京都・寺町通 テーラーハタノの仕事 -20ページ目

京都・寺町通 テーラーハタノの仕事

1906年(明治39年)創業のビスポークテーラーです。

先日お知らせさせて頂きましたテーラーハタノによる
東京展示会の会場と開催日時を決定致しましたので
お知らせさせて頂きます。
初めてではありますが皆様とお会い出きることを楽しみに致しております、
ご招待状などは不要ですのでお気軽にお立ち寄り下さい。

※開催場所と日時

日時 
'08年5月24日(土) AM10:30~PM7:00
'08年5月25日(日) AM10:00~PM7:00

会場名
aoyama401

所在地
〒150ー0002 東京都渋谷区渋谷2ー5ー9 パル青山ビル4階

渋谷駅東口または地下鉄表参道駅より徒歩10分。 青山通り中央、
スターバックスコーヒーの角より直進150m。

会場マップはこちら Googleマップ

お車でのご来場マップ  コインパーキングが2台分ございます。

※訂正 ご案内の地図ではビル1Fは韓国食堂「アギデジ」になっていますが
      現在は韓国料理「バク」になっています。 
      (再び訂正でお手数お掛けしますが先日タイ料理から韓国料理に変ったそうです)


展示会内容
ご提案させて頂く服は春夏物を中心にお持ちさせて頂く予定です。
特に夏物では当店で近年ご好評を頂いています、ご家庭でまるごと水洗いをして頂ける
麻のスーツ及びジャケット も現物見本を展示させていただく予定です。

また秋冬物ですが当店オリジナルのインバネスコート の展示も
予定しております。

※お持ちする生地

英国
EdwinWoodhouse, HarrisonsOF Edinburgh, Porter&Harding, Schofield&Smith
Gimtex, InnesChamberes, BatemanOgden, Eurotex, J&JMinnis, Martinsons

イタリア
Guabello, FINTES, Caccioppoli, DRAPERS, Ariston's

現物生地もテーラー用の品質の良い生地を多数お持ちいたします、また価値の有るビンテージ生地
(ドーメルスーパーブリオ等)も数多く見て頂こうとご用意いたしております。
秋冬物の生地も一部ご用意しようと考えていますが、生地等に関する
ご希望やご要望等がございましたらご一報頂ければ幸いです。
またクレジットカードは各種お使い頂けます。

ご予約
ご予約に関しては特に必要ございませんが、ご予約頂いた方から
優先して対応させて頂こうと考えております、
また当日は会場専用の電話がありますので
こちらにご連絡頂いても結構ですので宜しくお願い致します。


E-mail email@tailorhatano.jp

TEL&FAX 075-231-4243

aoyama401当日専用電話 03ー5467ー8899




※追記(仮縫いについて)
当店は全てのお仕立てには仮縫いをお付けさせて頂いております。
仮縫いの日程はご注文を頂いてから1ヶ月から1.5ヶ月後に考えています、
正確には会場の都合と
皆様のご希望の日をお聞きしてから決定しようと思います。
なお会場は上記と同じ場所に予定しています。







 
 

皆様こんにちは、今回は先日納品をさせていただきましたS様の
タイトでボリュームをつけたダブルスーツをご紹介いたします。

下写真のようにウエストを絞り胸にボリュームを持たせ、
ヒップ周りもタイト気味にしましたスーツの上着は
見た目にも身長を高く見せる為に調整しました。

写真から見ても胸周りが前面に押し出されるような立体感があると思います、
S様の体型は既成サイズに当てはめるとB体に近い体型ですが
何回かの補正を重ねてお好みの理想的なシルエットに作り上げる事が出来ました。
またディテールポイントは襟のゴージセンを高めにとラペルの巾
をやや広めにする事により見た目の目線トを
上に持ってくる事で胸の立体感との相乗効果を出しています。

私も度々魅力的で惹かれるような美しい服とは何かとは考え
させられますが、今の所答えはバランスの取れた立体的な
服と考えています、それと着る方の体型のマイナスポイントを
上手くカバー出来る服も大切な要素と言えます。
特に上着には良く目につきますから重要でしょう。
細部のディテールは着る方のお好みに合わせればその方の
個性的な服が出来上がると思います。



