最悪の時こそ最高である——サイゼリヤ・正垣泰彦会長が語る「エネルギーの法則」 | 致知出版社公式アメーバブログ

 

 

 

 

 

国内外に1500店舗を超え、年間来客数は2億人を上回るカジュアルイタリアンレ

ストラン「サイゼリヤ」。創業者の正垣泰彦さんは大学4年生の時、千葉県市川市

に17坪・38席の洋食屋をオープンし、そこまで幾多の危機を乗り越え、今日の

発展を築いてこられました。その正垣さんに経営者の原点となるエピソードをお話

しいただきました。

 

 

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■エネルギーの仕業?

〈――正垣会長がサイゼリヤを開店してから、来年(2022 )で55年の節目になり

ます。長年一筋の道を歩み来て、いまどんなご心境ですか?〉

 

〈正垣〉 

1967年、大学在学中の21歳の時に千葉県市川市で洋食屋を始めたわけですけ

ど、当初は食べ物屋なんてやりたいとも何とも思わなかった(笑)。たまたまアル

バイトをしていた飲食店のコック長から、「おまえ、食べ物屋をやってみないか。

向いてるぞ」と言われたのがきっかけです。サイゼリヤと共に生きてきた半世

紀を振り返ると、これはエネルギーの仕業だなと思っています。

 

 

〈――エネルギーの仕業?〉

 

〈正垣〉 

エネルギーがよりよい調和のためにこういう環境をつくってくれたんだなと。好きと

か嫌いとかは関係なくて、好きでも嫌いでも、いまやっていることが最高なんです。

いまある環境も、共に働いてくれているスタッフたちも、日常に起こる様々な現象も、

すべて最高なんです。これ以上のものはない。そう思えるかどうか。

 

よく若い人が「自分の好きなことをやりたい」とかって言いますけど、それは自分中

心に考えているだけだから、うまくいかない。皆に喜んでもらいたいとか困っている

人を幸せにしてあげたいとか世の中を変えたいとか、自分の利益じゃなくて誰か

の役に立つことを優先して考えると、結果はよくなるんです。

 

かく言う私も店を始めたばかりの頃は欲の塊ですから、楽をしてお金をたくさん儲け

たいと思っていました(笑)。しかし、来る日も来る日もとにかくお客さんが全然入ら

ない。1日の来店客が6人だけということもありました。

 

当時の店は2階にあって、1階には八百屋さんとアサリ屋さんが入っていました。狭

くて見えにくい階段を上がっていかなきゃいけないのに、階段の入り口に荷物が置

いてあるから飛び越えたりどかしたりしないと通れない。深夜に店を開ければ集客

できるだろうと営業時間を朝4時まで延ばしたところ、ならず者のたまり場になった

だけ。

 

挙句の果てには客同士の喧嘩で石油ストーブが倒れ、店は燃えてしまったんです。

開店から1年9か月後のことでした。

 

 

〈――弱り目に祟り目ですね。〉

 

〈正垣〉 

立地は悪いし、ならず者しか来ないし、火事にはなるし……こんな店でいくらおいしい

ものを出してもお客さんは絶対に来ないと思っていました。店を辞めることも考えまし

たし、再開するにしても別の場所でやろうと。

 

ところが、ある時おふくろにこう言われたんです。「火事に遭ったあの店はおまえにとっ

て最高の場所だから、辞めちゃダメ。八百屋もアサリ屋も、せっかくおまえのためにそ

こにあるんだから、逃げちゃダメ。もう一度同じところで頑張りなさい」って。

 

 

〈――火事に遭った店が最高の場所だと。〉

 

〈正垣〉 

お客さんが来ないことを立地のせいにしないで、お客さんが来てくれるようにひたむ

きに努力することが大切なんだと、おふくろは教えてくれました。だから、立地が悪い

のもならず者しか来ないのも火事になったのも、すべてエネルギーの仕業で、より幸

せになるようにやってくれていたことに気づかされたんですね。

 

 

 


(本記事は月刊『致知』2021年12月号 特集「死中活あり」より一部を

抜粋・編集したものです)

 

 

 

 

◇正垣泰彦(しょうがき・やすひこ)
昭和21年兵庫県生まれ。42年東京理科大学4年次に、レストラン「サイゼリヤ」を千

葉県市川市に開業。43年同大学卒業後、イタリア料理店として再オープン。48年マ

リアーヌ商会(現・サイゼリヤ)を設立、社長就任。平成12年東証一部上場を果た

す。21年より現職。27年グループ年間来客数2億人を突破。令和元年7月国内外15

00店舗を達成。同年11月旭日中綬章受章。著書に『サイゼリヤおいしいから売れ

るのではない 売れているのがおいしい料理だ』(日経ビジネス人文庫)。

 

 

 

 

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