もう四月になってしまってだいぶ経ちましたが、三月の「閑話休題」です。
2019年3月のテーマ
「心揺れる季節、青春小説にふれよう」
年度末で思ったよりバタバタしてしまって、三作しかおすすめできませんでしたが、青春小説って、
①何かに夢中になって頑張っている少年少女の話
②悩みごとを抱えて苦しんでいる少年少女の話
③初恋や三角関係、モテモテ女子(男子)なんかのバリバリの恋愛物
みたいな作品が多いような気がしています。
③は私的には恋愛小説に分類しているので、今はあまり読まなくなっていて話せる材料が何もないのですが、ティーンエイジャーの憧れる恋愛物ということで、すごく理想化されたむねきゅん恋愛物を想定していると思ってください。
(いやー、おばさんっていやーねー。)(^▽^)>゛゛
とにかく、青春っていう言葉の指す時期の人ってものは、人間として若く未熟な反面、"大人に近づく階段を上っている"といった、未来に向けての期待や不安が入り混じった状態であると思います。
子供の頃は自分だけの力でできなかったことを、人の手を借りずに一人でやれるように頑張る時期でもあり、「初めて」のことがたくさんあって、楽しいことはよりキラキラとしてみえ、つらいことはより苦しく感じる。そんな時期じゃないかな。
だから主人公が青春期で、一人称で書かれた小説には、上にも書いた①~③みたいなお話が多いのかなと思います。主人公目線なんですから。
そのせいか、大人になってから、あまり青春小説を読まなくなっていました。どこか一歩引いて読んでしまう自分がいる。夢中になれない。人間、「現在」の自分の状態に一番興味がありますから。振り返ってばかりはいられないわけです。
でも、少し前に夏目漱石の「三四郎」を読みました。
「三四郎」は大学に入った三四郎青年が主人公の青春小説です。時代が今と違うというのもありますが、感情移入しすぎずに読んでも、青春小説って楽しめるんだなとそのときに感じたんです。それから、読者を青春期の人だけに想定されたのではない青春小説もたくさんあるということに気づきました。第三回におすすめした「グラスハート」はティーンズ向けの文庫なので明らかに読者層を絞った読み物ですが、その他の作品は大人が読んでも十分面白い。おすすめしたいと思いました。
たまには日常を離れて、青春小説の世界で主人公と一緒に青春してみるのも悪くないんじゃないかなと思います。
それでは、次回は
2019年4月のテーマ
「動物が好きになるかもな本」
でおすすめしたいと思います。
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