………………………………………まあそうは言っても、人間は弱いものです。どうすれば、「世の中のために役立ちたい」なんて気持ちになれるのか。明日は、そこからお話ししましょう。けっして、むずかしい話ではないんです。※全5回にわたってシリーズで配信いたします。楽しみにお待ちください。―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―瀧澤 中(たきざわ・あたる)――作家、政治史研究家 昭和40年東京都出身。平成13年『政治のニュースが面白いほどわかる本』(中経出版)がベストセラーとなり、時事解説を中心に著作活動を続ける。また日本経団連・21世紀政策研究所で平成23年~25年まで、日本政治プロジェクト・タスクフォース委員を務めた。政権交代の混乱期に「リーダーはいかにあるべきか」を徹底議論、報告書作成に関わる。また、『秋山兄弟 好古と真之』(朝日新聞出版)や『日本はなぜ日露戦争に勝てたのか』(KADOKAWA)等で、教育や財政面から歴史をやさしく解説し好評を得、その後『「戦国大名」失敗の研究』(PHP研究所)をはじめとする「失敗の研究」シリーズ(累計19万部)を執筆。自衛隊や日本経団連はじめ経済・農業団体、企業研修、故・津川雅彦氏主宰の勉強会で講師を務めた。マスコミで「近現代の例と比較しながら面白く読ませる」(日本経済新聞)と取りあげられるなど、〝むずかしいを面白く〟の信念のもと、「いまに活かす歴史」を探求する。◉「成功した人は誰もが失敗している。」 瀧澤先生の最新刊も好評発売中!!『ビジネスマンのための歴史失敗学講義』 ビジネスマンのための歴史失敗学講義 1,980円 Amazon

  • 06Mar
    • 「徘徊と笑うなかれ」――認知症の母が教えてくれたこと

      「徘徊と笑うなかれ」――認知症の母が教えてくれたこと新刊『支える側が支えられ生かされていく』の発刊に寄せて2019年6月1日、私は『致知』の取材のため、横浜(神奈川県)で行われた詩人・藤川幸之助さんの講演会に参加していた。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・藤川さんは、二十数年に及ぶ認知症の母の介護体験から多くの詩を生み出してきた詩人だ。講演会では、認知症が進行していく母が、家族や自分のことを忘れまいと手帳に何度も皆の名前を書き記していたというエピソードや、心臓に持病を抱えながらも「俺がお母さんを幸せにしようと思う」と、自らの命を削りながら最期まで献身的な介護を続けた父親の愛。そして、父親の遺言によって、思いがけず介護を託された藤川さんの「いっそのこと母が死んでしまえばいいとさえ思った」という、生々しい苦悩と葛藤の日々が、当時の写真と美しい詩の朗読と共に語られた。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・次第に、会場内のあちこちからすすり泣く声が聞こえてきた。皆、自身の肉親や大事な人の介護体験を思い出しているのだろうか。藤川さんの詩を聴きながら、私もまた認知症で亡くなった祖父のことを思い出していた。祖父は私が大学生の頃に認知症になり、数年のうちに過去も家族のこともすっかり忘れ去ってしまった。施設に入った祖父は、他の認知症の方とまるで幼児に返ったようにはしゃいでいた。祖父は長男の私を特に可愛がってくれ、地元の学校長や教育関係の要職を歴任した人だっただけに、私には大変な衝撃であった。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・しかし、当時の私にとって、すべての記憶を失ったように見える祖父は、もはや自分の知っている祖父ではなかった。祖父は認知症という病気に脳や精神を侵され、もうこの世からいなくなってしまったのだ――そう結論した私は、祖父の元を訪れる機会はめっきり少なくなり、自分も介護や身の回りの世話を手伝おうという気持ちも全くなかった。半ば強制的に父親に連れられ、海辺にある施設を最後に訪れた時には、祖父は体中をチューブで繋がれ、体は硬直して動かず、こちらの声掛けにも何の反応も示さない状態だった。認知症とはなんと残酷な病気であろうかと絶句し、私にはただただ祖父を見つめていること以外何もできなかった。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・祖父は十年の闘病の後、私が結婚式を挙げた一か月後に亡くなったのだが、親戚の人が「広太郎君の結婚式を見届けて、おじいさんは亡くなったんだ」と言ってくれた。藤川さんは講演の中で、「たとえ認知症になり、言葉と記憶を失ってしまった母親も、いまを必死に生きている」「介護を通じて、母は私の中から人を思いやる心や愛する心を引き出してくれていたのかもしれない。だから、認知症となって言葉や記憶を失ってしまったとしても、人は皆そこにただ生きているだけで、存在しているだけで大きな意味を持っている」と、実感を込めておっしゃっていた。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・その藤川さんの言葉が自分自身の祖父の体験と重なり、私もまわりの人たちと同様に涙を抑えることができなかった。実際、祖父の施設を訪ねた時に不思議なことがあったことをふと思い返した。記憶を失くしたはずの祖父が突然正気に返り、「あとは頼むぞ」といって指にはめていた金の指輪を私に渡してきたのだ。祖父の指輪はいまも大事に持っている。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・これなどは、まさに藤川さんの体験に通じることだと思った。たとえ、認知症になっても人は確かにいまを必死に生きているのだ。藤川さんの原稿は、他の誰でもなく、自分が書かなくてはならないと固く誓った瞬間でもあった。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・藤川さんの原稿は、『致知』2019年11月号「語らざれば愁(うれい)なきに似たり」に掲載されている。そして、この3月末には、藤川さんのこれまでの詩人としての総決算であり、初の自選詩集である『支える側が支えられ 生かされていく』が弊社から刊行される。 詩集を一読し、これはただの介護体験を綴ったものではないと感じた。認知症の母の介護体験を通じて、人が生きると何か、死とは何か、悩み苦しみとは何か、人を愛するとは何かという根本的な問いを読む者に鋭く投げかけ、またその答えを示してくれる人生の道標になる詩集だと私は感じた。この詩集が、私の心を癒し、励ましてくれたように、介護に悩む人だけでなく、人生を真剣に生きるすべての人の生きる力になることを願ってやまない。 致知出版社 致知編集部・浅倉広太郎致知出版社公式Notehttps://note.com/chichinote/n/nc8a06f5dca12 自選 藤川幸之助詩集「支える側が支えられ 生かされていく」 1,650円 Amazon

