2025年建築基準法改正の重要ポイント
2025年4月から施行される建築基準法改正は、大きく3つのポイントがあります。
1. 省エネ性能の大幅向上
- 省エネ基準適合義務の拡大: これまで義務化されていた300㎡未満の住宅に加え、すべての新築住宅・小規模建築物について省エネ基準への適合が義務化されます。
- 断熱性能の向上: 省エネ基準の内容も見直され、断熱性能を示す断熱等級が引き上げられます。具体的には、ZEH(Nearly ZEH)レベルの断熱性能が求められます。
- ZEH・ZEB義務化に向けた段階的基準強化: 2030年までに、ZEH・ZEB基準の水準の省エネルギー性能の確保を目指し、段階的に基準が強化されます。
2. 木造建築の促進
- 木造建築物の確認申請対象拡大: 木造建築物に係る建築確認の対象は、2階建て以上又は延べ面積200㎡超の建築物に見直されます。
- 審査省略制度の見直し: これまで審査省略制度の対象だった平家建ての住宅であっても、延べ面積200㎡を超える場合は建築確認の対象となります。
- 防火性能の向上: 木造建築物の防火性能に関する規定も見直され、耐火性能の向上や防燃構造の義務化などが進められます。
3. その他の改正内容
- 耐火性能の向上: 大規模建築物等における耐火性能の向上に関する規定が強化されます。
- 既存住宅の改修に関する規定の整備: 既存住宅の改修に係る規定が整備され、耐震改修や省エネ改修の促進が図られます。
- その他安全性の向上: 地震対策、バリアフリー対策、落下防止対策など、様々な安全対策に関する規定が強化されます。
これらの改正は、日本の建築物における省エネ性能の向上、木造建築の普及、安全性確保に大きく貢献することが期待されています。
2025年建築基準法改正の影響
2025年建築基準法改正は、建築業界全体に大きな影響を与えることが予想されます。以下は、その具体的な影響の一例です。
- 住宅建築コストの上昇: 省エネ性能の高い住宅は、従来の住宅と比べて建築コストが高くなる傾向があります。
- 設計・施工技術の高度化: 省エネ性能の高い住宅や木造建築物を設計・施工するには、より高度な技術が必要となります。
- 建築士の需要増加: 省エネ基準適合義務の拡大や審査省略制度の見直しに伴い、建築士の需要がさらに増加することが予想されます。
- 消費者への影響: 住宅建築コストの上昇や設計・施工技術の高度化は、消費者にとって負担となる可能性があります。一方、省エネ性能の高い住宅に住むことで、光熱費の削減や快適な住環境の実現といったメリットも期待できます。
2025年建築基準法改正への対応
2025年建築基準法改正に対応するためには、建築業界関係者だけでなく、消費者も早めから準備をしておくことが重要です。
- 建築業界関係者: 省エネ性能の高い住宅や木造建築物の設計・施工に関する知識や技術を習得する必要があります。また、改正内容をしっかりと理解し、顧客への適切なアドバイスを行うことも求められます。
- 消費者: 省エネ性能や木造建築に関する情報を収集し、自分に合った住宅を選ぶことが重要です。また、建築会社や設計士を選ぶ際には、2025年建築基準法改正に対応しているかどうかも確認する必要があります。
2025年建築基準法改正は、日本の建築業界にとって大きな転換点となるものです。関係者全員がしっかりと準備を進め、円滑な施行に向けて取り組んでいくことが重要です。
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