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日本人の末裔「ハポン」さん

6月24日(23;00) 日本時間25日(06;00)


 唐突ですが、私は神や仏の宗教論には無頓着なのに、あらゆる超常現象や不思議体験、偶然の出来事といった類の話には非常に興味を持ち、自身で経験したことも驚くほど多くあります。

 今日のお話も、その一つかも知れません。

 先日、太陽海岸を訪れ、現地に住む日本人の方たちとランチをご一緒しました。

 岩倉さんとおっしゃる方がお隣の席だったので、冗談交じりに、岩倉具視卿の縁続きの方ですか?と尋ねたのですが、否定も肯定もされませんでした。

 このことがきっかけで、自然と、明治4年、欧米の文化や社会制度の視察を目的として派遣された使節団の話になりました。

 正使は右大臣岩倉具視卿で、木戸孝允、大久保利通、伊藤博文といった明治維新の立役者や、その頃は無名ながらも、後に名を残した同志社大学の創設者新島襄、津田塾の津田梅子も名を連ねる総勢107人の大使節団です。

 この使節団の功罪については、賛否両論、膨大な数の文献が出ていますので、あえて述べませんが、使節の見聞録でも、殆ど触れられていないことがあります。

 

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欧米使節団
(左から、木戸孝允、山口尚芳、岩倉具視、伊藤博文、大久保利通)


 使節団が、イタリアのベニスに立ち寄ったとき、現地の係官から、「こんなものがある」と差し出された一編の書類に目を通した岩倉卿は我が目を疑いました。

 飼料は日本語で書かれた物で、西暦1615年2月14日と支倉六右衛門の署名がはっきりと読み取れたからです。

 今から250年以上も前に、この地に立った日本人が居たことに驚嘆していると、係官は「これもそうだ」とそれよりもさらに古い、1585-1587の年号の入った書類を見せました。

 残念ながら、日本語ではなかったのですが、1582年、長崎を発った使節団のものであることが解りました。

 興奮冷めやらぬ岩倉卿は、二つの書類の一字一句を書記官に命じて書き写させ、日本に持ち帰りました。

 調査・研究の結果、大成果を上げながらも、豊臣、徳川のキリスト教近況令のため、その業績は闇から闇に葬り去られていた「天正少年使節団と慶長遣欧使節団の存在が明らかになり、日本史にその1ページが加えられたのです。


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支倉常長の肖像画

 1989年ころだったと記憶していますが、スペイン南部サンダルシア地方の「コリア・デル・リオ」という町に、日本(Japon)という姓を持つスペイン人が、たくさん住んでいるということが話題に上り始めました。

 調べを進めますと、支倉常長を団長とする慶長使節団の日程から、彼らの一行がこの「コリア・デル・リオ」に比較的長期間にわたって滞在したことが解りました。

 この事実から、少なからず、日本人の血を受け継いでいるスペイン人のルーツが見えてきます。

 サッカーのスペイン・リーグで活躍する審判の苗字も「ハポン」でしたが、日本のマスコミに取り上げられるまでは、誰も日本人とは関連付けていませんでした。

 日本人の末裔説を決定的にしたのは、1996年のミス・スペインに輝いた超弩級の美人、「マリア・ホセ・スアレス」さんが、スペインの有名週刊誌のインタビューで、「私は、セビジャーナ(セビリアの女性)とハポネース(日本人男性)の混血」と発言したことです。

 人種的差別の言動が少なくないヨーロッパですので、私もこの言葉には痛く感動しました。

 そんな折、在スペイン日本大使館のS大使よりお電話を頂きました。

 大使も相当に感銘を受けられたようで、「日本人にとって、非常に喜ばしいことなのでご招待したい、彼女に連絡を取って欲しい・・・」というものでした。

 ミス・スペインの事務局を通じて申し込みをしましたところ、マリア・ホセさんも快く受けてくれ、マドリード市内の日本料理店での会食が実現、その後も、機械あるごとに彼女のご家族や他のハポンさんたちとの交流を深めてきました。

 この一連のお話しを、柴田練三郎賞、読売文学賞作家の宮本徳蔵さんにしましたところ、非常に興味を待たれ、ぜひとも自作のテーマにしたいと、押っ取り刀でスペインまで飛んでこられました。


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マリア・ホセ・スアレスさん

 その取材の成果は、マリア・ホセさんがモデルの「米の島」(集英社刊)という、素晴らしい1冊にまとめ上げられています。スペインがお好きな方なら、ゼヒご一読ください。形はフィクションですが、凄く参考になります。

 宮本さんと私のお付き合いは、弊社の親会社である「近畿日本鉄道」の故金森茂一郎会長が原案を書いた「スペイン侍」(新潮社)の出版がご縁で始まりました。

 何故、金森会長が「スペイン侍」を、と思われるでしょうが、彼はすこぶるつきのスペイン大好き人間で、それが嵩じ、テーマパーク「志摩スペイン村」まで創ってしまいました。