  • 21Feb
  • 18Feb
  • 11May
  • 10May
    • 伝説のセールスマンが語る人生の原点

      ★5月よりサイトを下記に移行いたします。http://www.chichi.co.jp/blog日本一BMWを売った男、飯尾昭夫さん。かつては全く売れなかった経験をもとに、「売れない人間でも、 絶対に売れるようになる」と、力を込めて語る飯尾さん。仕事だけでなく、人生にも通ずる成功の要諦とは─────────────────────★ 自分を信じて、とことん挑戦する ★飯尾 昭夫(BMW正規ディーラー)※『致知』2016年6月号【最新号】※連載「二十代をどう生きるか」───────────────────売れなかった自分が売れるようになったという経験がベースにあるからでしょう。私はいま、「どんなに売れない人間でも、 絶対売れるようになる」と思って部下の育成に当たっています。可能性を信じ抜き、いいところを褒めて励まし、売れない原因を教えてあげて、見守る。これが若い人を導くリーダーにとって重要なことではないでしょうか。ただ、成長のきっかけを掴むか、掴まないか、それはひとえに自分次第です。その時に大事なことは何か。やはり自分を信じることだと思います。「俺は絶対にできるんだ」と信じて、訪問軒数を絶対に落とさない。買おうと思っているお客様と出逢うまで歩き続ける。要するに、自分との闘いです。自分の心との目に見えない闘いに勝っていくところに、成長のきっかけが舞い降りてくる。そこで努力を積んだ人間だけがチャンスをものにできるのです。「自分を信じて、 とことん挑戦してみる」これは営業だけに限らず、どんな仕事にも当てはまることです。確かに挑戦して失敗することもあるかもしれません。しかし、挑戦する前にダメだと思わないこと、中途半端にしないで、まずはとことんやってみることが大切です。私もとことん歩きました。それでも売れませんでした。その時に……※全く売れない時代を経て、 いかにトップセールマンへの 道を開いていったのか。 二十代だっ頃の飯尾さん渾身の 体験記の全容は本誌でどうぞ!

