幸せな結婚と不幸な結婚 | 藤香峰(ふじかね)智子の英語は世界へのパスポート

夫婦って最も身近で、家族の核となる人間関係ですよね。

だから、夫婦関係がうまくいっているか、いないかで、

人生の幸福感って違います。

 

 

あと、結婚=幸せ、とは限りません。

今日はそんなお話をします。

 

 

ある、一組の夫婦がいました。

夫はとある一部上場企業の社員で収入は良い方でした。

 

結婚後約3年して、子供ができたので、

奥さんは子育てに専念していました。

 

けれども、このころすでに、奥さんは夫婦関係に悩み始めます。

夫は、真面目に仕事をするタイプなのですが、家に帰ると、奥さんに対して思いやりがないのです。

優しいところもあるのですが、全て自分中心で、奥さんの言い分を聞いてくれないのです。

 

 

そして、夫は子供のことは大好きで、ベタぼれなのですが、

奥さんには、批判、文句、嫌味を言うのが主でした。

 

例えば、奥さんが子供のことでかかりきりになっていると、

掃除が行き届かなくて、

「家の中が汚い」

「だからゴキブリがでる」

など。

 

あとは、

「いつも家の中にいていいなあ」(外で働かないことについての嫌味)

「気楽でいいなあ」

など。

 

そうすると、奥さんは収入をすべて夫に頼っていることをとても申し訳なく感じてしまいます。

でもね、奥さんは奥さんで、

はじめての子育てで大変なわけです。

 

気分転換する時間もなかなかとれませんし、

美容院にもいけない。

目が離せない幼児期。

何が起こるかわかりません。

でも、夫に家事・育児の協力をお願いすることは苦手でした。

自分は専業主婦だからです。

 

そして、ついに決定的な事件が起こりました。

奥さんが気分転換に9か月くらいになった子供を連れて、

大手ショッピングセンターに行って帰って来た時です。

 

夫が何か探し物をして、見つからないといって、奥さんに激怒しました。

 

「車のカギはどこへやった!」

「隠しただろ!」

「どこへやった?」

 

奥さんはただただ

「知らないよ」

と言ってオロオロするだけです。

 

それでも、夫は怒りまくります。

奥さんがなだめても、怒りが収まらないのです。

そして、ついに夫は奥さんの胸倉をつかみ怒鳴りつけました。

「車の鍵を出せ!」

 

でも、奥さんは本当に車の鍵は知らないので、出すことができませんでした。

 

その後、車の鍵は夫のカバンの中から出てきました。

奥さんはこの事件が忘れられず、いつかこの夫とは離婚しようと決意しました。

 

 

8年後、子供が小学生になり、ついに奥さんは離婚を決意します。

もう、夫の暴言や思いやりのない言葉に嫌気がさし、耐えられなくなったからです。

 

一見、暴言を言う夫が悪いように見えますが、夫婦というのはお互い様のところがありますので、一概に、どちらか一方が悪いと決めつけることはできません。

 

でも、どうして離婚に至ってしまったのか?

考えてみますと、

 

・お互いの行動や、考え方についての共感がなかった。話し合いがなかった。

・相手に対する思いやりが不十分だった。

・不平・不満でなく「ありがとう」の言葉がなかった。

・自分の価値観を通してしまい、相手の価値観を尊重しなかった。

 

そして、幸福な夫婦関係でなくなっていたのです。

 

もともと恋をするのって、

相手が自分にないものを持っているからです。

 

自分にない個性を発見して「素敵だな」とか「結婚したい」と思えるようになるのです。

お互い違う個性をもっているから惹かれるわけです。

 

ですが、いったん結婚してしまうと、

自分の価値観を押し通してしまいがちなのです。

自分はこうだから、あなたもそうすべき!という考えがでてしまいます。

 

相手と向き合って、相手の価値観を尊重し、足りないところを補ってあげる。

そういう愛や思いやりがないと、夫婦関係の維持は難しいです。

 

この夫婦の例は、その愛や思いやりの欠如の典型的な例ですね。

 

せめて、お互い、一言「ありがとう」があれば違ったと思います。

 

・働いてくれてありがとう

・いつも子育て頑張っているね

・いってらっしゃい

・お疲れ様

・さっきはきついことを言ってごめんね

 

こういう相手を思いやる一言一言が夫婦関係を育てるのですね。

 

夫からすると、奥さんは「掃除が適当な人」で、

奥さんからすると夫は、「思いやりがない、暴言を吐く人」になってしまい、

とうとう夫婦関係が破綻してしまったのです。

 

 

 

実は、この奥さんとは、私です。

 

私は離婚して、とても幸せを感じるようになりました。

もう暴言を言われないし、思いやりのない言葉も投げつけられない。穏やかな生活を取り戻しました。

そして、これからどんどん自分の好きで、したい仕事をやっていこうと思っています。

 

私の人生に希望も生まれました。

 

もちろん、幸せな結婚もあります。

残念ながら不幸な結婚もありえます。

幸せな結婚のキーワードは「相手の価値観を認めること、受容すること」だと感じます。

 

私は「結婚することが幸せだ」、と言い切ることはできませんが、

せっかく結婚するのだから、良い夫婦関係で幸せを感じる夫婦関係であってほしいと思います。

 

あなたの夫婦関係が幸せなものでありますように。