質、量、スピード。その2 | こころとからだを癒す茂原の医師のブログ

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あたまとこころとからだをテーマに
日常生活や診療での気づきを綴ります.

みなさん、こんにちは。

こころとからだを癒す

茂原(もばら)の医師 

永野 修です。

 

 

「俺の質、量、スピードについてこら

れるか?」

 

20年前、ある先輩医師から届いた年賀

状です。「あけましておめでとう」も

「本年もよろしく」もなく、ただこれ

だけが少し太目のマジックで書かれて

いました。

 

その先生は心臓血管外科の10年目の医

師で、自分が見てきたどの外科医より

も知識、経験、技術を10年のキャリア

で備えている先生でした。

 

そして、その先生からこう問われたの

です。

 

「俺の質、量、スピードについてこら

れるか?」

 

当時、その問いに「はい」と答えたい

自分がいて、その一方で、こんな自分

の仕事ぶりではついていけないと思う

気持ちもあって、どのように振舞った

らよいのか戸惑う部分があったのを覚

えています。

 

そして、その年の3月には外科研修が終

わり、その先生の下から離れ、4月から

は再び脳神経外科医として働き始めた

のですね。ただ、その後もその言葉は

ずっと頭の中に残っていたのです。

 

「俺の質、量、スピードについてこら

れるか?」

 

もしかすると、無意識のうちに、その

先生からの問いに「Yes」と答えたく

て、脳神経外科医で手術の技術を磨い

たり、術後のICU管理を完璧にしようと

したりしてきたのかもしれません。

 

ただ、それを連日続けるうちに自分の

体が無理だと表現するようになってき

て、そして、ようやくこれは自分のス

ピード(ペース)とは違うと、気づく

ことができたのです(ただ、それには4

年ほど時間を要しました。きっと、そ

の憧れの先生の姿に近づきたいという

強い想いは、それくらいの年月をかけ

ないと諦められないものだったのかも

しれません。)

 

そして、その後は手術を離れ、放射線

治療、さらには在宅医療へと自分の

質・量・スピードに合致する道と進ん

でいったのです。

 

それにしても、自分の記憶に残ってい

る言葉って、もしかすると無意識のう

ちに、自分の人生に影響を及ぼしてい

るものなのかもしれません。

 

もしかすると、皆さんにも、そのような

言葉があるかもしれませんね。

 

最後まで読んでいただきありがとう

ございました。

 

追記

ちなみに在宅医療を始めて、もうじき

1年が経ちますけれども、ようやく自分

の質・量・スピードが掴めてきたよう

に思っています。また別の機会に今の

自分の質・量・スピードについて書い

てみようかなと思っています。

 

あなたの明日が

素晴らしい一日になりますように。

 

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