  • 09May
    • 「大丈夫だぞ」を繰り返す父

      ★5月上旬よりサイトを下記に移行いたします。http://www.chichi.co.jp/blog戸城素子さんの人生体験は壮絶です。13歳で家族で旧満州に渡り、ソ連の侵攻、中国の国共内戦、中国共産党の恐ろしい人民裁判までその実態を目の当たりにしてこられました。これからご紹介するのは、旧満洲で学徒動員令を受けた戸城さんが、防衛司令部でモールス信号の解読などに当たっていた時の話です。───────────────────★〝決して背を見せない〟を貫いた一技術者の生涯★戸城 素子※『致知』2016年6月号【最新号】※特集「関を越える」───────────────────昭和二十年八月九日、ソ連が日ソ中立条約を破り、ソ満国境を越えて侵入してきたのです。日本軍は条約を信じ、国境警備や首府防衛のかなりの部隊を南方戦線に転進させています。通信室に入ってくるのは、手薄になった満洲の草原を怒濤のように押し寄せてくるソ連軍の情報ばかりでした。十日には新京上空にソ連機が現れ、爆弾を投下しました。あちこちから黒煙が上がります。学徒動員の女学生に帰宅命令が出て、私が家に戻ったのは十一日でした。夕方になって父も慌ただしく帰宅、私たちは避難するのだと言います。当日、新京在住日本男子一同に白紙召集令状が配布されていたのです。父と別れての避難です。「よく分かりました」母は落ち着いた様子で避難の準備に取りかかりました。 我が家はいつもこうなのです。父はどちらかと言えば単刀直入型。それに対して母は泰然自若というのかのんびりムード。このバランスが微妙に働いて、家族がその後の困難を乗り越える一つの力になったと思います。 翌日、持てるだけの荷物を背負い、新京駅から避難列車に乗り込みました。父とは家の前で別れました。家族一緒の時間を大切にしていた父は、どんな気持ちだったでしょう。一人ひとりの頭を撫で、「大丈夫だぞ。大丈夫だぞ」を繰り返していました。あの姿は忘れることができません。 ※お父様と離ればなれになり、避難民となった戸城さんの一家には、その後、様々な苦難が待ち受けています。その内容はぜひ誌面でお読みください。

  • 08May
    • ≪初!≫ 講演会動画を配信中です!

      ★5月上旬よりサイトを下記に移行いたします。http://www.chichi.co.jp/blog毎月東京・新宿で開催している「致知人間学講演会」。かねてより当日都合がつかない方、遠方でご参加できない方からインターネットでの配信のご要望が相次いでいました。そこで、致知出版社初の試みで、4月に開催した致知人間学講演会の動画をインターネットで販売いたしました!⇒ http://online.chichi.co.jp/item/8127.html講師は詩人・坂村真民先生の三女・西澤真美子先生。(この日、西澤先生も 人生初のご講演だったそうです!)家族として支え続けてきたからこそ知り得る、坂村真民先生の人生と詩に込めた思いを90分にわたって熱を込めてお話しいただきました。───────────────────≪ご利用者の声≫「子供が生まれる前は よく講演会に行っていたのですが、 しばらくは諦めなきゃと思っていた私にとって 本当にありがたい試みです。 途中で止めて、都合のいい時に 続きが見れるので、 家事の合間に見させてもらいます」           (30代・女性)「本当は、実際に行って 直接お会いするのが五感120%の 受け留め方になると思いますが、 行けなかった者としては、 とても嬉しい企画ですね。  ありがとうございます。(^-^)」           (40代・男性)───────────────────▼致知出版社、初の動画配信内容はこちら!講師:西澤真美子先生演題:「父・坂村真民の歩いた道」購入・閲覧期間:4月29日(金)~5月31日(火)価格:3,000円(税込/カード決済のみ)動画は期間中、パソコンやタブレット、スマートフォンで、いつでも、どこでも、何度でもご覧いただけます!詳細・ご購入はこちらから。⇒ http://online.chichi.co.jp/item/8127.html

