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京都・寺町通 テーラーハタノの仕事

1906年(明治39年)創業のビスポークテーラーです。

こんにちわ、先日生地を秋冬物に入れ替えていた所
面白いジャケット地が出て来ました。
















写真の生地はその内の一部ですが目付が高くて
400g位はありそうです、勿論ビンテージ生地になりますが張りと腰
が有りながら柔らかさも併せ持っています。

ちょっと荒めの2重になったチョークストライプが面白いと思いますね、
シングルでもダブルブレストでも合わすことが出来ます、
それにこのような柄は着る方によって随分雰囲気が違って
きますのでコーディネイを考えるのも楽しいと思います。
これから服を着るには本格的な秋~冬になってきて
一年中で最も着ることが楽しい季節になって来ます、
ですので自分用の服も入れ替え中です。
皆様こんにちわ、タイトルが専門用語で聞き慣れない方も多い
と思いますがオーダー業界の採寸の方法を今回は書こうと思います。

この2つの採寸方は大きく異なり、出来上がりにもかなり違い
が出てきます、ただしそれも取扱者の技術レベルによって大きく違いますが。

まず後者のロングメジャーですがこれは比較的新しい採寸方法
で広く知られている採寸箇所になります、例えば
身長、ヒップ、ウエスト、チェスト等、縦と横を主に測る
方法で2次元的に寸法を捕らえます。
あとは採寸した寸法を割出法にもとずいて数値を割出して
当てはめて行きますので比較的扱いやすく
ショーとメジャーに比べて手間と時間が掛からない
のが特徴です。
ですので既製品やパターンオーダー、イージーオーダー等
の大多数はこのロングメジャーを採用しているようです。
この方法のデメリットとしては2次元的に捕らえる為に着る方の体の癖を
服に反映しにくい所があります、これは仮縫いを付けても
癖取りは難しいと考えられます。

これに対してショートメジャーは昔からテーラーの伝統的採寸方法
ですがこれを取り入れている店は現在非常に少なくなったようです。

理由としては時間と手間が掛かりロングメジャーに比べて
難易度が高いため技術の後継者不足になり使いこなせる
人が減った為と思われます。
また手間と時間が掛かることでコストも上る為に
最近増えてきましたのローコストなオーダー服には
使えない理由もあります。
しかしこれらを抜きにすれば、これに勝る採寸法は今の所
考えられないと思います。

ロングメジャーよりも採寸箇所をはるかに多く採寸して
着る方の体を3次元的に立体に捕らえ、それを元に
体型の補正をして服の型紙に反映させますので
着心地とバランスを最適に調整することが出来ます。

つまりロングメジャーとショーとメジャーの大きな違いは
服創りに於いて立体的にとらえるか、そうでないかに掛かってくると言えるでしょう。
人間の体は殆どが左右非対称で個人により凹凸の違いやうつむいたり
反ったりの癖があります、
これに合わせて尚且つ美しい服を作る事には
本場ヨーロッパでは昔から心血を注いできました、
特にイタリアではこの考えと技術レベルが進んでいると思えます。
これに見習い我々日本のテーラーもこれを追求し続けています。

そしてこの作業には依頼主の好みや流行、
新しい技術が盛り込む事によって完成度が高くて着る方とってに最適な
服が実現します。
もし今着ている服がどこか気になるようでしたら購入されたお店で
一度採寸方法を聞かれたら如何でしょう?
もしかしたらこれが原因かもしれません。

勿論テーラーハタノはマシーンを使うオーダーに於いても
ショートメジャーを使用しています、服を作る際には他にも重要な
要素は山のように有りますが、これからも
このショーとメジャーを使って様々な体型の方にベストな服作り
を挑戦していきたいと思っています。




皆様こんにちは、本日から秋冬向きカチョッポリ のスーツ地、ジャケット地及び
コート地の見本を新たに追加しました。 
ナポリの最大の生地マーチャント、カチョッポリは

