2015年1月10日(土)
「致知出版社公式ブログ」本日の話題は・・・
ともに30年以上にわたって
小学校教諭として現場に立ち続け、
思いを込めて子供たちの指導に
あたってこられた平 光雄さんと菊池省三さん。
対談「子供の未来をひらく教育力」では、
指導者としての心構えや実践から
編み出した指導法などが満載です
本日は、子供たちが3日で変わったというほどに
目覚ましい効果を上げている、
平さんのユニークな指導法をご紹介します
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【菊池】
ところで平先生は独自の指導をされているそうですが、
どのように編み出されたのでしょうか。
【平】
きっかけは私が30代後半で、
初めて荒れたクラスを受け持ったことですね。
3年生のクラスだったのですが、殺伐としていて、
先生の話を聞かないという空気が完全にでき上がっていました。
ですから最初は
「どうやったら、話を聞いてくれるかな」
というところから始まりました。
「たぶん、長話や面白くない話はダメだろうな」
とか
「俺の話を聞け」
という態度は逆効果だろうなと考えているうちに、
「とにかく大事なことだけを伝えよう」
と、言葉の節約ということを重要視したんですね。
【菊池】
言葉の節約、ですか。
【平】
しつこく語るのをやめて、
短い言葉で大事なことだけを伝えたり、
絵を描いてイメージで伝えたりしようと。
その時、考えついたのが紙芝居でした。
【菊池】
具体的にはどのように子供たちに伝えるのでしょうか。
【平】
例えば「向上心」についてどう伝えるか。
まず多面体を描いて、
「これが何か分かる?」
と尋ねるんです。
「立体」とか「多面体」という答えが返ってきたら、
「これはあなたです」
と話し始める。
「人間というのは誰もが多面体でできていて、
『よい面』も『悪い面』もあわせ持っているんですよ」と。
「だから去年まで叱られてばかりいた子は、
『悪い面』が出ていただけで、
『よい面』を出せばあっと言う間に
変わることができるから大丈夫。
ただし、『よーし、今年こそは!』と決意しないと、
面はクルっと変わらないから、
自分の『よい面』を出そうと決意することが大事だよ」
というように話を進めるんです。
もともとエネルギーの強い子たちだったので、
変わる時も早かったですね。
親御さんからは「3日で変わった」
と言っていただけたこともありました。
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人には誰でも「よい面」と「悪い面」があるという
現実を踏まえた指導法に、
人間に対する心の温かさを感じました。
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本日も当ブログをお読みいただき、
ありがとうございます。
致知出版社
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