  • 07May
    • 荒くれ者が、こう変わった

      ★5月上旬よりサイトを下記に移行いたします。http://www.chichi.co.jp/blog★ 大きな変化を遂げた子路 ★安岡 定子(こども論語塾講師)※『致知』2016年6月号【最新号】※連載「親子で読む孔子の人生」───────────────────数多い孔子の弟子の中でも子路は異色の存在といえるでしょう。ほとんどの弟子が学問を修めようという情熱に燃えて入門してくる中、子路は孔子の風貌や威厳に惚れ込んで門を叩いたと言われるくらい、スタート時点から大きく違っていました。子路は古参の弟子の中でも最年長者です。任侠道に生きてきただけに一本気で荒っぽいところもありました。そのために孔子から怒られたり、呆れられたりすることもたびたびでしたが、他の弟子には欠けているものを持っていました。それが……。 ※子路だけが持っていたものとは 何だったのでしょうか。 孔子はその長所に目を止めて教育し、 子路は著しい成長を遂げます。 孔子の教育の秘密は 『致知』でお読みください!

  • 06May
    • 読書週間「こどもの志を育む本」

      ★5月上旬よりサイトを下記に移行いたします。http://www.chichi.co.jp/blog5月1日から14日まで、「こどもの日」を含む2週間が「こどもの読書週間」とされているのはご存じですか?これからの日本を担っていく子どもたちに志を育む素敵な本に触れてほしい──。そのような思いから、お子様におすすめの書籍を厳選いたしました。ぜひお手にとっていただき、お子様と一緒に心豊かなひとときをお過ごしいただければと思います。───────[今週の特別フェア]─── こどもの読書週間特別企画「こどもの志を育む本」http://www.chichi.co.jp/kiji/kodomo/───────────────────◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆すべての世代に読んでほしい本◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆……………………………………心に響く小さな5つの物語……………………………………藤尾秀昭(文) 1,028 円(税込)35万人が涙した、15分で読める感動実話。子どもたちが「人生論」に親しむのに最高の入門書とも言えるでしょう。………………………………………心に響く小さな5つの物語2………………………………………藤尾秀昭(文) 1,028 円(税込)感動実話『心に響く小さな5つの物語』の第2弾。心に深く響いてくる珠玉の五篇を集めました。◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆   小学生向け◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆………………………………………自分を育てるのは自分………………………………………東井義雄(著) 1,296 円(税込)「自分は自分の主人公 世界でただひとりの自分を 創っていく責任者」。慈悲深い言葉の中に、人生の真理や人間の生き方の根源が込められています。………………………………………デパートのうえのたかちゃん………………………………………あらい靜枝(著) 1,080 円(税込)大人になるにつれ、時に辛いことに遭遇することもありますが、懸命に生きていると、素敵な出会いや嬉しい出来事が起こる。そのことをやさしく教えてくれる一書。◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆   中学生向け◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆………………………………………小さな人生論………………………………………藤尾秀昭(著) 1,080 円(税込)人は何のために生きるのか、どう生きたらよいのか──。本書には、各々の人生に贈る熱きメッセージが込められています。………………………………………10代のための人間学………………………………………森信三(著) 1,404 円(税込)中高生に向けてやさしく説かれた生き方指南書。言葉の一つひとつに「二度とない人生を真に充実させて 生きていってほしい」という、森師の祈るような思いが込められています。◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆   高校生向け◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆………………………………………日本のこころの教育………………………………………境野勝悟(著) 1,296 円(税込)700人の高校生が聞き入った伝説の講演。日の丸の意味とは?「お父さん」「お母さん」となぜ呼ぶのか……?日本人に生まれてよかった、と心から思える感動の1冊。………………………………………小さな経営論………………………………………藤尾秀昭(著) 1,080 円(税込)会社に経営という概念があるように、人生にも経営という言葉が当てはまります。本書には、自分の人生のオーナーとして、人生を正しく経営するための知恵が詰まっています。………………………………………青年の大成………………………………………安岡正篤(著) 1,296 円(税込)現代の若者の心も打つ安岡青年人間学のバイブル。碩学・安岡正篤師が「人生いかに生くべきか」の命題を、具体的に懇切丁寧に解明して、人として世に処する道が人間味豊かに諄々と説かれています。 ………………………………………⇒ こどもの読書週間特別企画 「こどもの志を育む本」 心をこめてページをつくりました。  ぜひアクセスしてみてください!  http://www.chichi.co.jp/kiji/kodomo/

