通勤、通学の前に鉄道路線の運行状況を確認してから家を出る人が多くなっています。
万が一、運行が停止している場合は、家の人に別路線まで車で送ってもらうとか、バスを利用して別路線の駅までたどり着くとかの回避策を講じるためです。
鉄道の運行停止の原因は断トツ“人身事故”の発生が多いです。
踏切への侵入から、スマホを操作しながらホームへの転落、狭いホームから押されてよろけて転落もあります。
しかしながら、首都圏で増え続けているのはなんといっても“自殺”です。
とても悲しいことです。
自殺自体は全国的に過去5年間で20%近く減少の傾向にありますが、それでも人の死因の円グラフに面積を占めるだけの割合を示しています。
首都圏の鉄道の人身事故に占める自殺割合は63%です。
事故は27%に留まるのです。
首都圏の主要15路線に限った統計だけでも、2日に1件の自殺が発生しています。
多くの職場では、始業時刻あたりに
「人身事故のため、遅刻します」
のメッセージを受信することに何の驚きも感じていないはずです。。。 “またか”
しかしこのように考えてみたらどうでしょうか。
もしこれがあなたの居住している600世帯の豪華タワーマンションで発生していることであり、高額住宅ローンを支払えるだけの過酷な勤務を強いられる企業に勤める住人の方々が、2日に1人の飛び降り自殺をしているとしたら、1年間で全世帯でお葬式が発生してしまいます。
首都圏だけでこれだけの人数です。
鉄道自殺は特に悲惨です。
日中反対側ホームから目撃してしまった友人の証言です。
「よろよろと飛び出した人が電車にぶつかった。顔はトマトのように飛び散ってしまった。その光景が今も目に焼き付いている。自分の板側のホームには電車が到着し、ホーム手前で一時停止の間にレール点検が終わり、奇跡的にも何事もなかったように発車した。
ところが、同じ駅から乗車した人たちは人目顔色を見るだけで判別が付いた。」
自殺防止対策として、地下鉄駅ではホームの照明の照度を高くする、それ以外でも、各駅では、ホーム側転落防止ドアの設置が進んでいます。しかし長時間労働のストレスにさらされていない他の国々でこれほどまでに鉄道自殺が多くはないことも確かです。
原因の分析と対策は、わたしたち一人一人の責任です。
(参照資料)
初公開 「鉄道自殺数」が多い路線ランキング(東洋経済ONLINE)