こちらの記事の続きです。
父への報告が終わったころ、用事を終えた母が戻ってきた。
父は部屋から出て行った。
「お母さん、話があるんだけど。」
「は?なに??」
すでにイライラしている模様
でも、いま話さなきゃチャンスはない!
「あのね・・・退職しようと思ってるの。」
「はぁ?!何考えてるの?!・・・はぁ・・・
お母さんには何が何だかわからないよ・・・やめた後どうするつもりなの・・・」
「今から説明するから、聞いてくれる?」
退職する理由と今後のことを説明する私。
母はおでこに手を当てて、時折ため息を吐きながら聞いている。
「・・・ということなんだけど、いいかな??」
「いいも何も決めちゃったんでしょ?!はぁ・・・」
「職場に言うのはこれからだよ。
お父さんにもお母さんにも猛反対されたら考え直そうとも思ってるよ。」
「なにも辞めることないじゃない…子育てが大変ならお母さんが助けに行くんだし…どこかにお勤めしないで自分で仕事をやるだなんて考えられない……」
母の心配する気持ちもわかる。
今の仕事を続けていれば、お金の面では安定だ。
子供の急な発熱などで休むようなことがあってもクビになるわけではない。
病気になろうが、周りに迷惑かけようが、図太く必死にしがみついていれば生活に困ることはないだろう。
でもね、今までそうしてきて、私も家族も壊れそうになったことが何度もあったよ。
何度も葛藤しながら戦ってきたんだよ。
お母さんには、その時の辛さは本当にはわからないだろうけどさ。
それにね、私はお金がもらえれば、なんだって良いわけじゃない。
私は過去の仕事で、たくさんの赤ちゃんの命を奪ってきた。
その罪滅ぼしの気持ちもあって生きているんだよ。
自分の納得できる罪滅ぼしをする。
今のそれが
「カウンセラーになって人の心を救うこと」。
過去に助けられなかった命の代わりに、今ある命がなくならないように守りたいの。
そんな私が考え抜いて決めた道が、
「退職してカウンセラーになること」。
家で仕事をするから家族と接する時間も増える。
自分のやりたいこともできる。
今の状況では、それが最善だと思ってるの。
そんな夢物語で生活していけると思っているのかって??
それは、どうにかするんだよ。
何事もやってみなくちゃわからない。
何も始まらない。
一歩踏み出さなくちゃ、何も変わらないよ。
罪滅ぼしの話は話しにくいことなので出来なかったけれど、
家族と仕事の両立のことは、よくよく説明した。
それでも母は
「自営業なんて上手くいくはずがない!どこかの会社とか病院にでも就職したらどうなの?!
はぁ…こんなんじゃ、もらえる年金が減るよ!
貯金だって出来るかわからない!
惨めな老後を送るんだね!
好きにしな!!」
どうしてそう決めつけるの?!
私は言い返したくてたまらなかった。
でも、この頑固な母には何を言っても通用しないだろうと思いグッと諦めた。
「惨めってなんなの・・・・」
私の心には大きな陰りができたが、「好きにしな!」=認めたとみなし、「両親に退職を了承してもらう」という目標は達成したので、退いた。