革新論文10
高純度ペロブスカイト前駆体材料(Pbl2)の開発について
1. 概要
ペロブスカイト太陽電池は、高い変換効率と低コスト化の可能性を秘めた次世代太陽電池として注目されています。しかし、従来のペロブスカイト太陽電池は、材料の不純物が原因で効率や安定性に課題がありました。
高純度ペロブスカイト前駆体材料(Pbl2)の開発は、これらの課題を克服し、ペロブスカイト太陽電池の実用化に向けた重要な取り組みです。
2. 開発の背景
従来のペロブスカイト太陽電池は、主に溶液法で製造されています。しかし、溶液法では、材料中に不純物が混入しやすいため、効率や安定性が低下していました。
高純度Pbl2前駆体材料を用いることで、以下のメリットが期待できます。
- 高い変換効率: 不純物が少ないため、キャリアの移動が阻害されず、高い変換効率が実現できます。
- 高い安定性: 不純物が少ないため、光や熱による劣化が抑制され、高い安定性が実現できます。
- 再現性の高い製造: 高純度な材料を用いることで、製造プロセスが安定化し、再現性の高い製造が可能になります。
3. 開発状況
近年、高純度Pbl2前駆体材料の開発が活発に進んでおり、様々な方法が研究されています。
- 物理気相堆積法: 高純度のPbI2蒸気を基板に堆積する方法です。
- 化学気相堆積法: PbI2を含む前駆体ガスを基板に供給し、化学反応によってPbl2を堆積する方法です。
- 溶剤熱法: 高純度のPbI2前駆体と溶剤を混合し、加熱してPbl2を結晶化させる方法です。
これらの方法により、従来の溶液法よりも高純度のPbl2前駆体材料を製造することが可能になっています。
4. 課題
高純度Pbl2前駆体材料の開発は、まだ研究段階であり、以下の課題があります。
- コスト: 高純度な材料は、製造コストが高くなります。
- 製造スケール: 研究室レベルでの製造は可能ですが、大規模な製造はまだ確立されていません。
- 安定性: 高純度な材料であっても、長期的な安定性はまだ確認されていません。
5. 今後の展望
これらの課題を克服するため、様々な研究開発が進められています。
- 低コスト化: より安価な製造方法の開発
- 製造スケールアップ: 大規模な製造プロセス確立
- 安定性向上: 長期的な安定性を確保するための材料改質
これらの研究開発が進むことで、高純度Pbl2前駆体材料を用いた高効率・高安定性ペロブスカイト太陽電池の実現が期待されています。
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