国宝「瑠璃光寺五重塔」改修現場見学会 | 死ぬまでにすべての国宝を肉眼で見る

死ぬまでにすべての国宝を肉眼で見る

2024年9月現在の国宝の総数1,143件。そのうち、美術工芸品912件。これをすべて肉眼で見ようという計画です。関西中心の情報をお届けします。

山口県へ、行ってきました(^_^)/


乗り込んだのは、DLやまぐち号。

ディーゼル機関車です。
客車も当時を懐古したレトロなもの。


"みたい……
では無く、瑠璃光寺です。


瑠璃光寺の国宝五重塔は、現在改修工事中です。


」が10/28(土)と29(日)の2日間に渡り実施されたので、訪問した次第です(^o^)

事前申込みの抽選制で、当選を勝ち取っていました\(^o^)/

では、さっそくレポートします。



・国宝 瑠璃光寺五重塔

室町時代の作。

まず、大内氏ですが、中国地方の有力者で、室町幕府を利用し室町幕府に利用された、良くも悪くも室町将軍とともに栄華零落を味わった一族です。
(室町時代後半の大内氏の動向については過去ブログ にチョット書いてます)

この瑠璃光寺五重塔は、室町将軍 足利義満と争い戦死した守護大名 25代大内義弘を弔うため、弟である26代大内盛見が建てたものです。

檜皮葺きの美しい屋根を持つ、五重塔です。
現在は、覆屋で完全に覆われており、その姿を見ることはできません。
檜皮葺屋根の全面葺き替え工事が行われていて、2026年いっぱいかけて完了する予定です。
それでは内部に入りましょう(^_^)/
写真撮影とSNSへのアップは許可されています。
↑まずは初層から。今回の改修は「檜皮葺きの葺替え」なので、本体は解体せず補修程度となるようです。
↑創建当初の柱は、長年の風雪により摩耗しているのがわかります。"割れ"の補修も必要です。
↑初層の"風鐸(ふうたく)"、こちらは保存状態が良いですね。
↑初層の屋根。状態が悪いです。
こちらは、何も手を付けていない、現状。檜皮が無くなって屋根板が見えてしまってます。
この様な状況は、下層部の屋根ほど顕著なんだそうです。
五重塔には、雨樋(あまどい)って無いでしょ。上の階の屋根から落ちてくる雨粒で、直線的に檜皮が削られてるんですね。
↑これ見てください。爪楊枝みたいのが、いっぱい突き立っているでしょ。
これは、檜皮が摩耗して、打ち付けた"竹釘"だけが残っているんです。
↑この様に竹釘を口に含んで、檜皮を打ち付けていく、伝統的な工法ですね。
さぁ、上って行きましょう。
↑二層目だけ、"高欄(こうらん)"が取り回してあります。"高欄"は、簡単に云うと"手すり"です。
↑大内氏の家紋「大内菱」の間の窓が開放されていて「心柱」が見えます。
↑「心柱」が八角形なの、わかりますか?
初層のみ円柱で、そこから上は八角柱になっているそうです。
↑三層、"高欄"はありませんね。檜皮は取り払われています。
↑四層、こちらも"高欄"は無く、檜皮もありません。
↑五層目まで上ってきました。
これから、檜皮を新しく葺いていく作業が行われます。
その作業を、実演してくださいました。
↑2枚の檜皮を重ねて、トントントンと打ち付けることで、
↑扇状の檜皮が完成。
↑釘や接着剤を使わず、くっつくんですよ。
ちなみに、檜皮には表裏があって、屋根に葺く時には、皮の裏面を上にして葺いていくそうです。裏面の方がいい油分が多く耐性が高いためだとか。ヘェ~
それを1.5cmほどずらしながら、屋根に打ち付けていきます。
↑檜皮の層は何層にも重なっているので、表面が風化して無くなっても、次の層、次の層、と長く保たれる訳です。
ですが、先ほど見た初層のように、長い年月で、屋根板まで見えるほどに、この五重塔の檜皮は、風化してしまってるんですね(^_^;)
檜皮葺きは面倒ですが、絶妙に柔らかな曲線で雅な姿を作り出せます。
国宝では、室生寺の五重塔 


だけです。
↑屋根のてっぺんには、相輪が見えます。
↑そして、五重塔てっぺんからの風景。

五重塔の屋根まで登る経験は、初めてでした\(^o^)/

五重塔自体は居住空間では無いので、内部に部屋や階段はありません。
そもそも登れる構造になってないので、ジャングルジムのように内部をよじ登って行くしかない訳です。
今回は工事のため、鉄筋の覆屋で全体を覆ったので、階段でてっぺんまで登れました。
小一時間ほどの見学でしたが、楽しめましたよ\(^o^)/
最後に、瑠璃光寺にお参りして帰りました。
工事が完了したら、五重塔の優美な姿を見に来ようと思います(^o^)