弊社の隠れたロング&ベストセラー ~『佐藤一斎「重職心得箇条」を読む』~ | 致知出版社公式アメーバブログ

 

 

 

 

 

本日ご紹介するのは、
平成7年に刊行された
『佐藤一斎「重職心得箇条」を読む』


現在までに21回の増刷を重ね、
9万部を突破する
弊社の隠れたロング&ベストセラーです。


江戸末期の儒学者であり、教育者として
当時の藩士たちに多大な影響を与えた佐藤一斎。


本書はその一斎の著書である「重職心得箇条」に
現代語訳を付し、安岡正篤師が解説を施したものです。


「大臣の心得」「包容の心」「機に応ずるということ」
など、重職の心得を全17条にまとめた本書は、
経営者や管理職の方には必読の一書。


人の上に立つ者の行動指針、
人生と経営の要諦が記されてあります。


定価800円(税抜き)という手頃な価格。
ポケットサイズで、携行できることも魅力のひとつ。


重職の心得17条のうち、
第2条の「大臣の心得」から、
その一部をご紹介
します。

 

 

 

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『佐藤一斎「重職心得箇条」を読む』

 

 

 

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 大臣の心得
……………………



二 大臣の心得は、先づ諸有司の了簡を尽さしめて、
是を公平に裁決する所其職なるべし。



もし有司の了簡により一層能き了簡有りとも、
さして害なき事は、有司の議を用るにしかず。



有司を引立て、気乗り能き様に駆使する事、要務にて候。
又些少の過失に目つきて、人を容れ用る事ならねば、
取るべき人は一人も無之様になるべし。



功を以て過を補はしむる事可也。
又賢才と云ふ程のものは無くても、
其藩だけの相応のものは有るべし。



人々に択り嫌なく、愛憎の私心を去て、用ゆべし。
自分流儀のものを取計るは、水へ水をさす類にて、
塩梅を調和するに非ず。平生嫌ひな人を
能く用ると云ふ事こそ手際なり。此工夫あるべし。





「大臣の心得は、先づ諸有司の了簡を尽さしめて、
 是を公平に裁決する所其職なるべし」



大臣たる者の心得。
国家、藩、その存在の場の代表になる人は
その下にいるいろいろの役目の人、
つまり諸有司の了簡を尽さしめなければならない。



「了簡」の簡の字は、たいてい見るという字を書きますが、
ここでは、簡という字を用いています。


「りょうけん」と読みます。
大変面白い熟語です。


「了」は悟るという意味である。


悟るから物事を解決することができる。


それで「おわる」という意味にもなる。


「簡」は「選ぶ」、いろいろな問題を、
これは要らない、これはどうでもよい、
これはこうしなければならない、
というように選ぶこと。


そして選ぶということは、複雑なものに筋を通す、
すなわち「簡」であり、シンプリファイです。


いろいろの役目の人物に
「それはこうだ」「こうすればよい」
ということを十分に議論をさせ、
その議論を公平に裁決するところが
重職たる者の職務であろうということです。



「もし、有司の了簡により一層能き了簡有りとも、
 さして害なき事は、有司の議を用るにしかず。
 有司を引立て、気乗り能き様に駆使する事、
 要務にて候」



さして害のない事はそれぞれの役目の者の
いう事を用いたことがよいという事です。


そうするとその役目にある者は、
自分の考えが通るから、「気乗り能き様に」了解し、
賛成を得ることになってまことに調子がよい。


そのようにいろいろの役目の者を駆使することが
重役たるものの肝腎のつとめだということですね。



「又些少の過失に目つきて、
 人を容れ用る事ならねば、
 取るべき人は一人も無之様になるべし」



アラ探しをしたら、アラのない人間はいない。
用うべき人間はなくなってしまうという事です。



「功を以て過を補はしむる事可也」



これはあの過失だ、いけないところだということがあれば、
それに対する功業、手柄、つまりプラスを奨励して
マイナスを補わせるようにしたらよい。



「又賢才と云う程のものは無くても、
 其藩だけの相応のものはあるべし」



二百六十余の藩がある。
それぞれの藩にはその藩だけの相応の者はあるだろう。



「自分流儀のものを取計るは、
 水へ水をさす類にて、塩梅を調和するに非ず」



これではうまい味にはならない。料理にならない。



「平生嫌ひな人を能く用ゐると云ふ事こそ手際なり。
 此工夫あるべし」



これは一斎先生の「重職心得箇条」の中での
一つの名言といわれるものであります。


どうも人間というものは好き嫌いがあって、
いやだ嫌だとなると、とかくその人を捨てるものであります。



たとえ自分の気に入らなくても
「できる」「これはよくやる」とか
「これは正しい」「善い」ということになれば、
たとえ嫌いな人間でもこれをよく用いる。
才能を活用する。


これが重職たるものの手際である。


この工夫がなければならないということで
もっともな意見です。



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