引き伸ばされたモノクロ写真が目に止まりました
可愛らしい帽子を被り
満面の笑顔で額縁に納まっている
３歳くらいだろうか…
たくさん写真が飾られた中の１枚に
僕はふと目が止まった
「いやぁ～田口さん（仮名）、
やっぱり子供の頃からメチャクチャ可愛いですね！」
アラセブンティになる品ある婦人田口さんは
母親の年齢とそう変わらない
長い付き合いになり
気さくな田口さんに軽口を叩きました
田口さんは月に１度
出張で伺うお宅でした
田口さん夫婦と次女の３人を施術していました
2年くらいの付き合いになり
おおらかな田口さん御家族は接しやすく軽口も叩きやすい
「え？あぁ…似てるかしら？
私じゃないのよ(笑)
でも嬉しいわ～」
笑った目元
口の感じがどう見ても田口さんそのもの
何の疑いもなく
幼少期の田口さんだと思いました
「息子よ、息子(笑)」
息子？？？
かなり話し好きな田口さん
2年にわたり
たくさんお話しをしてくれました
ご主人の事
長女次女の事
孫たちの事
御自身の幼少期～今までの話し
趣味の温泉巡りの話し
息子？？？
息子の話しなんて１度も聞いた事ありません
「これはね、亡くなる１ヵ月くらい前の写真よ」
あ………
「あ…
スミマセン…
何の疑いもなく田口さんの子供時代の写真かと思いました…
面影があるように見えまして…」
よく考えれば、そんなわけはない
昭和10年代の子供服ではない
僕の子供時代
昭和40年代あたりの服装だ
生きていたら45歳
僕の2つ下だった
2歳で癌が見つかり余命宣告されたそうです
宣告はしたが
先生は諦めずに必死で治す努力をしてくれたそうです
「ただ…
今思えば
当時はまだ癌の研究は未熟でね
あらゆる薬の実験台になっていたのかもしれないわね…
それはもうね…
仕方なかったこと…
大人でも耐えられない位の痛い注射を何度も打ってね…
大好きなお菓子があったのよ…
注射ガマンしたら買ってきてあげるから
と言い聞かせてね
相当好きだったのよね(笑)
目に涙を溜めながらも
「全然痛くない！全然泣いてない！」
と言い張るの
あんなに好きだったんだから
もっと買ってあげれば良かったって今でもたまに思い出すのよ」
写真は1日だけ帰宅した時のもの
車椅子だったのだが
歩きたいとせがみ
ほんの数分歩いた時の写真
この時
帰宅するのはこれが最後だろう…
そんな写真だった
「幸せだったわよ～
だってあの子が生きているうちに
甘やかすだけ甘やかす事ができたんだから
とにかく
甘やかすだけ甘やかそうってね
亡くなるまでずっと息子にベッタリよ
母親冥利につきるわ」
「僕…もう眠い…」
薬が効いたのか注射が効いたのか
毎日の治療にほとほと疲れたのか
いつものとおり
田口さんの腕にしがみつき抱いたまま眠りにつきました
母親だからでしょうか…
田口さんは最後だと察しました
顔を抱き寄せ
頭を撫で続け
静かに静かに冷たくなる息子を撫で続けた
そんな話しをポツポツとしてくれました
子供に先立たれる辛さは
想像なんてしたくないくらい辛い出来事
自分が死ぬ事なんかより
よっぽど怖い
娘が生まれてから
とてつもない恐怖に襲われる事があります
想像してはダメだと頭を振り払っても
時折襲う恐怖感
辛い経験を乗り越えた人は
深い愛情に満ちている
そんな田口さん御家族と縁を持つ事ができ
この仕事をして良かったとあらためて感じました
ここでは書ききれない田口さんの事細かな話し
横向きになった田口さんの背中を
僕は一定のリズムで刻む
そのリズムに合わせるように田口さんは
ポツポツと息子さんの話しを刻む
田口さんの口から出された言葉は魂となり
目の前に息子さんを呼び寄せたように感じました
帰り際
額縁の写真には手を合わせませんでした
力強い魂は
ここに存在していると確信しました
「また来月」
僕は彼に軽く手をふり、田口さん宅を後にしました
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再々アップの古いブログです
人は必ずいつか天に召されます
それはいつか分かりません
もしかしたら明日かもしれません
もしかしたらあなたの大切な人も…
亡くなってから気がつくのは遅いと思うのです
目の前の人が明日命絶えると知ったら
どうしますかね？
どのように接しますかね？
ネガティブな想像でもなんでもないです
人は必ず
いつか天に召されます
それは1時間後かもしれないし
100年後かもしれない
中和田オサムでした
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土浦市磨利山新田116-1 スーパーまるも内
ボディケア担当
横田美幸
◉ハスノ実
ハスノ実併設「ハチス」にてボディケア 代表 軽部富美子ハスノ
◉Naturally 代表 鈴木奈津子
◉こもれび 代表 鈴木雅貴
◉ONE GRACE 代表 保井一恵
◉aura アウラ 代表 高柳純子
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2年くらいの付き合いになり
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「え？あぁ…似てるかしら？
私じゃないのよ(笑)
でも嬉しいわ～」
笑った目元
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何の疑いもなく
幼少期の田口さんだと思いました
「息子よ、息子(笑)」
息子？？？
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2年にわたり
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ご主人の事
長女次女の事
孫たちの事
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息子？？？
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「これはね、亡くなる１ヵ月くらい前の写真よ」
あ………
「あ…
スミマセン…
何の疑いもなく田口さんの子供時代の写真かと思いました…
面影があるように見えまして…」
よく考えれば、そんなわけはない
昭和10年代の子供服ではない
僕の子供時代
昭和40年代あたりの服装だ
生きていたら45歳
僕の2つ下だった
2歳で癌が見つかり余命宣告されたそうです
宣告はしたが
先生は諦めずに必死で治す努力をしてくれたそうです
「ただ…
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とにかく
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