よくテーラー業界ではバランスの良い服
悪い服と言うような表現のしかたをします,
分かり易く簡単に言いますと体に沿った美しい服と言う
表現が当てはまると思いますが着易さにもつながります。
このバランスの取り方がオーダー服にとって最もも重要なポイントに
なりますので今回は写真を見ながらそれを具体的に説明させて頂きます。

下写真のA様は以前お作りした夏服を着て来店され時に
撮らせて頂きました。

上半身だけを良く見ると少し後に反身体(反っておられる事)である事が
この画像からも分かります、ごく自然体に見える
この服も胸から前の裾にかけて体のラインに沿うように仕立ています。
この体のラインに沿うようにするにはテーラーハタノでは
仮縫いまたは仮縫い後の補正の作業で調節します。

上半身がが反っているので左の矢印線の前身の距離
の方が右の矢印線の後身の距離よりも長く取ることにより
前後の距離が均等になりバランスが取れます。
当たり前のように思えるこのような調整作業ですが
上手く調整しないと前の裾がはねたり吊り上ったりします、

もちろん他の箇所も同時に調整が必要でありますが
その仕上がり具合はテーラーにより差が出る所でしょう。
オーダーされる際に丈や周りの具合と同時にこのような
仕上がりにもチェックをされたらいい服が出来ると思います。

主にこのような事を私共は服のバランスと呼んでいますが
既成服ではこのような事を考慮は出来ませんし
パターンオーダーやイ-ジーオーダーでも考慮して
調整しているかは難しいと思われます。
調整には経験による感が必要で、元々はテーラーが得意としていた技術です。
フルオーダーだけが実現できた、
あらゆる体型に格好良くそして何より着易い
服作りに於いて大切な要素あると考えています。




皆様こんにちは、懐かしい生地の今回からは春夏物で
ご紹介して行きたいと思っていますので宜しくお願い致します。

生地の織元ミノバは他社には無い拘りとオリジナル性のある
生地作りをしていました、そして現在も様々な生地を織続けています。
元々英国ヨークシャーに古くから創業していましたが、英国の
伝統的技術と当時の日本のキメ細かい経営手法を取り入れて
80年代初頭にはメキメキと頭角を現してきました。

 当時英国屈指のデザイナーによりミノバ独自の
 オリジナルのある生地を開発していました。
 
 特に日本向けには細番手強撚糸使いの
 盛夏用生地は人気があったようで
 ミノバ独自の特殊商品として好評を得ていたようです。

 当社の目指していた各市場別に、既成概念に
 とらわれない品質や色柄及び適正な価格による
 物作りを主眼としたプロジェクトチームにより製品化されており  
 主な輸出先はヨーロッパ各国、北米及び日本でした。


 ※ビンテージ初夏用ミノバ生地、当店のストック分。


















写真上段は細番手強撚糸使いの盛夏用ジャケット地、下段は
ウールモヘアの春夏用スーツ地になります。
 
このジャケット地は高温多湿な日本を意識して作られたと思います、
かなり目が粗く写真のように透けますが
その効果で通気性が良くて清涼性は抜群、
仕立てる際には裏地を総裏にすれば透ける事を防止できます。

またより通気性の良い背抜き仕様にすると当然後から見ると
透けますが同色系のシャツを着ると少しカモフラージュ出来るでしょう、
この仕様によるお好みは別として、見た目も涼しげな感じで、
ジャケットらしからぬシャツのような軽い着心地に
凹凸のある織柄も季節感を押し出しているようです。















今年の秋からテーラーハタノではベストのご注文が増えております。
上着の下に重ね着をしても動き易く、同時に保温性があるので
お洒落で合理性がある服と思えます。

着方も様々で゛3ツ揃えのスーツとして゛、゛シャツの上にベスト単体で゛、
゛ジャケットとベストの組み合わせで゛やビリヤードの選手や
バーのマスター等も着ている所を良く目にします。

一例ですが一般的に3ツ揃えのスーツで着る場合はベストの裾から
ベルトが見えなくてすっきりとさせる為にサスペンダーを使うスタイルもお奨めです。

下写真のようにやや股上を深くしたパンツをサスペンダーで
吊ります、写っているアルバート・サーストン(England)のサスペンダーは
太めで剛性感があるので吊った時の安定性が良いのが特徴、
このメーカーはフェルトの材料を使ったサスペンダーも作っています。
英国ではこのフェルトの方が主流なようで伸縮性が無い為に方に掛かる負担が
少ない良さがあります。

