あのねえ
「かわいい」
とか
「いやされる」
とかじゃないのよ
真剣勝負
なのよ
どんだけ
試行錯誤しているか
どんだけ
削ぎ落としているか
どんだけ
シンプルにしているか
なのよ
それが
わかったんだよ
うん
混んでいるだろうな
ってのは
承知の上で
行ってきたのよ
ミッフィー展
ほら
いいもの
いただいたから
いや
すんごい混んでたよ、やっぱり
そんで
みんな
「かわいい~♡」
「めえっちゃ、かわいい~♡」
「いやされる~♡」
って
言ってるのね
そうなのよ
そうなんだけど
ただ
かわいいだけじゃないのよ
今回の展示では
ブルーナさんの
その試行錯誤の過程を
知ることができたの
あんな
数ページの
単純な
一見
単純な
たわいもないような絵本に
ものすごい
数のスケッチをしている
不採用となった原画も
展示してあって
うさこちゃんのさがしもの改版 |
不採用になったのと
採用されたのと
いったい
どこが違うってんだ?
って
よおおおおく
見比べたら
ぬいぐるみのくまちゃんの手が
うさこちゃんのほうに
あがってるか
さがってるか
それだけが違った
だからなに?
って?
そのことによって
ぬいぐるみのくまちゃんが
うさこちゃんに
「いたんだよ、ぼく、ここに、ずっと」
「さがしてくれて ありがと、ありがと」
と
言ってるみたいなんだよ
たった
手の向きだけで
ね
これは
極限にシンプルだからこそ
なんだろうね
ブルーナさんの
いちばん最初の絵本
りんごぼうや
の
原画もあったんだけど
おしゃれなの
黒いふちどりがないの
ファブリックにしたいくらいおしゃれなの
これは
1953年
奥さんと結婚し
ふたりの門出を飾った作品
なんだって
この作品が
第2版で
黒いふちどりがついて
目が大きく描かれる
と
とたんに
「こどもっぽく」なる
あまりにも
違う
チョウも家も鳥も
縁取りがない方が
おしゃれだけど
縁取りが
あるほうが
キャラクター
が
一気に立つね
りんごぼうや |
うさこちゃんとあかちゃん
の
原画もね
ずいぶん
不採用の原画が多かった
こんなに
たくさん
描いたのに
もったいないな
って
思っちゃうんだけど
違うのね
例えば
うさこちゃんが
初めて
産まれた赤ちゃんに会う時の
手の位置
手を前にしてるのも
手を横にしてるのも
不採用
採用したのは
手を
うしろにしてる絵
あかちゃんが
やってくるのはうれしくて
絵を描いたり
毛糸でねずみのおもちゃをつくったりして
楽しみに待っているのだけど
いざ
赤ちゃんが産まれて
ふわかあさんのとなりで寝ているのを見たら
手は
前にも
横にも
こないの
後ろなの
手は出さないの
そうっと
近づくの
そんで
ちょっと
あんまり
あかちゃんが小さいから
びっくりして
ちょっと
急に
よそよそしいのね
そんな感じが
手の位置だけで
わかるの
うさこちゃんとあかちゃん改版 |
ものすごく
削ぎ落とし
無駄を
極限まではぶき
シンプルに
していく
その過程
五味太郎さんが
言ってた
「見かけ単純なやつほどかなり手強い」
って
絵本をよんでみる |
五味太郎さんと
うさこちゃんについて
語り合っていたから(妄想で)
今回の展示は
倍楽しめた
↑人の流れをせき止めながらメモるわたし
わたしのうさこちゃんは
わたしが高校生のとき
部活の先輩に
プレゼントしてもらった
ゆきのひのうさこちゃん
ゆきのひのうさこちゃん改版 |
初めて
家族以外の人から
プレゼントしてもらった絵本
じゃないかな
誰だ!!!(=`(∞)´=)
まあ
とにかく
この子を
60歳のお誕生日に
連れていってあげられて
よかったなあ
うちの
うさこちゃんは
25歳だねえ
わたしの
うさこちゃんは
明朝体だ
いまのうさこちゃんは
ゴシック体だ
個人的には
明朝体のうさこちゃんのほうが
好き
いまのうさこちゃんの装丁は
祖父江慎さんなんだね
祖父江慎さんって
文字組みをシフォンケーキみたいとか言う超ユニークなひと
ああ
語り足りない
こんど
うさこちゃんを語る会
を
やりたい
やっていいかな?
ミッフィー展の公式ホームページはこちらをクリックしてください
にほんブログ村