3年ぶり「法隆寺夏季大学」その3 | 死ぬまでにすべての国宝を肉眼で見る

死ぬまでにすべての国宝を肉眼で見る

2024年9月現在の国宝の総数1,143件。そのうち、美術工芸品912件。これをすべて肉眼で見ようという計画です。関西中心の情報をお届けします。

3年ぶりの、法隆寺夏季大学。


1回めのレポート 


は、午前中の講義と若草伽藍・ドレンジャー放水。


2回めのレポート 


は、西円堂・上御堂・聖霊院でした。



今回3回めのレポートは、東院伽藍の諸堂を巡ります(^_^)




西院伽藍から東院伽藍に向かう途中に、国宝 東大門があります。


・国宝 東大門

奈良時代の作。平安時代に移築されました。

切妻造、本瓦葺の屋根を持つ、八脚門です。
↑こう見ると、切妻造りであることが、わかりますね。
この門の特徴は、"三棟造(みつむねづく)り"であること。
奈良時代の"三棟造り"の建物は、東大寺の国宝 転害門(てがいもん)と、ここ法隆寺の国宝 東大門の2件だけだそうです。

"三棟造り"の特徴は、屋根の背骨が3本通っているところにあります。
三角屋根を2つ並べて、それをさらに大きな三角屋根で覆う形式です。
△△
こんな感じです
一見してもわからないのですが、
↑西側の屋根裏を見上げると、屋根の背骨(棟むね)が見えます。
↑東側も同様に、背骨(棟)が見えます。
そして中心にもう一本棟が通って、三棟です。

こういった建築物が、普通に建っているのも奈良の良いところ(^o^)
東京には奈良時代の建物なんて、一つも建ってませんから。(東京だとガラスケースに入れられていても不思議じゃない)

では、東院伽藍に急ぎましょう。

・国宝 夢殿

奈良時代の作ですが、鎌倉時代に改修を受けています。
東院伽藍の中心で、八角円堂、宝形造りで本瓦葺きの屋根を持ちます。

前回レポートの南円堂と、同じですね。南円堂は堂内に入れましたが、こちらは不可。
四方に開けられた扉から、中を覗き見る形になります。
堂内には、
・国宝 乾漆行信僧都坐像
・国宝 塑造道詮律師坐像
が、安置されています。
春と秋の特別開扉の時にしか見ることのできない、救世観音像もこの日は特別に開扉されています。

その横にある、重文の"絵殿""舎利殿"。
↑左が"絵殿"、右が"舎利殿"です。
"絵殿"には、太子の事績を絵解きする「聖徳太子絵伝」が、"舎利殿"には「仏舎利」が納められています。
それぞれの部屋に入れますよ(^_^)/

この間の通路を通って、国宝 伝法堂へ向かいます。

・国宝 伝法堂

奈良時代の作。江戸時代 慶長10年(1606年)に改修を受け、仏堂にしています。

現存する唯一の住宅建築で、最古だそうです。
聖武天皇の奥さん、橘古那可智の住宅を仏堂に改修しています。桁行(けたゆき 横幅)7間、梁間(はりま 奥行)4間、切妻造りで本瓦葺きの屋根を持ちます。
↑ザ・切妻造り……な、側面。こちらは窓がありません。
↑中央に、扉と窓が集中してます(^_^;)
伝法堂は、中に入ることはできませんが、絵殿舎利殿側から中を見ることができました。
天井が無く屋根裏が見える"化粧天井"としており、内部は円柱が立ち並ぶ薄暗い空間です。
そこに、地蔵菩薩立像を中心として、たくさんの仏像が居並んでいます。

以上、夏季大学の特別拝観でした〜

前回訪問時と特別拝観の内容は、ほぼ同じでしたので、レポートが被らないように、今回は建築物中心にしてみました(^_^)

前回のレポートも合わせてお楽しみください(^_^)/~~
①はこちら(ドレンジャー放水)
②はこちら(国宝 聖霊院・収蔵庫他)
③はこちら(国宝 夢殿・上御堂・西円堂他)