プレゼント | こころとからだを癒す茂原の医師のブログ

こころとからだを癒す茂原の医師のブログ

あたまとこころとからだをテーマに
日常生活や診療での気づきを綴ります.

みなさん、こんばんは。

こころとからだを癒す

茂原(もばら)の医師 

永野 修です。

 

 

「素敵だな、僕もそのような生き方を

してみたいな」

 

先日、そのように思うことがありまし

た。それは、80代の女性をご自宅で看

取ったときのことです。

 

その患者さんは持病の肝臓病が悪化し

寝たきりになり、その後、短期間で食

事や水分を摂ることができなくなって

きたため、訪問診療で関わることとな

ったのです。

 

ご自宅へ初めて訪問した際は、日当た

りのよい部屋で、少しベッドの背もた

れを上げて、仰向けに休まれていまし

た。「こんにちは」の呼びかけにゆっ

くり眼を開けるものの、言葉を発する

ことはなく、僕からの「痛みはありま

すか?」の問いには、穏やかな表情で

首を小さく横にふるのみでした。

 

幸い少しずつ水を飲むことができてい

たので、点滴は行わずにご自身の意欲

に合わせて水分を摂ってもらうことに

して、そして、その後の状況で点滴を

行うかどうか考えることとしました。

 

そして、その後、患者さんは穏やかな

時間をご家族と一緒に過ごしながら、

3日後、ご自宅で永眠されました。

 

そして、在宅医として患者さんの看取

りをした後に、ベッドサイドで2人の娘

さんに伺ってみたのです。

 

「どんな方だったのですか。僕はご本

人と会話ができなかったので、よろし

かったらお話くださいますか。」

 

「そうね、母はいつも笑顔でいる人で

したね。病気になってからも、いつも

微笑んでいて、「苦しくない? 痛く

ない?」と聞いても、いつも穏やかな

表情でいた人でした。」

 

「そうね、私たちが機嫌悪そうにして

いると「笑顔、笑顔。笑顔がいいわ

よ。」ってよく言われたわよね。

そういえば病気になってから、こんな

ことを口にしていたわね。

「笑顔は、あなたたちに最期まであげ

られるプレゼントよ」って。」

 

「素敵ですね。笑顔がプレゼントだな

んて。僕もそのような生き方をしてみ

たいな。」

 

こんな風に、患者さんが大切にしてき

た生き方に、ふとした瞬間に触れるこ

とがあるのも、僕がこの仕事に魅了さ

れている理由の一つなのかもしれませ

んね。

 

最後まで読んでいただきありがとう

ございました。

 

あなたの明日が

素晴らしい一日になりますように。

 

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