法華寺で国宝「絹本著色阿弥陀三尊及童子像」他を見る | 死ぬまでにすべての国宝を肉眼で見る

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2024年9月現在の国宝の総数1,143件。そのうち、美術工芸品912件。これをすべて肉眼で見ようという計画です。関西中心の情報をお届けします。

奈良県の法華寺に行ってきました(^-^)/
10/25~11/14は、法華寺が保有する国宝3件すべてが公開されています(^o^)

3件というのは、
そして、
です。

の2件については、↑の写真の金堂に安置されています。

国宝 木造十一面観音立像については、毎年春と秋に公開していますので、実は今春にレポートしています。
(国宝  木造維摩居士坐像については通年公開しています)

法華寺の歴史は古く、奈良時代、聖武天皇皇后であった、光明皇后により建てられたといわれています。
東大寺が国分寺、法華寺が国分尼寺だったため、現在でも法華寺は尼寺です(^_^)

その光明皇后は仏教を深く信仰し、貧しい人にも分け隔てなく優しく、そしてとても美しかったそうです。
その光明皇后をモデルに作られたのが、国宝 木造十一面観音立像だそうです。

だからでしょうか?国宝 木造十一面観音立像は、お顔立ちが優しく女性らしいお姿です。

特徴は、右手が長いことf(^_^;
これ、十一面観念の元々のスタイルというか約束事だからなんですけど、"下げた右手は膝よりも下にくる"という謎ルールのため、こうなってます。が、それにしても明らかにこのお像は長いんです。

もうひとつ、髪の毛が"青い"こと。つまり、保存状態が良く、彩色の剥落が少ないんですね~。(普段は秘仏として厨子のだからでしょうか?)
お目めパッチリで、結構はっきりとしたお顔です。

最後に光背。蓮の葉と花なんです。私はこのタイプの光背は、こちら以外見たことありません。でも、これが雰囲気を醸し出しているんですね~

ご本尊でもあるので、お厨子の扉を開いた形でのご開帳ですが、わりと明るく見やすかったです(^-^)/


次に、国宝 木造維摩居士坐像
こちらは金堂内の入り口近くに安置されています。
格子を隔てての拝見になるので、ちょっと見にくいです(*_*)
お姿は、ガリガリのお爺ちゃん(失礼(>_<)
維摩居士(ゆいまこじ)は、お釈迦様の在家のお弟子さん。出家はしていないんですね。お坊さんじゃないんです。だから、我々と近いとも言えなくもないんですが、ちょっと距離感ありますね(^_^;)逆に遠い存在というか……


さて、国宝 絹本著色阿弥陀三尊及童子像は、"慈光殿"というお堂ではなく収蔵庫で拝見させていただけます。

↑こちらです。中はもちろん撮影禁止。

国宝 絹本著色阿弥陀三尊及童子像初めて拝見しましたが、思ってたのと違ってましたf(^_^;
1枚の絵ではなく、3幅セットでした。
が、慈光殿の解説ボランティアの方の話によると、もとは1枚の絵だったものが、何かしらで切断されたとか。
3幅はそれぞれ①阿弥陀如来坐像観音・勢至菩薩持幡童子。縦2mほどなのは3幅とも同じですが、それぞれ幅が違いました(^_^)

阿弥陀如来坐像が一番大きく、正面を向いています。国宝 釈迦如来像(赤釈迦)によく似た感じ。手のひらと足の裏に宝輪相が描かれています。
観音・勢至菩薩は①よりちょっと狭くて、お二人の菩薩が雲に乗ってやって来るところです。この姿から来迎図であることがわかります。
観音菩薩は両手で蓮台を持っています。亡くなった方の魂を乗せて、極楽浄土に行くのです。勢至菩薩は観音菩薩に傘を差し掛けています。このポーズ珍しいですよね。
持幡童子は②よりもさらに細くなって、普通の掛け軸くらい。持幡童子観音・勢至菩薩と同様に雲に乗っています。幡を掲げて菩薩の方を向き「こちらですよ~」と先導しているよう(^-^)

観音・勢至菩薩と③持幡童子は、サイズ感も含めてもとは1幅だったのだと思います。ただ、①阿弥陀如来坐像は、サイズ感が明らかに違いすぎるんですよねーそれに、画風も違う…

でも、蓮の花びらが散っているのは、3幅に共通するので、やっばり3幅セットかも?

光明皇后が病気の人たちのために建てたという「浴室」。
蒸し風呂だったようです。

法華寺へは、今の時期に訪問すると3件すべての国宝が見られるので、効率的ですね(^o^)
しかも、この10/25~11/14という期間は奈良国立博物館の「正倉院展」と連動させてあるそうです。
最寄り駅は西大寺。駅からバスが出ていますので、わかりやすいと思います。

法華寺の国宝、コンプリートです!