2025年10月のテーマ
「クリスティー関連本」
第四回は、
「名探偵ポワロの華麗なる生涯」
アン・ハート 作、深町眞理子 訳、
晶文社、 1998年発行
です。
この本は、今月おすすめした他のクリスティー関連本とはちょっと違います。
内容は、ずばりポアロの研究書。
クリスティーが生み出した架空の名探偵、エルキュール・ポアロを一人の人物として、研究した本です。
(本のタイトルでは"ポワロ"となっていますが、記事では私のいつも通り"ポアロ"と書かせていただきます。)
彼の人生、性格、事件が起こった年代やその背景となったイギリスの社会変化、探偵術。
さらには、好きなものや場所、親しい友人にそのほかの交友関係まで。
まさにポアロ徹底解剖!といっていい一冊です。
もう何年も前のことですが、この本を図書館で見つけた時、ものすごく興奮したことを覚えています。
だって、シャーロック・ホームズならこの手の本は見たことがあります。
シャーロキアン(ホームズの熱狂的ファンのこと)の団体もありますし、そういった会の会員たちはホームズおよびホームズ作品についての研究論文を発表したりしているとも聞いています。
でも、ポアロの本は初めて!
実際にはポアロの研究書だって他にもあるのかもしれませんが、私はお目にかかったことがありませんでした。
それにやっぱり、ホームズほど多くは研究されていないと思います。(不本意ですが…。)
初めて見つけたポアロ研究書に、ポアロもホームズの領域に達しているような気がしてすごくうれしかったのです。
ちなみに、私のポアロ愛については過去の記事で書かせていただきました。
この本は、内容も装丁もどっしりしています。中は二段組になっていてボリューム満点。私みたいにコアなファン(自称)にはたまらないマニアックな内容になっております。ミステリー研究家向けの専門書みたい…。
装丁も、表紙が赤いバラとポアロの姿、裏表紙には田舎のお屋敷っぽい建物と風景(たぶんクリスティー家族の田舎の邸宅・グリーンウェイだと思います。本で見た写真に似てる。)に美しくセッティングされたテーブル。全体的に深緑~青緑の色で統一感を出してあって、帯は金色。
ポアロのイメージによく合っていると思います。
これが例えばホームズの研究書だったら全然違うデザインになると思う。
何が言いたいかといいますと、
全体的にポアロへの愛!が感じられる
ということです。
正直だいぶボリュームがあるので、私も何度も読むには重いのですが(時間がないなかで他の本も読みたいし)、久しぶりにこの本を手に取ったら欲しくてたまらなくなってしまい、葛藤しています。
(たぶん私以外の家族は読まないので…。)
というわけで、かなりどっしりしたポアロ研究書であるこの本。
ポアロ愛たっぷりでございます。ポアロ好きの同士の皆さん!ぜひともおすすめいたします。(*^▽^*)

