本を片付けるのは悩みの種。

これまで大切に読んできた本を

手放すときほど、どうしたらいいか

考えてしまう。

 

比較的最近買った本で、

すぐに手放してもいいなと思える本は、

BOOK-OFFという手もある。

そのことは前に書いた。(→「いざBOOK-OFF」

 

でも、古い本で、

大切にしてきた本の

行き場はほとんどない。

BOOK-OFF以外の

いわゆる「古本屋」というのが

今は本当に少なくなってしまった。

近くで目ぼしいところは無くなってしまった。

図書館に寄贈するにも

10年以内という期限がついている。

 

 

私の手元に歴史関係の本が何冊かある。

 

家永三郎編『日本の歴史』全10巻

(1977年刊 ほるぷ出版)

教科書裁判で有名になった

家永三郎氏が編者となっている。

 

 

教員になって間もない頃に買いそろえた本だろう。

全10巻だけれど、8冊しかない。

1巻と3巻が欠落している。

 

しかし、この『日本の歴史』を

「家永三郎さんの本なら、欲しい」

と、もらってくださる方が見つかった。

こんなに嬉しいことはない。

さっそく、今日全冊をお届けした。

 

 

さらにその方は日本の戦争の歴史にも

関心を持たれているので、

下の本も差し上げることにした。

(押しつけになっていなければいいけれど)

 

 

『図説 昭和の歴史/8 戦争と国民』

(昭和の歴史編集委員会 1980刊 集英社)

 

これはたぶん小学生に日本の戦争について教えたときに、

普通の庶民の生活を、豊富な写真や図で説明している

この本が最適だと思ったのだろう。

大切な資料集であり、今も十分に読まれる価値はある。

 

 

先の『日本の歴史』に関心をもっていただいた方は

この本にも関心を寄せてくださった(と思う)。

 

こんなふうにして、

これまで大切にしていた、

あるいはかつて役に立っていた、

そんな本に興味をもっていただけることは、

大変嬉しいことだ。

 

本は読まずに置いておくだけでは、

それはただのモノ

しかも邪魔なモノに過ぎない。

読んでもらって、役立つときに

生きる。

 

もしも、古い本が

新しく生きるために

もらってもらえるなら、

それがたぶん一番いい方法だろう。

 

このようなチャンスは

極めて稀なことだろう。

でも、またそうしたチャンスがあれば、

逃したくない。

 

これこそがまさに

 

「巡る」

 

こと、そのものだから。

 

顔の見える人から人へ。

手から手へ。

 

それはきっと、今一番大切にしたいこと。