サキソニー、フラノ、ウース、ツイード各種、カシミア、コットン、カバーコート地
などあらゆる素材を集めています。

特徴的なのが豊富な色柄と比較的肉厚のある
重さのある生地が多いので存在感の有る風合いの服になるでしょう。

また面白い柄生地も多いので服を趣味にしている

人には特に向いているかもしれませんね。


テーラーハタノではこの他にも新しく秋冬生地を多数入荷しましたので

宜しければご一見を。



皆さんこんにちは、暑い毎日で衣替えままだ早いでしょうが
秋はすぐそこに見えてきました、今日もテーラー服作りの現場の情熱をお伝えしたく
前回に続き3回目になるテーラーハタノの仕立て工房をご紹介致します。
早速ですがここの工房では仮縫いが後わった直後から完成直前までの
本縫いを十数人によって分業しています。

一つ一つの作業のクオリティを最大まで高めている為
一つの工程に手間と時間が掛かります、その為に
全ての作業工程がこの工房だけではまかない切れませんので
生地の裁断、仮縫い、ズボンの本縫製や裏地の止め加工等
他に沢山有る加工はこの工房の近くにある各専門工房により
製作されています。

それだけの人と分業により能率を上げても、上着に於いては
日産で最大7着程度だそうです。



















日々の長時間における作業は大変な集中力を要求されますが、
ここの職人さんは服作りに誇りと信念を持っておられました、
上写真の奥の方で右のベテランの方が左の若い女性に付っきり
で指導され若手の育成にも力を入れてい風景からもそれが伺えます。
手前の方は陰に隠れて見えにくいですが上襟の部分の
製作中で、生地をかなり変形させるのに4気圧のボイラー
を備えた特殊なアイロンを使用しています、
そのボイラーの支柱が右手のハンガーの横に立っています。


















最後の仕上げのアイロンでのプレス中です。

この作業も8気圧という特殊なアイロンでプレスし、ベテランの方が

左の若手に指導されていました。

窓枠に沿ってその蒸気アイロンの配管がありますので

付近はかなり暑そうで机の下にも扇風機があります。

上の方はサウナ状態のようでした、職人さんご苦労様です。


プレス機は他にも袖や前身専用の機械がありましたが

細部の膨らみやカーブを美しく出す為、基本的には

手でアイロンがけをするそうです。

それと生地は湿度や温度に影響され収縮を繰り返します、

まるで生き物のようなので、手の感覚により整える事が大事と言えるでしょう。

技術の習得には長年の時間が掛かると思いますが

私はこのような熱心に取り組まれている職人さんを

ずっと応援し続けたいと思います。


また沢山あるオーダー服の中で一言で良いお仕立てと言っても

どのような服なのか?、テーラーハタノはそこに裏付けされている

根拠が必要と考えます。

いい素材に熟練されながらも進化し続ける

技術と情熱を持った職人が揃い、そこに私共テーラーが

依頼主からお受けした要素を的確にお伝えすることが

良いお仕立になると考えています。




前回に続きハンドメードの工房の作業風景です。
一般の方はあまり見慣れない風景とは思いますが
ここから2つと無い着る方だけに合った洋服が出来上がってきます。
したがって縫製中もミリ単位の正確さと熟練された
感性が必要で、当然ながら職人さんも非常に集中して作業されていました。
その為、邪魔にならないように撮った為に、

あまり良いアングルから撮れなかった写真もありました
のでどうかご容赦下さい、その分ご説明でカバーしようと思います。

またこの工房では将来的に変化して行くデザインの
服を製作されることはあるでしょうか?と工場側に質問したところ
いつまでもハンドの良さを追求し、着易くて質の高い縫製に
こだわる為に特に基本的な仕立て法は変更はしませんとの事でした。


つまり流行を追ったデザイン変更や表面的に見た目だけの
格好良さを取り入れるのではなく
本来ハンドメードオーダーの持っている良さをずっと残して行きたい
と工房の責任者は語っておられました。
このことは私の持っているテーラーとしての考えとも
同じでした、手間や時間の掛かる手縫いの仕事は
合理性を追求した時代と共に減っていっているけれども
僅かながらでも本質的にいい物は残していこうと共感できたことが

