今回紹介する記事は
2022年11月5日付けの
 
「毎日新聞」の記事です。
  
【岸信介の「罪と罰」】


というタイトルで、
専門編集委員伊藤智永氏が、
日本政治はいまだ、
岸信介の「作品」のなかにあることについて、
紹介しています。

いつもどおり、
「4つ」の視点でこの記事を見ていきます。
 
(4つの視点についてはこちらをご覧ください)
 

新聞記事の紹介について

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始めに読んでほしいブログについて


(1)内容の要約

 岸信介は90年の生涯で3回、
死を覚悟したという。

1回目は戦時中、
東条英機と対決して憲兵に脅された時。

 2回目は敗戦後、
日米開戦時のA級戦犯容疑者として、
巣鴨プリズンに収監された時。

 3回目は1960年、
首班官邸へ日米安保条約改定に反対する大群衆が押し寄せる中、
午前0時の国会自然承認を待っていた時。

ちなみに約1カ月後、
首班退陣の前日、
暴漢に刺されて重傷を負う。

 岸信介が覚悟したのは、
いずれも時の権力者や大衆に逆らい、
このまま主張しとおせば、
あるいは殺されると予期しながら、
あえて向き合った異常死による最期である。

 意地とも、
信条ともいえるが、
腹の底には、
冷徹な論理や戦略を超えて、
激情の炎が燃えていたように見える。

 死刑の恐怖と背中合わせの3年余を過ごした巣鴨で、
岸信介は筆まめに断想録や日記を付けていた。

 「孤独において退屈を感ずるのは思想がないからだ」
という一節がある。

確かに日々精力的だ。

多くの手紙をしたため、
歌を詠み、
国際情勢を分析し、
何より読書量の旺盛なことに驚かされる。

中でも小説「罪と罰」の英訳本に強く引き込まれたらしい。

 「ずっと前に邦訳で読んだ記憶がある。

いま英訳を読みながら、
著者の深刻な人生観が見に迫るのを感ずる」
(1948年9月26日)

 伝説的秀才だった岸信介は旧制高校時代、
トルストイやドストエフスキーの文学書から、
カント・ヘーゲル・ショーペンハウアーといった哲学書まで、
大半はドイツ語で読んでいた。

「深い思索に沈潜することはなかった」(「回顧録」)が、
ともあれ読んだ。

 そして、
「私の作品」と豪語した旧満州の国家経営に剛腕を振るい、
戦時体制を指揮し、
国破れ、
死を覚悟した50歳を過ぎて、
青春の読書体験に再会したのだ。

読了した日、
主人公の魂が再生する有名な結末部分を全文書写している。

長い英文から、
ただならぬ妖気が立ち上る。

「罪と罰」さえも、
自らの政治的復活の養分に変えたのだろうか。

 岸信介は若き日、
国家社会主義者、
北一輝の発禁書「国家改造案原理大綱」一冊を徹夜で密かに筆写した。

晩年、
4年かけて1150巻の写経を完成させた。

胸に火を付けた文書を手で映す作業に没頭する情熱は、
生涯衰えなかった政治への執念を思わせる。

 巣鴨を出て、
7年で自民党を結成。

12年後には新安保を作った。

日本政治はいまだ、
その「作品」の中にある。


(2)なぜこの記事を切り抜いたか    

岸信介の獄中記が凄まじいことに関して、
紹介した記事のため。


(3)自分はどう思うか?

岸信介の孫が銃殺されて、
半年になるらしい。

全国紙の朝日毎日
地方紙の道新も掲載している。

カルト宗教二世の容疑者を巡り、
鑑定留置を「慎重に」という言葉を悪用して「いたずらに」延ばしてきた検察の闇、
弁護士の度重なる準抗告により鑑定留置に終了決定した裁判所、
司法に微かな光を感じる年明けである。

三権は崩壊しつつあることの証左でもあるのだが…。

岸信介は三度、
異常死による最期を覚悟したという。

一回目は、
安倍晋太郎の父である安倍寛同様、
東条英機と対決した時。

二回目は、
A級戦犯として巣鴨プリズンに収監された時。

三回目は、
新安保反対の群衆が官邸に押し寄せる中、
国会自然承認を待っていた時。

歴史にもしもはないけれど、
この三回のうちどこかで最期を迎えていたら、
孫が銃殺されることはなかったかもしれない。

意地・信念・激情の炎…。

死刑の恐怖と背中合わせの収監3年余りで、
「孤独において退屈を感ずるのは思想がないからだ」
と筆まめに断想録や日記を付けることに加え、
て読書量が尋常じゃない。

どうして孫は本をまともに読まず、
ゴルフばかりして遊んでいたんだよ…。

小説「罪と罰」さえも自らの政治的復活における養分にし、
北一輝の発禁書「国家改造案原理大綱」を徹夜で筆写して、
晩年は1150巻の写経。

手で映す作業に没頭する情熱は、
生涯衰えなかった政治への執念…、
「狂気」は時に人を支えるとは言うが、
やはりこの者は化物である。

岸信介の作品「旧満州」は中華人民共和国に返還されるも、
「自民党」は未だ岸信介の手の中である。

何故なら、
最大派閥として牛耳るのは孫の残滓なのだから。


(4)今後、どうするか?    

・伊藤智永氏に関する記事をスクラップする。

・筆まめと読書に努める。

・書くことはやはり強みであることと心得る。


…今回も自分の勉強がてら、
まとめてみました。
  

伊藤智永氏の記事は、
以前紹介しました。

岸信介の「作品」に、
未だ支配される国JAPAN。

凄まじく恐ろしい人物を紹介した記事であります。


皆さんも、
読書量と書くことに力を入れて下さい。

時に狂気と思われる執念は、
いざという戦いで貴方を助けるものとなるでしょうから。