またパンツにサスペンダー用のボタンを付けると接続部が革のアーチ状になって
更に格好良くなると思います。






















下写真のように上からベストを着るとパンツのベルト部分が隠れてお腹周りが
すっきりと見えます。




今回も古き良き時代からテーラー用としての生地のミル(工場)、
マーチャント(商社)、商標を現在存続している物、無くなってしまった
物も含めてご紹介していきたいと思います。 
今回ご紹介いたしますBestexは今は殆ど見かけなくなりました、
詳しくは情報を把握しておりませんが
おそらく無くなったか大手のマーチャントに吸収合併されたかしたのでしょう、
当時としてはなかなかの老舗だったようです。

生地の本場ロンドンの  ゴールデン・スクエアーにあったウーレン・マーチャントで
1850年の設立と言う長い歴史をもっていました。
当時゛Bestex is Best゛のキャッチフレーズを押し出し
最高級品質の物を取り扱っていました。
特にモヘアが得意でダブルクロスにキッドモヘアを入れたり
、複雑な色を使ったキッドモヘア・クロス等がありました。
















下写真のジャケット地は当店ストック分で当時べステックスの中で人気があった
ラムズウールを混紡したジャケット地になります。
ラムズウールを使用しているので、かなり柔らかくて強度的に弱いように
思われますが、しっかり織り込んでいて目付けが高いので
腰と張りがありモザイクのような綺麗な発色。
本当に服の好きな方の為に作られていたような拘りを感じさせます。

今回で秋冬物の往年ブランドは来シーズンまで一旦終了しますが
次回からは春夏物のご紹介に入りたいと考えています。




長年京都の地で色々な服作りをさせて頂いてきましたが
最近はお蔭様で東京をはじめ関東のお客様にもご依頼を
お受けするようにもなりました。

そこで今年の5月の後半をめどに東京にて
展示会を開催させて頂こうと考えております。
まだ少し先になりますが詳しくは後日会場が決まり次第
お知らせいたしますのでどうぞ宜しくお願い致します。

お持ちする商品は春夏物を中心になりますが
広く秋冬物も取り揃えようと考えています。
またご来場して頂く方には
前もってご要望やご質問等ございましたらお気軽にお知らせ下さいませ。

E-mail email@tailorhatano.jp

TEL&FAX 075-231-4243
皆様今日は、今回は竹を溶かして繊維にした
バンブージャケットをご紹介致します。

写真のジャケットは当店のスタッフの物ですが去年に作りました。
軽快な色も春から夏にかけて良く合い、
着ていても軽く感じます。
それにこの生地の特徴はウールのような柔らかさにシルクのような
光沢を出しております。
このような明るめの色は濃い目の色のパンツまたはシャツを
組み合わせると落ち着き感が出て来ると思います。

デザインは着ている本人の好みで比較的タイトではなく、
ゴージ線(上襟と下襟の継ぎ目)も下げ気味にしました。
これからの季節は薄くて軽い生地になって来るのは当然ですが
素材感で楽しんでみるのも一つの選択肢でしょうね。






























※(下写真) このジャケットは前身頃と後身頃だけで構成されていますので
ポケットの上の線は継ぎ目ではなくてダーツを入れた線になっています。
その為、腰ポケットの下からジャケットの裾までは線が入っておりません。
勿論このダーツによってウエストの絞りを利かせるのですが
この手法を取り入れる事で前から見るとダーツの線が目立たなくて
シンプルでスッキリとしたシルエットを出す事が出来ております。






前回に続きまして古き良き時代からテーラー用としての生地のミル(工場)、
マーチャント(商社)、商標を現在存続している物、無くなってしまった
物も含めてご紹介していきたいと思います。 

