国宝 太刀 景光・景政と、国宝 短刀 備州長船住景光を見る | 死ぬまでにすべての国宝を肉眼で見る

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2024年9月現在の国宝の総数1,143件。そのうち、美術工芸品912件。これをすべて肉眼で見ようという計画です。関西中心の情報をお届けします。


へ、行ってきました(^_^)/
↑さっそく、国宝展示中の旗が立ってますねぇ。
↑弥生時代の住居の復元なんかもあります。
今回訪問したのは、埼玉県立歴史と民俗の博物館が所有する国宝の刀が、2振り同時に展示 


されているためです。
↑短刀の方が、刀剣男子になっているようで、刀剣乱舞とコラボしてました。

さて、その国宝の刀剣ですが、ともに3室に並べて展示されています。

では、レポートします。



・国宝 太刀〈銘備前国長船住左兵衛尉景光、作者進士三郎景政、嘉暦二二年已巳七月日/〉
埼玉県保有の国宝。埼玉県立歴史と民俗の博物館所蔵です。鎌倉時代 嘉暦22年(1329年)の作。
たち〈めい びぜんのくにおさふねのじゅうさひょうえのじょうかげみつ、さくしゃ しんしさぶろうかげまさ、かりゃくよねんつちのとみしちがつひ/〉と読みます。
"太刀"なので、刃を下にして展示しています。
独立展示ケースでの展示なのですが、隣の国宝 備州長船住景光の展示ケースと密着しているので、360°から見られるわけではありません。
鎺(はばき)付きで展示されていました。
目釘孔は……2つが連なって1つになってます。
茎(なかご)に銘が刻まれていますね。これは表側です。
↑こう書いてあるそうです(^_^;)
茎の裏の写真も撮ったんですが、光量が少なく、何も見えなかった……
キャプションに「茎は生(う)ぶ」とありますので、磨り上げせず元の長さのままであることがわかります。
反りはあまり強くなく、樋(ひ)は通していません。
刃文は、"直刃(すぐは)"。まっすぐに、スーッと通ってます。

照明が薄暗いためでしょうか?全体的に渋い印象でした(^_^;)



・国宝 短刀〈銘備州長船住景光/元亨三年三月日〉
埼玉県保有の国宝。埼玉県立歴史と民俗の博物館所蔵です。鎌倉時代 元亨3年(1323年)の作。
たんとう〈めい びしゅうおさふねのじゅうかげみつ/げんこうさんねんさんがつひ〉
と読みます。
↑この子ですね(^_^)
拵(こしらえ)とともに展示されていました。
短刀ですから、反りはほぼ無いのですが、茎の部分で"クキッ"と"への字"に反ってます。
目釘孔は2つ。
↑梵字が透かし彫りされた珍しい鎺(はばき)が付いていました。この鎺、おもしろいですよ(^_^)
↑裏から見ると、"九字"が切ってあるんです!
臨・兵・闘・者・皆・陣・列・在・前
「りんぴょうとうしゃーかいじんれつざぃぜん」と、手刀で空中に縦4横5の線を切り、魔を滅す!というヤツです。  カルラ舞う!以来久しぶりに見たよ〜
刀身の表に「秩父大菩薩」と彫られているのがわかります。
刃文は、教科書のような"片落ち互(ぐ)の目"。
↑刃文は裏からの方が、わかりやすいですね。
The片落ち互の目!
刀身の裏には、大威徳明王を表す梵字が彫られています。

国宝の刀剣二振りが、並んで見られます。
大小の差はありますが、是非とも刃文を見比べてください。
直刃(すぐは)と、片落ち互(ぐ)の目の違いがハッキリ見てとれると思います!

3/6までの展示です。

入館料も300円とお手頃価格ですので、お近くの方は訪問してみてはいかがでしょうか(^_^)/