ウワサの、国宝 藤ノ木古墳出土品を見る | 死ぬまでにすべての国宝を肉眼で見る

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2023年12月現在の国宝の総数1,137件。そのうち、美術工芸品906件。これをすべて肉眼で見ようという計画です。関西中心の情報をお届けします。

前回は、リニューアルオープン記念特別展「八雲立つー出雲の至宝ー」を紹介しました 


が、今回は、橿原考古学研究所附属博物館の常設展を紹介します。




このニュース 

ご覧になられた方も多いんじゃないでしょうか?

国宝 藤ノ木古墳出土品は、文化庁保有の国宝。橿原考古学研究所附属博物館で所蔵・展示しています。

今回事件が起こったのは、その上位組織の橿原考古学研究所で、修理に伴う調査の実施中、金銅製履(くつ)に研究員の手が触れたため、履(くつ)の破損が拡大してしまったのだそうです(^_^;)

私も以前に拝見していますが、いかにも脆く壊れそうなものだったので、人が触れるといつかそうなるだろうな~とは思っていました。

ですので、個人的には「仕方のないこと」として、納得しています。

壊されるのが嫌なら、金庫にでも入れて、永久に閉じ込めておけば良いのです。それでも、メンテナンスしなければ崩れ落ちていくことを防げないので、結局人が触ることになりますからねー(^_^;)

この研究員に「賠償金を請求しろ」みたいな過激な意見もあるようですが、

酒でも飲みながら作業していたというなら論外ですが、業務としてあたっていた中での不慮の事故なので「個人に責任を負わせない」というのが、私の考え方です。

ですから、この組織の長たる所長が謝罪し再発防止に努める、と発表しているので、ここらが収めどころかと。



ただね〜この組織ちょっとユルイ感じするんですよね~(^_^;)

今、リニューアルオープン記念特別展が開催されていますが、なんでリニューアルしたか覚えてますか?


まさに、この金銅製履などが展示されていたケース内に有害ガスが発生していることがわかり 

、その処置のために一時閉館してたんですよ。

そして、今回の破損でしょ。

組織として、ユルんでないですか?と。

もちろん、当事者しか知らないこと、わからないこともあるでしょうし、研究所と附属博物館は別組織でもあるので、とやかくは言えませんが。


とはいえ、ほとぼりが冷めるまで、金銅製履は展示されないでしょうね(^_^;)




それでは、展示に話しを戻します。

国宝 藤ノ木古墳出土品は、↑のコーナーに展示されていました。
馬具類の展示で、金銅製履を含む装身具等は、復元模造品の展示でした。

では、レポートします。



・国宝 藤ノ木古墳出土品より

龍文飾金具
棘葉形杏葉
鞍金具前輪
鞍金具後輪

文化庁所有の、橿原考古学研究所附属博物館所蔵の国宝。古墳時代(6世紀後半)の作。
↑龍文飾金具
↑龍が透かし彫りで、表されています。龍の目にはガラスが嵌め込まれていますよ。
↑棘葉型杏葉(きょくようがたぎょうよう)
↑ヒイラギのようなトゲトゲの葉っぱを模しています。そこに、向かい合う鳳凰が透かし彫りされています。
↑金銅製鞍(くら)の前輪。
馬に乗るための"鞍"その前たての部分です。
六角形に区画された中に、透かし彫りで龍や鳳凰が表されています。
↑金銅製鞍の後輪(しずわ)と、鞍金具。
こちらは、六角形に区画された中に、動物などが表されています。
↑わかりやすいのが、ゾウさん(^_^)
左を向いて、鼻がくるんとしてますね。
↑同じ箇所のイラスト。
↑わかりにくいのが、ウサギさん。えっ?どこ?って感じです。黒く腐食してるので見えません。
↑同じ箇所のイラスト。
いずれも馬具です。

その他は、復元模造品の展示でした。

いずれも装身具です。

ウワサ の金銅製履……の復元模造品。
オリジナルはあんなことになっちゃってるので、当然出展されていません(^_^;)

↑金銅製大帯。チャンピオンベルトみたい(^_^)
↑飾太刀と刀装具。
↑金銅製冠と筒型品。
↑アクセサリー類。

今後、これらの復元模造品は、オリジナルの国宝と、入れ替えながら展示されていくのだと思います。以前は、そんな感じで展示替えされてたので(^_^)

私は、国宝 藤ノ木古墳出土品は以前にほぼすべてを見ている 


ので、今後は、他の国宝が展示されることがあれば、それにあわせて訪問する感じでいこうと思います。

国宝 藤ノ木古墳出土品は常設展示なので、いつ来ても展示されています。
ただし、いつ何が展示されているかはホームページにも表示が無いので、細かく知りたい方は、電話で確認が必要です(^_^;)