1976年にこどものともで出ていて
ロングセラーで
良い絵本と言われますよね。
うちでも人気のあった絵本です。
小学生になっても子どもが「読んで」と持ってきて読んでいました。
はじめてのおつかい
筒井頼子
林明子
福音館書店
わたしは一箇所だけ
すごく気になる部分がありました。
そのことを
赤木かん子さんも指摘していたので
「おおおお!」
と内心嬉しかったです。
あんまり大きな声では言えなかったので。
それどころか
かん子さんは
この絵本を
はっきり「嫌い」と言い切りました。
えええ~~!?
のけぞりましたよ、わたしは。
でも理由を聞いて納得しました。
赤木かん子さんのオンラインの講演会があったんです。
「お母さんはどう描かれてきたか」というテーマで
50冊の絵本のリストを元にお話してくださいます。
今回初めて、だったと思うんですけど、
リストの中の3冊の絵本を
「わたしは嫌い」とはっきりおっしゃったんですよ。
わたしも、好きじゃない絵本やピンとこない絵本、たくさんあります。
でも言わないようにしています。
だってその絵本を好きな人が聞いたら、いい気持ちはしないだろうから。
かん子さんは、小さな人に対しての温かい眼差しがある方だなと感じてます。
だから「嫌い」な理由がすごく納得。
わたしもそのことはすごく気になっていたところ。
やめて~と思ってる箇所。
最初の場面。
お母さんがおつかいを頼む場面。
食卓テーブルの上にテーブルクロスがかかってて、その上にポットが置いてある。
テーブルクロスを引っ張ったら、ポットのお湯がかかって火傷する。
やめて、って思う。
わたしもおんなじことで火傷したんです。
まだ痕が肩のところに残ってます。
火傷は親の不注意だと思います。
小さな人と生活してるなら、防がなければならないこと。
絵本でこの絵はまずい、とわたしは思ってました。
そのことをかん子さんも指摘してました。
「使えない女だなとわかる。これ火傷するじゃん」と。
他にも、初めてお使いに行って成功した女の子の喜びを書きたいなら間違ってる、と。
はじめてのおつかい「嫌がってんじゃん」と。
お母さんは、まずお鍋の火を消して、一緒に買いに行こって言わなきゃいけない。
それはめんどくさいんだよね。
自転車のお兄さんはこの子を怯えさせたらまずいよね。
転んで怪我した時、誰かが「大丈夫?」と言ってくれなきゃいけないよね。
お店のおばちゃんは、出迎えてくれてないと。
彼女はちゃんと保護されていない、とかん子さんは言ってました。
好き嫌いは、自由なので、とやかく言えるものではないとわたしは思います。
ただ、この絵本を読んでもらって「怖い」と思う子がいるかもしれないな、という想像力はもしかしたら必要なのかもしれません。
かん子さんのお話を聞いてて、自分、ちょっとまずかったかなと思ったことがあります。
それでチャットで質問しました。
「50年くらい前の絵本だと設定が古く
今ではあり得ない
3歳のみほちゃんを一人でおるすばんさせる絵本が
保育園児さんに読むと
すんごい喜ばれます。
「はじめてのおるすばん」
作: しみずみちを 絵: 山本まつ子 岩崎書店
毎月、
「あの絵本もってきた?」とリクエストされます。
さっきのかんこさんのお話を聞いて
リクエストに答えている自分ってどうなのかしらと思いました」
わたしのこの質問について、かん子さんは
「性格が違うと全然傷つかない人もいる。
そういうことをされたら嫌だなと思う子は、あの絵本を嫌だなと思う。
1冊の絵本が受け取り手によって、良い絵本にも悪い絵本にもなる。
これはこの人を傷つけないなと思ったらオッケーじゃないですか。」
とお返事いただきました。
そういう意味では、圧倒的に喜んでいる人が多い、とわたしは思うけど、一人でも怖いと思っている人がいるかもしれない、ということを
忘れないようにして、読もうと思いました。
読むのをやめる、じゃなくて。
かん子さんが、良い絵本と言われている絵本をぶった切っていたのですごい面白かったです。
インスタグラムライブ配信でも喋りました
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