さて、十二月の閑話休題です。
2020年12月のテーマ
「クリスマスにはクリスティーを!(第三弾)」
でおすすめしてまいりました。
今までに三回やっていますが、今回はポアロ物ばかり。
知名度も高い物が出そろってしまいました。
これは別に、「今年はポアロ物でそろえよう。」と意識したわけではなく、毎年その時その時の気分でふと浮かび上がってきた作品を挙げているのですが、今年は不思議とポアロ気分だったようです。
やはり、「ナイルに死す」の映画が楽しみなせいですかね。
私は、数あるミステリーのシリーズの中でもポアロ物が一番好きです。
もちろん、ミス・マープルやホームズ、最近ではBBCのドラマで観たブラウン神父も甲乙つけがたいのですが、やっぱりクリスティーのポアロが頭一つ抜け出しています。
探偵としてキャラクターの魅力といった点では、正直ホームズの方が上かなあと思っていますし、作品としてのトリックの面白さだとか登場人物の心理分析ならミス・マープルに惹かれます。
それでもポアロがいいと思うのは、物語の中のミステリーの部分とメロドラマの部分がどちらも面白く、ポアロが登場人物と会話する中でヒントを見つけてどちらも最終的には解決していくところが二度おいしいと感じてしまうからです。
しかもメロドラマが事件とは無関係な場合もあれば、がっつり関係している場合もありますし、または関係していると思わせてミスリードする役割を果たしていることもあるので、ミステリーを解き明かすうえでなかなかに無視できないのです。
また、ポアロのキャラクターが滑稽なところも愛嬌になっていていいのだと思います。
彼は外見的に特徴のある小男ですし、おしゃれに気を配り、無秩序なものは我慢できない几帳面な男です。
時にはうそをついたり、英語が喋れない外国人のふりをして、相手から情報を聞き出しますし、立ち聞きにも罪悪感を感じません。
自分の頭の良さを自慢する場面もしばしば。
ホームズに比べると、俗物っぽさが目立ちます。決してかっこいい探偵ではない。
けれど、ポアロは騙されない。真犯人を必ず見つけ出す。
他人に滑稽だと思われていても、自分の能力に自信を持っている。
他人の評価は気にするけれども、自分のスタイルを曲げない。
彼の俗っぽいところは、賢さをカムフラージュしていたり、親しみやすさを生んでいたり、かえってプラスに働いていると思います。
ホームズばかりではなく、もっとポアロを取り上げてほしい!
ポアロだっていいキャラしてるぞー!
というわけで、ポアロ愛を叫ばせていただきました。
さて、来月は、
2021年1月のテーマ
「伝記って面白い!」
でおすすめしたいと思います。
子供の頃は伝記ってよく読んでいたのですが、大人になってからは『伝記』と銘打ってある本はあまり読んでいません。
でもノンフィクションの棚に行けば、ある人の生涯を綴った本が何種類もあったりしますし、これっていわゆる伝記じゃないの?と思う本には出会っています。
そこで、そういった本も含めて、おすすめしたいなあと思っています。
読んでいただけたら幸いです。(*^▽^*)