五月の閑話休題です。
2024年5月のテーマ
「動物から学べる本」
でおすすめしてまいりました。
子供の頃に関口宏さんが司会をしていた「わくわく動物ランド」というクイズ番組が好きでよく観ていたせいか、動物の生態に関する本やテレビ番組に惹かれます。
そのため、動物関連の本は自然とそっち方面に偏ってしまうのですが、今月二回目におすすめした動物愛護に関する本を読んでいたら、最近では動物の命と食に関することを描いた漫画が人気になっているなあと思いました。
「ゴールデンカムイ」ではアイヌの人たちが自然と調和しながらその恵みを分け合っていただく様子を、動物を狩ってその命をいただくところから描いていますし、「ダンジョン飯」という漫画では、ダンジョンにもぐりながら魔物を調理して食べる中で生態系について考えたり、未知の食材をどのように調理すれば食べられるのか考えたりしています(「ゴールデンカムイ」同様に本筋は別にあります。)。
「ダンジョン飯」に関しては、現在アニメが放送しているものの(もうすぐシーズンが終わりますが)、私の周りでは見ている人が少なく、上記のようなあらましを話すとドン引きされてしまうこともあるのですが、決してゲテモノ食いをどうこう言う漫画ではないし、絵柄もかわいらしいです。
大好きな漫画なので、そのうち記事に書くかもしれません。
こうしたエンタメを通して、食と命について皆が自分なりに考えていってくれるといいなあと思います。
想像力の欠如は、つまるところ自分さえよければよいという行動につながりかねないと思っていますので…。
さて、この辺りでタイトルの『「劇場版 鬼平犯科帳 血闘」を観てきました!』の話にまいりたいと思います。
私は池波正太郎さんの小説が好きで、これまでにブログで書いたこともありますが、自分の中ランキングとしては、
1位 剣客商売
2位 鬼平犯科帳
3位 雲霧仁左衛門
がトップスリーです。
(2位と3位は時によって順位の入れ替わりもあり。)
この三作品はテレビドラマ化も何度もされているので、小説のイメージにドラマのイメージがのっかっていて、さらに魅力を高めていることも関係していると思います。
「鬼平犯科帳」の場合、私が観ていたドラマは二代目中村吉右衛門さんが長谷川平蔵を演じられており、オープニング・エンディングの音楽までカッコよくて、今でもすごく印象に残っています。
今月公開になった「劇場版 鬼平犯科帳 血闘」では長谷川平蔵を十代目松本幸四郎さんが演じておられます。
最近は時代劇のドラマをあまりチェックしていないので、劇場版が「鬼平犯科帳」新キャストの二作目であり、一作目はスペシャルドラマとして「本所桜屋敷」が放映されていたことを知りませんでした。
正直、時代劇のジャンルから興味が逸れていたこともあるし、長谷川平蔵は中村吉右衛門さんが最高!などという思い込みもあって、当初は観に行く予定ではなかったのですが、過去作品を賛美しがちな私に対して常に時代のアップデートを促してくる夫と共に観に行くことになりました。
結果として、良かった!
当たり前かもしれないけれど、以前とはオープニング・エンディングの音楽が変わってしまっていたので、そこはちょっとがっかり。(だってすごく好きだったから。鬼平のイメージはもうあの曲だったから。)
長谷川平蔵役の松本幸四郎さんの声が中村吉右衛門さんが演じていらっしゃった頃の声に似ていてびっくり。
相模の彦十役の火野正平さんがいぶし銀!(若い頃から時代劇で見る火野正平さんが好きでした。)
殺陣のシーンが時代劇全盛期を彷彿とさせてワクワクした。(夫はもうちょっと今風の表現にしても良かったのではと言ってましたが…。)
それから、何といっても物語の緊迫感と言いますか…「鬼平犯科帳」って、扱う事件が重いというか、凄惨なことを平気でやってのける悪人たち(しかも集団)が出てくる頻度が「剣客商売」に比べて多いので、そこが私の個人ランキングに反映されてしまうんですけど、ストーリーが重いイメージがあります。
世の中の理不尽さ、悪、踏みつけにされる人々…。
鬼平は、弱い人々を悪から守るために自ら悪人たちに恐れられるほど情け容赦なく立ち向かう。
それはスカッとするお話などではなくて、とてつもない覚悟の物語だという気がします。
映画では、そういう「鬼平犯科帳」が持つ"重さ"を十分表現されていたと思います。
それでいて、物語が暗いばかりにならないのは、長谷川平蔵が時折見せる昔の顔。"本所の銕(てつ)"だった頃の伝法な口調で身分なぞ関係なく話しかけるときの本音の言葉が暖かく、悪を憎むときの厳しい顔とは好対照のチャーミングさを見せてくれるから。
残念ながらこの"チャーミングな長谷川平蔵"に関しては、私は中村吉右衛門さんに軍配をあげました。…今のところ。
今回のお話はかなり重くて、チャーミングな長谷川平蔵のシーンが少なかったのが一因かとも思います。
私としては、もう少し軽いタッチのお話も観てみたいところですが、一時間ドラマではなくスペシャルや映画となると、それはちょっと難しいのかな~。
(個人的には「大川の隠居」という短編小説がすごく好き。)
ちなみに、新キャストの「鬼平犯科帳」は時代劇専門チャンネルで連続シリーズが放映されるらしく、契約していない私はそのうちどこかで観られるようになるのを期待しつつ、小説読み返そうかどうか迷っております。他の積読に取り掛かったばかりなので。
では、そろそろ来月のテーマとまいりましょう。
2024年6月のテーマ
「暮らしを見直したくなる本」
でおすすめしていきたいと思います。
小説を読んでいて、主人公の生活にあこがれたり、こんな習慣取り入れてみたいと思ったり、突如片付けやお料理に興味を持ったり…そんなことありませんか?
私はあります。すぐに影響されてしまうので…。
特に、日常を丁寧に描いてある小説は、自分が心地良いと感じると、本筋の物語が好きかどうかにはかかわらず、何度も読んでしまったりします。
そうした本(小説)をおすすめしていきたいと思います。
興味がありましたら覗いた頂けると嬉しいです。(*^▽^*)