新築物件に引越し直前で「工事がまだ終わっていないので入居日を数日遅らせてくれ」納得できない |  NPO法人日本住宅性能検査協会 建築・不動産ADR総合研究所(AAI)

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#賃貸借契約問題  

 

新築物件に引越し直前で「工事がまだ終わっていないので入居日を数日遅らせてくれ」、 納得できない

<入居不能>

(質問)

新築物件に引越ししようとしたら、直前になって「工事がまだ終わっていないので入居日を数日遅らせてくれ」という連絡が入った。
納得できないので、契約を解約したいのだが、支払った費用はどうなるのでしょうか?

(回答)

借主は、契約金を所定の期日までに納める義務がある一方、家主は、入居予定日には、借主に対して、カギ渡し(物件の引渡し)を行わなければなりません。
ところが、建築工事が完了していないので、物件引渡しができなくなり、契約の実行ができなくなってしまっています。

契約(債務)が予定通り実行できない場合には、次のいろいろなケースがあり、それによって対応も異なります。

まず、「履行不能」、つまり、住むこと自体ができなくなってしまい、契約そのものが実行できなくなってしまった場合には、契約を解除し、損害賠償責任を追及できます。

次に、「履行遅滞」、つまり、住むこと自体ができなくなったわけではなく、相談内容にあるように、「数日遅れる」だけの場合には、いきなり契約解除を行うことはできません。

契約解除ができるのは、相当の期間を設けて、「住めるようにしてくれ」と請求したのに、それでも住めるようにしてくれなかったような場合だけです。
このような場合には、実際に住めるようになるまでの間の宿泊代や荷物の保管代、保管場所からの引越し代などを請求することができます。

ちょっとややこしいのは、「不完全履行」、つまり、カギ渡しを受けて引越はしたものの、内装工事が完全に終了していないために、設備などが全面的には使えないような場合です。


このような場合には、個別の状況に応じて、損害を受けた部分の損害賠償を追及することができますが、実際には、「損害」の算出が難しく、交渉がうまくいかないケースが多いのです。

いずれにしても、相談内容のようなケースで、いきなり契約解除をすれば、法律上は、そのような解除は認められませんので、かえって、家主側からの損害賠償責任さえ追及されかねませんので注意が必要です。

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