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ベストセラー本を図解する 2 「デフレの正体」 

インフォービジュアル研究所 
なんでも図解プロジエクト ベストセラー本を図解する 2
「デフレの正体」 
藻谷浩介著 角川書店刊

 ひさぶりに、納得の一冊。もう六刷りになっているのに、いままで知らなかった。うーん、いかんなあ。しばらく零細企業のオヤジの目線でしか、周りを見ることができず、銀行と、関係する事業会社関係者のお相手にかまけていた。
 この本が言っていることは、わたしの実感そまのまま。一度、わたしは故郷の北海道の帯広の友達の暮らしと、わたしが暮らしている東京の渋谷の暮らしを、生活実感として比較して、なんだか東京の方が貧しい、地域格差ってほんとか? と書いた。土地・住宅の値段も、生活のための基本費用も、公共施設も、車の走らない高速道路も、見渡す限り誰も歩いていない、美しいモザイク模様の歩道のある帯広のほうが豊ではないかと、このブログで書いたら、帯広の人たちから猛烈な反発をくらった。
 しかし、首都圏と、地方を比較しての、首都圏の圧倒的な高齢化の進展、生産人口(15歳から65歳)の減少が、これまでの、地方は貧しく、首都圏は豊という思いこみを、見事に引っくり返してくれた。
 藻谷君の言っていることは、極めてまっとうなことで、いま日本各地の現場で起こっている事実が、これまでの、現場を知らない観念マクロ経済学者のたわごことと、いかに乖離しているかを、見事に、誰にでも入手できる統計資料を使って、実証している。
その論旨は、以下のようなもの。

バックパッカー日記

ポイントのその1
不況といっても、日本の国際収支は、失われた10年当時も、いまも増え続けている。

ポイントその2
その不況の最中でも、日本人の総所得額は、増加していた。

ポイントその3
なのに、この20数年以上、日本人の国内消費額は増えていない。それはなぜか。

ポイントその4
不況のあとの平成の好況の時も、日本国内の消費は増えなかった。つまり、経済成長が内需拡大と連動しない、これが平成不況の実態。

ポイントその5
国内の経済成長とは、これまでの経済学の、景気の変動、景気の波とはなんの関係もないのでは。では、その原因とはなにか。

ポイント、その6
それは、旺盛な消費行動をする、生産人口が、団塊の世代の定年によって、劇的に減少し、その流れは止まらない、ということ。

ポイント、その7
国内の総消費人口が劇的に減少しているなかで、内需拡大は極めて困難。だって、消費する世代の母数そのものが激減しているのだから。

ポイント、その8
ところが、日本の輸出企業は、世界での価格競争力維持のために、国内での雇用を激減、もしくは、低賃金化させている。

ポイント、その9
その結果として、本来は、生産人口の主力とならなくてはいけない、若年層が、臨時雇用、低賃金雇用の中で、貧困化している。

ポイント、その10
しかし、日本の輸出企業は、儲かっている。その収益はどこに還元されているのか。ひとつはモチロン、より一層の合理化のために、国内の人の雇用を減らす、設備投資に。また、利益配分としては、株主配当として、株主へ。

ポイン、その11
ところが、この利益を受け取るのは、日本の高齢富裕層で、この連中は、金を貯め込むだけで、消費しない。

ポイント、その12
本来は、車、住宅、家電とかの、消費財に向けられて、内需を拡大するお金が、そんなもの、もう持ってしまった高齢者層に集まるために、市場で使われず死蔵されている。

ポイント、13
消費意欲のない高齢富裕層に、日本の国益が死蔵され、消費に回らないのが、日本の不況の正体。

 こんなこと、商売の現場に立ってみれば、誰でも気づいて、知っていること。こんな、あたりまえの知見に、異を唱える経済学者とは、何者なのだろうね。

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