  • 05May
    • 本物のタケノコの味

      ★5月上旬よりサイトを下記に移行いたします。http://www.chichi.co.jp/blogNHKテレビ「プロフェッショナル」でも紹介された日本料理・未在の石原仁司さん。その料理へのこだわりは半端ではありません。本日はそのこだわりが分かるお話を紹介します。───────────────────★ 日本料理の道を極める ★石原 仁司(日本料理・未在店主)    ×岩本 光治(虎屋 壺中庵店主)※『致知』2016年6月号【最新号】※特集「関を越える」───────────────────煮物椀を例に挙げますとね。いまはタケノコが旬ですが、本当に美味しいものをお客様に食べていただこうと思ったら、やはり竹藪に行って掘らないといけません。それも、ただ掘るんじゃない。僕たちは根っこから起こしてもらうんです。普通は鍬を入れて底から起こすんですが、それだと底から死んでいって、調理中にえぐみが出てしまう。根っこのついたタケノコが生きた状態で店に入ってくれば、湯がかなくてもいいくらいです。成長を止めなくてはいけないから熱を軽く入れますけど、そうするとやっぱり美味しいじゃないですか。 このようにして変に小細工をしないで本物の味を味わってもらう。それが僕たちの仕事なのだろうと思います。※石原さんのこだわりは 料理だけではありません。 心の面でも決して妥協を 許さない人です。人生や仕事全般に 通じる石原さんの哲学は『致知』 6月号で詳しく紹介しています。

  • 04May
    • ザトウクジラも踊る癒やしの歌声

      ★5月上旬よりサイトを下記に移行いたします。http://www.chichi.co.jp/blog「倍音(ばいおん)」という高い周波数を発する歌声を持つヒーリングソプラノ歌手・柏田ほづみさん。なんとその歌声は、癒やしの声になって生き物たちにも伝わっていくというのですから、不思議ですね。───────────────────ザトウクジラも踊る癒やしの歌声柏田 ほづみ(ヒーリングソプラノ歌手)※『致知』2016年6月号【最新号】※連載「第一線で活躍する女性」─────────────────────柏田さんはヒーリングソプラノ歌手  として、ユニークな音楽活動を  なさっているそうですね。私の声には「倍音(ばいおん)」といって、実際に発声している音階よりも高い周波数の音がすごく含まれているそうで、私の歌声を聴くと、不思議と病気の方や植物状態の方の症状が改善したりするんです。脳波研究の第一人者である志賀一雅先生が興味を持って調べてくださったところ、私が歌っている時には地球の周波数と言われるシューマン周波数(7・8ヘルツ)がとても長い時間起こって、それが人や生き物に対して癒やしとして伝達されるそうなんです。──科学的に証明された  癒やしの歌声なのですね。イタリアでコンクールに参加する前に、知人のお宅の中庭で歌わせていただいていた時なんか、小鳥がやって来て、私の声に共鳴して一緒に歌い始めたんですよ。絶妙のタイミングで合いの手を入れてくれて、面白いセッションになったので、ユーチューブに「小鳥との奇跡のセッション」ってタイトルをつけてアップしています。そんなふうに、これまで山でも歌って、人前でも歌って、さぁ今度はどこでやろうかなという時に、海しかないと思って、ザトウクジラと一緒に歌うことにしたんです。──ザトウクジラと一緒に歌を。ザトウクジラって求愛する時に歌うって言われているんですけど、私の歌声を聞かせたらどのような反応をしてくれるのだろうか?と3年前の春にロケ隊を組んで小笠原に行ったんです。ザトウクジラは私らが到着した5日前から全く姿を現していなかったらしいんですけど、最初に陸で歌の撮影を始めたら、びっくりするくらいたくさんのカツオドリがやって来て旋回し始めて、これはいけるって勇気をもらって海に出たんです。2、30分船を走らせていると、遠くにザトウクジラが現れましてね。私の歌に合わせて……※生まれつき喉に障害があって 声を出すのも辛かったという 柏田さんは、いかにして歌手 としての道を歩むことができたのか。 この続きは本誌で!