・国宝 婚礼調度類(徳川光友夫人千代姫所用)
初音蒔絵調度 47種より
大角赤手箱
葵紋蒔絵長持2棹より1棹
糸巻太刀 中身、袋共 1口一対より
中身(太刀 銘 国行)
の太字3点が、展示されています。
これは、尾張徳川2代光友の正室であった"千代姫"(3代将軍家光の娘)が亡くなった際、霊廟(れいびょう)を建中寺に建て、その際、"千代姫"の嫁入り道具である"初音の調度"も一緒に納めたことに由来します。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20240707/14/osapon-ok/4e/76/j/o1080081015460365049.jpg?caw=800)
それでは、1つずつ見ていきましょう。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20240707/14/osapon-ok/c5/84/j/o1080081015460365054.jpg?caw=800)
・国宝 国宝 婚礼調度類(徳川光友夫人千代姫所用)
江戸時代 寛永16年(1639年)の作。
徳川家三代将軍 家光の長女"千代姫"が、尾張徳川家2代 光友に嫁入りした際の花嫁道具です。
国宝指定には、"一つ書き"というものがあって、
一、初音蒔絵調度
一、胡蝶蒔絵調度
一、蒔絵香箱
一、蒔絵伽羅割道具
一、長持
一、長袴
一、長刀〈中身共/〉
一、糸巻太刀〈中身、袋共/〉
と、なっています。
今回の展示では、
一、初音蒔絵調度
一、長持
一、糸巻太刀〈中身、袋共/〉
↑から各1点が展示されています。![](https://stat.ameba.jp/user_images/20240707/14/osapon-ok/f3/86/j/o1080081015460365064.jpg?caw=800)
では、まず
一、初音蒔絵調度
から
初音蒔絵調度は、全47種ありその中から
大角赤手箱
です。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20240707/18/osapon-ok/59/41/j/o1080081015460444197.jpg?caw=800)
「大きな」「角の赤い」「手箱」で、
"大角赤手箱"です(^o^)
"手箱"というのは、手回り品や化粧品などを入れておく"箱"のことです。
ちなみに「玉手箱」は、"玉"つまり宝石💎を入れておく"宝石箱"の意味があります(^_^)
もちろん、源氏物語"初音の帖"にインスパイアされた、初春の"六条院"も見事な金銀の蒔絵で表されています。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20240707/18/osapon-ok/1f/e3/j/o1080096415460451119.jpg?caw=800)
↑蓋の天面や、
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20240707/18/osapon-ok/d4/a2/j/o1080084215460451125.jpg?caw=800)
↑側面にも、
「年月を 松にひかれて経(ふ)る人に
今日鴬の 初音聞かせよ」
が、
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20240707/18/osapon-ok/78/56/j/o1080084915460451129.jpg?caw=800)
"葦手書き"と呼ばれる、文字をデザイン化して隠し絵のようにする描き方で表されています。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20240707/18/osapon-ok/ab/d8/j/o1080094615460451928.jpg?caw=800)
しかしながら、壁面展示のため、どうしても見えない面があるんですよね~
独立展示ケースだったら良かったのに……
次行きま〜す(^_^)/
一、長持
から、葵紋蒔絵長持1棹。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20240707/18/osapon-ok/b4/3c/j/o1080081015460453250.jpg?caw=800)
じゃじゃん!
江戸で亡くなった千代姫の婚礼調度は、10の長持で、その内7つを名古屋城に、3つを建中寺に分けられ、尾張へと届けられたそうです。
この長持の中に、初音の調度などが収められていたんですね〜
現存する長持は、2つだけとなっています。そのうち1つを展示していました。できたら2つとも展示して欲しかった……なぜなら、2つのうちどちらを見たのか?後でわからなくなるから……
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20240707/18/osapon-ok/77/69/j/o1080081015460462619.jpg?caw=800)
↑縦 横 高さ cmもある、どデカい箱です(^_^;)
三葉葵文もデッカイですよ。
一、糸巻太刀〈中身、袋共/〉
です。
「糸巻太刀〈中身、袋共/〉」というのは、何なのか?考えて行きましょう(^_^)/
そこに、〈中身、袋共/〉とありますので、「中身」すなわち"刀身"そのもの、更にはそれを収めていた"袋"も含めて"すべて"だということを意味しています。
のみの展示でした。
鎌倉時代(13世紀)の作。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20240707/20/osapon-ok/31/c9/j/o1080062015460493966.jpg?caw=800)
こちらも、千代姫の嫁入り道具の1つなんですよね~
"太刀"なので、刃を下にして展示しています。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20240707/20/osapon-ok/44/46/j/o1080031915460502219.jpg?caw=800)
"茎(なかご)"から"切先(きっさき)"まで、"棒樋(ぼうひ)"を1本通してます。
拡大してみましょう。
3つある"目釘孔(めくぎあな)"の2つが、あまりに終端にあることからも、もとの長さが想像できます。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20240707/20/osapon-ok/6b/2c/j/o1080081015460507287.jpg?caw=800)
細身でバランスの良い太刀です。
レポートは、以上です。
今回は、展示機会の少ない"長持"、それに"拵え"は見たことがあるが、中身は見たことの無かった"太刀 銘 国行〈来 太郎〉"を見ることができ、良かったです\(^o^)/
7/21(日)までの展示です(^_^)/~~