日本触媒、EV電池寿命1.6倍 福岡に新工場、 世界で初めて量産技術を確立 |  NPO法人日本住宅性能検査協会 建築・不動産ADR総合研究所(AAI)

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日本触媒のEV電池材料新工場建設に関する要約

日経新聞2024.09.11

背景と目的

  • EV市場の拡大: 電気自動車(EV)の普及に伴い、高性能な電池への需要が高まっている。
  • 電池寿命の課題: 従来の電池は寿命が短く、頻繁な交換が必要となる点が課題であった。
  • 日本触媒の技術: 日本触媒は、リチウムイオン電池の寿命を大幅に延ばせる新しい電解質「LiFSI」を開発し、世界で初めて量産技術を確立した。
  • 新工場建設の目的: LiFSIの生産能力を大幅に増やし、EV用電池の高性能化に貢献することを目的とする。

新工場の概要

  • 所在地: 福岡県
  • 投資額: 375億円
  • 生産品目: LiFSI(リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド)
  • 生産能力: 年間3,000トン(従来の30倍)
  • 稼働開始予定: 2028年
  • 特徴:
    • LiFSIは、従来の電解質「LiPF6」に比べて、リチウムイオン電池の寿命を1.6倍に延ばすことができる。
    • 蒸留などの工程が難しく、生産コストがかかる。
    • 新材料の割合を増やすほど、電池の寿命が長くなる。

市場と競合

  • 中国の動向: 中国の部材メーカーもLiFSIのシェアを伸ばし始めている。
  • 日本触媒の強み:
    • LiFSIの量産化に関する特許数など、技術面で世界をリードしている。
    • 純度など品質面で優位性がある。
  • 市場の展望: 2028年には、流通する電解質の2割がLiFSIに置き換わると予測されている。

まとめ

日本触媒は、新工場の稼働により、EV用電池の高性能化に大きく貢献し、EV市場の拡大を後押しすることが期待される。LiFSIの量産化によるコスト削減も進め、より多くのEVに採用されることを目指す。

その他

  • 九州でのEV関連産業の集積: 福岡県では、トヨタ自動車が電池工場を建設するなど、EV向け部材の供給網が拡大している。
  • 電池の構造: リチウムイオン電池は、正極材、負極材、電解質で構成される。電解質は、正極と負極の間でイオンを運ぶ役割を担う。

補足:

  • LiFSIの採用により、EVの航続距離が延びたり、充電時間が短縮される可能性も期待される。
  • 新工場の建設は、地域の雇用創出にも貢献することが期待される。
  • 日本触媒は、今後もLiFSIのさらなる高性能化や、新たな材料の開発を進めていくことが予想される。

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