わたしの好きな絵本は | 絵本読み聞かせ講師・上甲知子「絵本で子育て講座」出前します【小田原 湘南 横浜 静岡】

絵本読み聞かせ講師・上甲知子「絵本で子育て講座」出前します【小田原 湘南 横浜 静岡】

絵本の読み聞かせを味方につけると子育てはもっと楽しくなります
「読み聞かせなんてめんどくさい」という方も、簡単に楽しくできるときだけ続けられる「絵本で子育て」をお伝えします

 

 

 

 

 

 

 

わたしが

すごいなあと思うのは

「音を言葉で表す」

ということ。

 

言葉で表現されたものを読むと

実際の音をわたしが聞くよりもずっとずっと

クリアに想像できる。

 

言葉で表現された音。

 

言葉からは実際の音は聞こえないのに

実際の音よりも

はるかによく聞こえる。

 

『蜜蜂と遠雷』(恩田陸 幻冬社)を読んだときにも感じました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

映画化されたものよりも

小説の方が

はるかに豊かにわたしに響く音。

 

 

 

 

 

 

 


 

 
 
 
 

すごいなあ。

 

その思いを新たに抱いているのが

こちらの本。

 

『ボイジャーに伝えて』(駒沢敏器 風鯨社)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こちらは

友人の美咲ちゃんが出版した本。

 

https://fugeisha.com/archives/featured/voyager

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

美咲ちゃんの本屋さん

南十字さんにお邪魔したときに購入しました。

 

 

https://www.facebook.com/tomoko.joko.7/posts/pfbid02aP9Y7Tjk895mj4Yxo55anXnrgk1ckxQJyJQy37T1zSYifKTp9n8ePvD544FrGLrNl

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

4月2日に購入したのに

まだ、読んでる。

 

すごくちょっとずつ

行きつ戻りつしながら

大切に

読み進めています。

 

この物語も

音を言葉で表現されてて

実際の音は

聞いていないのに

言葉から音が聞こえるよう。

 

というか

きっとたぶん、

実際の音からは

わたしはこんなふうに感じ取れない。

 

 

例えばこんな表現。

 

(以下引用)

 

最初は無表情だったおじさんは、しだいに不思議そうな顔をするようになり、やがて真剣な目つきで音に集中し始めた。

(中略)

おじさんはじっと目を閉じ、ヘッドフォーンを両手で押さえたまま、ゆったりとした呼吸をしていた。

かと思うと急に目を開け、少し驚いたような様子で自分の畑を眺めわたした。

そして納得のいった表情でヘッドフォーンをはずし、ありがとさん、と言って公平に手渡した。

どうでしたか、と公平は訊いてみた。

「どうもこうも」と、おじさんは言った。

「山の神さまが風になって降りてきて、稲穂のなかで遊んでいるような音だわ。

いやあ、これはびっくりした。

私は毎日、こんな音のなかで働いていたのか」

(中略)

 

ひゅん、ひゅん、と風の走る音が聞こえ、遠くで何かが擦れ合う音がした。

それはやがてさざ波のようにひろがり、あちこちでいくつもの音の渦が生まれていた。

そして小さな渦はひとつになり、まるで何かの生命のように、こちらに向けて走ってきた。

目には見えない風の列車がしだいに連結され、最後には長い車両となって、猛然と走り去るかのようだった。

そして一陣の風が何もなかったかのように通り過ぎると、おだやかな空の高いところで、トンビが輪を描いている音が小さく聞こえた。

 

(引用ここまで)

 

 

 

前段は、畑の持ち主のおじさんが聞いた音。

後半は、それをCD-Rに焼いたものを彼女が聞いた音。

 

本は言葉を集めた紙の束だから

音や風や湿度や温度や速さや色や匂いや味や手触りや

そういったものは

言葉で表現するしかない。

 

読む人を信頼して

言葉で表現するしかない。

 

そこらへんが

わたしが本を読むことが好きな理由の一つ。

 

読み手を信頼したうえで

言葉を尽くしてくれる。

 

絵本だと

「言葉」だけじゃなくて

そこに「絵」も加わる。

 

言葉と絵で

紙の束に

風や匂いや速さや味や湿度や温度や音や歌を

感じさせてくれる。

 

それが

すごいと思う絵本は

わたしが好きな絵本。

 

どうしてそんなことができちゃうんだろう

と不思議だ。

 

絵本を広げ

身悶える。

ああ、すごい。

 

そんな絵本に出会いました。

 

図書館の新着絵本コーナーにあって借りたきた絵本。

 

あ〜。

よき。

 

美咲ちゃんの

『ボイジャーに伝えて』となんかシンクロする。

 

わたしはきっとこの先、一生かかっても

実際には体験できないであろうことを

この本を読むことで

擬似体験めいたことができる。

おこがましいけれども。

 

『川は道 森は家』(伊藤健次 文・写真 福音館書店)

 

 

 

 

 

 

 

 

北海道の海を挟んで向こうのロシアの沿岸の密林の

写真絵本。

 

これ、小学校の高学年の子たちと

読みたいなあ。

 

表紙だけでも

語り合いたいなあ。

 

川が道 って。

森が家 って。

どう思う? って。

 

ここはどこだと思う? って。

みんなで

五感を研ぎ澄ませながら

読めたらいいなあ って。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

メルマガ配信してます

 

 

 

にほんブログ村 子育てブログ 子供への読み聞かせへ
にほんブログ村