RAXA England










現在このメーカーは無くなり、知る方が少なくなってきていますが
存在していた当時はユニークな生地作りで
日本に於いても人気を博していました。
「服地通のための服地」をキャッチフレーズに新しく開発された
商品で、ラクサというネーミングはポルトガル語で元は
羅紗の語源から来たもので、コストパフォーマンスに優れ
、専門家の厳しい選択に耐えるものとして人気がありました。
例えばオーロラというネーミングの生地はキッドモヘア60%のトニックタイプ
でユニークな柄が特徴、オアシスはキッドモヘア60%の先染め。
アーバンはダブルクロスが中心の細糸使いのウーステッドが微妙な
シェード感です。

















SoldOutになりましたが上写真のラクサ、タピストはウール80%、シルク20%
先染め糸を使って特徴のある風合いを出しています。
シャープな柄出しも独自性があり肉厚の割りに軽量です。



またこの度FINTESのS/S撥水生地を新入荷しました。

※FINTES
1930年代に北イタリアのビエラというヨーロッパでも有数の
毛織物産地で創業しました。
1973年には紡績会社のフィラーティ・ドラゴ社のグループに入り
糸を作る紡績工場から生地まで生産する総合紡績毛織物会社へと変りました。
FINTESと言う社名は″Finissagio di Tessuto″というイタリア語(生地の仕上げ)
から名付けられました。
そして現在は世界中から優れた原毛を輸入しクオリティの高い生地作りを行っています。

'08 SS Super130's ナノテクノロジーコレクション

















最新のナノテクノロジー技術を利用したこの生地は、ナノスケール(10億分の1メートル)
の超極小分子である特殊撥水成分を生地の中に染込ませて、
生地の自然な見た目と感触を損なう事無く、長い期間撥水・防泥効果がある
生地に仕上げました。
この効果は消臭や皺を防ぐのと同時にスチームアイロン等で
蒸気を通しやすくもしています。

実際には湿度の高い国々では既に先行発売されて高い評価を
得てるらしいのですが、雨の多い日本の気候にとっても
このようなナノテク撥水効果は期待できるでしょう。


皆様ご存知のように現在に於いてもテーラー用の生地を作っている国は主に英国、
イタリアで生産しています、特に英国は昔から大小の工場が沢山あり
中でも有名なハダースフィールドの生産地は世界に広く知られて
いる所です。

このブログでは以前にもいくつかビンテージ生地についても触れて来ました。
今では無くなってしまった懐かしい生地のブランドも
数多く存在し、メーカーや生産地、マーチャントにもよって
現在よりも個性的な生地作りもされていたように思えます。

しかし大抵のミル(生地工場)やマーチャント(商社)は
中小で経営的にも不安定な為、いつの間にかつぶれたり
他のメーカーに吸収合併されたりして無くなってしまったりしましたが
存続している生地ブランドも含めてご紹介して行きたい思います。



Reid&Taylor scotland











スコットランドの最南端、イングランドの国境に近いラングホルムと呼ばれる
人口3千あまりの小さな町ですが、空気と織物に最適な水に恵まれ、
最良の環境を備えています。

ここに工場を置くリード・テイラー社は最高級ウーステッド・
ウーステッド・ツイスト等を生産しておりました。
価格も一流でしたが品質の良さも世界一と言われるほど
で、特にチンチラ、カシミヤ入りのセーブル、その他希少原料を
ブレンドした独自の服地は芸術品の域に達して、
世界中の服好きに愛用されていました。

ここ数年で当店でも入荷量が減り、残念ながら現在は全く入荷していません。
現在も存続はしておりますが以前よりも日本との取引量
が減り全国で殆どのテーラーでは扱っていないようです。

















上写真のウーステッド系ジャケット地は当店のストック分ですが
品質は主に強撚糸を使った物で光沢、色合、風合いの良さを説明するのに
かなりの難しさを要する程の深みがあります。
当時のリード&テイラー社の製品はFinest Scothi Tweed in the Worldという
宣伝語句を使っていました、ただ少々高価であった為に
本国に入ってくる数はそう多くはなかったようです。

現在の生地も勿論高級な生地は沢山存在しますが
ビンテージと呼ばれる物は主に織機が違いますので風合いが異なりやすい
ですね、具体的には織るスピードが遅かったので
糸に掛かるテンションが低く目付けを高くしても
柔らかい風合いが出るので肉厚のある生地も作れたのだと思います。

また他にも幾つかありますので今後も往年のメーカーやブランドを定期的に
掲載して行こうと考えています。