最近、菌ちゃん農法がしばしばインターネットに登場する。
畑の中に有機物である植物を埋め込み、細菌の働きにより発酵させた後作物を栽培するらしい。
多くの作物が地中細菌と共生関係にある事から、その農法に過ちはないのだろう。
ただし、
有機物の発酵・分解の過程では、作物に有害になるリスクも隠れている。
例えば、
有機物である落ち葉を集めて地中に埋設した場合、カブトムシやカナブンと言った昆虫が卵を産み付ける事がある。
カナブンの幼虫が里芋などの作物の地下部位を傷つける可能性があり、トラブルの原因になるリスクが存在する。

古来からの農法ではそのリスクを回避する為に、落ち葉や枯れ草を肥料にする際には、畑の脇等で保管して発酵・分解が進んだ物を肥料として使う様にしている。
菌ちゃん農法は有機物の分解により得られた養分だけでなく、細菌自体の有効性を利用しようとしていると思われるのである程度のリスクは仕方ないのかも知れない。

地中の細菌群の詳細を知るのは難しく、その土地の条件により大きく変化するので、同じ作業をしても全く同じ細菌群には出来ない。
例えば、
多くの植物は特定の菌類と共生関係に在り、多様な落ち葉が堆積する場所では数多くの種類の菌類が存在する。
ブドウの実を潰した汁を保管するとワインに成るのは、ブドウと共生する細菌の働きによるものだ。
落ち葉が大量に堆積する山中であっても、そこに存在する菌類は異なっており、中にはその地域に限られた菌も存在する。
地中の細菌群も同様で、元々その地域に存在した菌類が居るので、同じ作業をしたからと言って同じ細菌群が育たない。
似た環境に出来れば、そこそこの結果が得られるので問題は無いかも知れない。

そもそも、
自分が管理する畑にも優れた菌類が存在しているので、それらの菌類のエサになる有機物を入れれば、畑自体は作物が育つ環境に出来ると思う。
同じ畑であっても作物が好む土質が異なるので、畑の管理も重要だが、作物に関しての理解を深めるのも必要だろう。
良く聞く誤解が、
自然の作物なので、自然に任せるのが理想だと言う主張だ。
現在栽培される多くの作物の原産地は日本ではない。
元々、日本とは全く異なる環境で進化した植物である作物を、そのまま日本の環境の中で育てて良い結果に成る訳がない。
南国の植物であるバナナを、北海道で自然任せに栽培して良い結果がでないのは想像出来るだろう。
リンゴは日本よりも緯度の高い地域が原産だと思うが、日本の高温・多湿の条件下では栽培が難しいだろう。 
まして、
生食用に品種改良されたフジであればなおさらで、自然に近い状態で栽培するなら原種に近い紅玉等の栽培をするべきだろう。
生食としては食感が硬くて酸味も強い紅玉だが、加熱した場合の存在感は強くその方面での需要は高い。