大変嬉しかったです。
















そのように心血を注いでいる職人さんの仕事ぶりを見れたことは

私も刺激を受けました。上写真の仕事は付属と言われるポケットの

フラップや胸ポケットの口布を作っている所です。

この付属を前身に取り付けて形にしていきます。


















上写真は上着の身頃に芯地を仮止めしている所ですが、この裏に隠れている芯地

が良い服になる秘密を抱えております。

この工房で作られているミラノスタイルフィレンツェスタイル

のお仕立ては胸から裾にかけて使用している特殊な芯地は縦にだけ伸縮性が

ある事により体のラインに良く馴染ませる事が出来ます。

更に肩の部分に入っている芯地も極限まで薄くて非常に張りが有ります。

これらは立体的で美しい張りのある肩から裾にかけてのラインを

出すことには必要な付属品となります。


この服に使われている特殊な芯地はイタリアから日本へ、

この工房だけに原材料を配給されている工場

で馬の尻毛を特殊な繊維に混ぜて作られているそうです。

お仕立て技術同様にここにも着易くて美しいシルエットを

着続けられる配慮がなされています。


















上は若手の職人さんの作業写真です、ここでも熟練者の丁寧な指導

との真剣なやりとりがされていました。

こちらも仮止めの場面ですがいずれは更に難易度の高い仕事を

されるでしょう、ちなみに服を着易くする為には後身の肩の部分を

通常は1.5倍いせ込みと言われるアイロンワークを施しますが

このお仕立ては2倍いせ込みます、しかし反面いせ込み量が多いほど

生地に皺等が出やすくなります。


それを解決するにはここにも熟練された技術と

蓄積されたノウハウが必要になってきます、

一見すると分かりにくい所ではありますが

マシーンは勿論、普通の手作業でも出来ませんので

他には無い大切な技術として残して行きたいと願っています。

次回は襟芯作りやプレス等をご紹介したいと思います。

先日お伝えしましたテーラーハタノから縫製を依頼している工房を訪問してきました、
テーラーハタノのミラノスタイルフィレンツェスタイル高級オーダー
紳士服
はこの工房で作られています。
ラッキーな事に工房から写真掲載の許可を取れましたので
2,3回位に分けて掲載しようと思いますので宜しくお願い致します。

初めて見る方は雑然とした感じを受けられるでしょうが、
広い室内に沢山ある作業台、その上に置かれたアイロンや
縫製用の糸からここにしかない熟練された技術と
時間を使って作られる洋服に興味を惹きつけられます。


















ハンドメードオーダーの職人さんは高齢化していると言われていますが
今年から若い方もこの工房に8人程入られたようですので先々が頼もしいですね。
この工房では一人が縫い上げるのではなく
袖なら袖部分の縫製を担当等、各パーツが分業制になって
います、工房側のお話ではこのシステムの方が早く熟練度
が増してより煮詰められた服が出来るそうです。
同じ箇所を繰り返して縫製している訳ですから
技術の進歩にも早く対応できますね。
















上写真は仮縫いが終って服の各パーツをバラして
補正している段階です。
仮縫いと補正は一体した作業でオーダー服に於いては
重要な作業になります、まず仮縫い服をお客様に
着て頂き合っていない部分の寸法のチェックや
シルエットの修正を確認して
それを上写真のパーツに縫製箇所の線をひき直す事により
着る方に合った寸法がここで出来上がります。
















上写真は本縫製の段階で上着の前身に胸ポケットを作っている場面です。
地味な作業ですが胸のカーブに合わせる為に、手作業でしか出来ない
熟練された感覚が必要で、何気ないこの作業にも
長年熟成されたイタリアの縫製技術が入っています。

