みなさん、こんばんは。
こころとからだを癒す
茂原(もばら)の医師
永野 修です。
「修ちゃんには他の理由があると思う
よ。」
ある友人からなぜ医師になったのかを
聞かれ、そのことについて答えたとき
にそのように言われたのです。
「どんな理由が他にあるのだろうか」
その言葉を頭の片隅に残したまま1年近
く過ごしていたところ、ある日の朝に
湖のほとりを歩いていたときに、それ
に気づくことがあったのです。
「吸い込まれてしまいそう」
以前から湖を見たときに生じてくる感
覚でした。
ちなみに、僕は川や海や山を眺めたと
きもある感覚が生じていて、それらを
言葉に変換するとこのようになってい
ました。
川は
「時の流れ」
川を眺めていると、絶えることなく水
が上流から下流に流れている。それは
時間の流れや、自分の人生が否応なし
に進んでいくことを感じさせてくれる
もの。
海は
「地球の鼓動、息遣い」
一定のリズムで繰り返す波の音、それ
を人間で例えるならば、一定に繰り返
す心臓の音。そして絶え間なく吹く風
は、地球の息遣いを感じさせてくれる
もの。
山は
「不動、変わらない安心感」
何千年もその場所に鎮座している山々
は変わらない強さを感じるもの。そし
て、いつ何時もその場所に存在してく
れていて、私たちに安心感を持たせて
くれるもの。
そのような言葉が思い浮かんできたの
ですね。
それならば、湖は何だろうかと考えて
みたくなったのです。
それはこのような言葉でした。
「深淵、核心、真実」
それは、湖の奥へどこまでも深く吸い
込まれていくような感覚と共に、自分
の心の奥の奥へ入っていく感覚も生じ
てきて、そこから浮かんできた言葉。
そして、そこには自分という人間の核
となるものが潜んでいるような気がし
ていて、例えば、何のために自分は生
きているのかとか、そもそも生きると
は何なのかとか、命とは何なのかと
か。その答えが存在する場所のように
思えたのです。
もしかすると、僕にとって湖は無意識
のうちに哲学的な思考に走らせてしま
う場所なのかもしれません。
そして、そのときに分かることがあり
ました。
僕は
「命の神秘に惹かれている」
思い起こせば幼少期のころカエルの卵
を田んぼから取ってきて、水槽に入れ
て、卵からオタマジャクシに孵化する
様子を観察したときであったり、それ
はメダカであったり、ザリガニであっ
たり、何らかの卵が孵化するとき、そ
れらの生命の誕生の瞬間に心が動かさ
れたように覚えています。
それはどうやってこの卵からオタマジ
ャクシが出来上がってくるのだろうか
とか、どうやってオタマジャクシはカ
エルになっていくのだろうかとか、そ
の中で成長していくものと、死んでい
くものとがいて、どこからその違いが
出てくるのだろうかとか、そんなこと
を考えていたように思います。
そして、幼少期の自分が不思議に感じ
ていた命の始まりや、その後の進化や
成長などの神秘について、それらを知
りたいという想いが心の奥底にあっ
て、それが命に直接かかわることがで
きる医師という職業を選択させたのか
もしれません(きっとそうなのでしょ
う)。
そして、その想いは医師になった後も
僕の行動を無意識に導いていて、脳と
いう人間を人間足らしめている臓器を
専門に扱う脳神経外科医にしたり、さ
らに、生から死へ向かう人との関わり
を殊更持つような緩和医療を学ばせた
り、そして、それを生活の場で実践す
る在宅医療の道へ進ませたり、すべて
は、この「命の神秘に惹かれている」
に集約されることのかもしれません。
なるほど、この想いが自分を医師の道
へ進ませたのですね。納得です。
最後まで読んでいただきありがとう
ございました。
あなたの明日が
素晴らしい一日になりますように。
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