この光景を目にしているとハンドメードの大切さを
再び認識して頂けるように広めていく必要性が
ひしひしと沸いてきましたし、少ないながら未来に残していくべきとも思えました。
それにマシーンメードやパターンオーダーとは違う本当の
オーダーの良さを実感するにはやはり技術的に
制限の無いハンドメードに限りますね、
次回は身頃の製作風景等をご紹介したいと考えています。
いつもテーラーハタノが特に気に入ってハンドメードの縫製をお願いしている
北九州にある縫製工房を来週の初めに訪問してこようと思います。

実際縫製をしている職人さんの技術は、出来上がりの服を我々テーラーが見れば
直ぐに分かりますがその工程や手さばきを
見て、出来れば説明や考え等も聞きたいですね。
また実際に職人さんに会っておくとその方の仕立ての特徴をつかめて
、ご注文の際により細かくご提案やご要望をお受けすることが出来ると
考えています。

最近は若い職人さんも増えたとの事で益々発展性のある
縫製を期待出来ますが、向こうの時間が許せば色々と意見交換等
してこようと楽しみにしています。
それと少し難しいかもしれませんが(企業秘密の部分もありますので)
製作風景等の写真も工房側の許可
が取れれば是非このブログにUPして見て頂きたいと思っていますが?
少しでも良い場面の写真を見て頂けるように交渉してきます。

※店は通常通り営業しております。

先日イタリアの名門マーチャント、カチョッポリ の新作秋冬シャツ地を
入荷しました。
ツイル、オックスフォード、パナマ等の生地の種類とイタリア、英国、
スイスの織元メーカーが混在したバンチ見本になっています。
全体的には色柄が明るく抜けきった様なトーンで
どれも優れた素材感とイタリアらしい発色性がありますね。

一つ一つの生地の織元のメーカーは表記してありませんが
生地は着る人のお好みで選ぶ事になりますので
その必要は無いでしょう、またそこにこのマーチャント
の自信を持って選び抜いたセンスが感じ取れると思います。


先シーズンの春から入ってきました100%天然ウールの
ストレッチ生地が今年の春夏はご好評を頂いております。

理由は通常のサマーキッドモヘア生地の長所に
柔らかい風合いを加えて伸縮性をプラスし、日本の夏に向い
ている事と、これらの実用性の他に
イタリアらしく発色性の良さも併せ持っています。

今までのストレッチ生地はライクラ等、化学繊維を配合した生地が
出回っていました、この長年の間に回数を重ねて着ると伸びきって
しまう恐れがありましたが、今回の生地はこの欠点を
補うことが出来ました。




 









上写真の生地はイタリアのエストラート社製、
モヘア混紡のストレッチ生地ですので、張りと防皺性、清涼性を持ち
通常の生地に於いてタイト気味のスーツににすると
体の動きが若干制限される場合でも良く馴染んで追従してくれます。
特に良く動く方や、出張の多い方に向いているでしょう。

配色は現在では無地の濃紺、チャコールグレー、ライトグレー、
黒ですが今後柄入りの生地も出る事を是非期待しています。
また同じ天然ウール100%のストレッチ生地で秋冬生地を
近日中に入荷予定をしております。
先日は着用しないシーズンの間に
長年お付き合い頂いておりますお客様から15年前に作られたカシミアの
ロングコートのリフォームをお受けしました。



















写真のコートはリフォーム後ですが、元はロングコートだった丈を
7分丈にカットして、その部分の余った生地で
腰のハコポケをフラップ付きパッチポケットにしました。

写真はフラッシュを使ったので色が少し飛んでしまいましたが
見事にモスグリーンの軽快なコートに生まれ変わりました。
オーダー服の中でも特にハンドで作られた服は
再加工出来る生地の余地を残していますので、注文当時には
考えもしなかったリフォームが可能になります。
そのような意味も含めてオーダー服は
長年の変化にも対応出来る服と言えるでしょうね。

もし以前作った服で着なくなったり、デザインが気に入らなく
なったりした服をお持ちであればリフォーム出来るかもしれませんので
一度テーラー等に相談されては如何でしょうか!
もちろんテーラハタノ でもお受けしています。