 小説「米の島」では、私もマリアさんを助ける武森勇という、いわば足長おじさん役として名前だけで登場します。

 武森の武は私から、森は金森会長、勇は金森会長の前の佐伯勇会長から取ったそうです。

 登場人物の素晴らしい人格や、年格好はもちろん金森会長がモデルですが、命名のエピソードをお聞きして、非常に光栄に思っています。

 

 前置きが長くなり、それだけで今日は終わってしまいそうですが、岩倉具視使節団のお話をしているちょうどそのとき、B出版の元編集長のMさんからメールが入りました。

 何と、宮本徳蔵さんが他界されたという訃報でした。ご冥福を祈っております。

 Mさんにも宮本さんにも、この3-4年ご無沙汰に打ち過ぎ、音信不通の状態だっただけに、余りの偶然に驚きました。


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宮本徳蔵さんの著書

 

取ってつけたように思われるかもしれませんが、私がブログを始めるにあたり、真っ先にアップしたかったのは、日本とスペインのつながりを象徴するかのような「何故?アンダルシアの片隅の町に<ハポン>姓をもつ人が住んでいるのか」、という事でした。

 今日は量が多くなりすぎましたので、この話は終わります。

ソーラーパネル設置促進プラン

6月23日(23;00) 日本時間24日(06;00)


 スペインの日刊紙「エル・パイース」(EL PAIS)の報道(6月18日付)です。

 日本は、今後、全ての新築建造物に対し、ソーラーパネルの設置を義務つけるプランを検討中だそうです。

 検討の内容は詳しく報じられておらず、どの機関が検討しているのかも不明です。

 

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ソーラーパネル


 日本は、福島原発の事故後、国民多数の支援をバックに、再生可能な代替エネルギー開発を推進する姿勢を内外に示したい意向である。とも書いていますが、ニュースソースも曖昧です。

 ということで、日本のマスコミのどこかが、詳しく報道してくれていると思いネットでサーチしましたが、残念ながら、このことに言及した記事は目に留まりませんでした。

 かといって、「エル・パイース」のような一流紙が、勝手に捏造して書くわけがありませんので、恐らくは、どこかのお役所の発表したものでしょう。

 

 昨日あたりから、菅総理お得意の、思いつきで言い出した「自然エネルギー法」の中に盛り込まれるのかな、と一瞬思いましたが、この法案は、自然エネルギーで生み出された電力の買取を義務付けるのが主題ですので、ちょっと趣旨が違うようです。

 先日のアップしたブログでも、太陽光発電についてはちょっと触れておりますが、自然エネルギーの買取など、ヨーロッパではごく当たり前の発想です。

 菅総理に、今回の延長国会で成立を目指す、と世界に先駆けての名案のように力まれても、単なるご自身の延命工作としか思えません。


 「エル・パイース」も、簡単にベタ記事扱いにしていますが、非常に重要でインパクトのあるニュースだと思います。

 就任早々の鳩山前首相が、点数稼ぎのために、国連で実現不可能な二酸化炭素20%だったか25%の削減の大風呂敷を広げ恥をかいたのとは違い、このソーラパネル設置計画は、すぐにも実現が可能です。

 しかし、いくら国民が声を上げても、このような大規模の計画には、必ず大手企業間の利害関係が生まれ、族議員がでしゃばり、なかなか実行に移されず、民主主義というものは、とかく時間が掛かるもの等と、逃げを打たれる可能性はあります。


 申し上げるまでもなく、ソーラーパネルから得られる太陽光エネルギーは、CO2を出しません。風力発電と並び、世界の誰もが望み、絶対に枯渇することのない無尽蔵にあるエネルギーです。

 このような計画は、今回の原発事故で、世界から怨嗟の目が集まり、その存続の是非を問われている日本こそ、率先して世界に働きかけ実現させるべきものです。


 「エル・パイース」が掲載したのは、スペインは近い将来、この分野におけるダントツの世界一に躍り出るのは間違いなく、現時点でもドイツや日本と並び、世界をリードする立場にある、という理由からでしょうが、こんな凄いニュースを扱わない日本のマスコミの感覚は、如何なものかと思います。


 どなたか、この計画案についての情報をお持ちの方はいらっしゃいませんか。

 ご存知の方は、是非ご教示ください。

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ソーラーパネルを設置した住宅(イメージ)






 

日本のスパコン「京」が世界一 ②


6月22日(23;00) 日本時間23日(06;00)


 今日の「ちょっと言わせて」

 日本のスパコン「京」が世界一


 21日にアップした「スパコン世界一・・・・」 に、・・・このスパコンの重要な部品は、大震災の被災地である福島県や宮城県のメーカーが製造したものも含まれており、復興に向けて頑張る被災地の皆さんには、大きな励みになるでしょう という一文を追記しようと思っていた矢先のことです。


 読売新聞が6月23日付社説で、「スパコン世界一、技術者の士気を持続させたい」と、敵失報道とは打って変わった、スパコン絶賛の考えを述べているのを見つけましたので、ついでにアップしておきます。

 皆さんもご存知の通り、社説は、一記者の個人的な考えではなく、社としての見解を述べる新聞の一番大切な部分です。

私のブログを見るということは、間違ってもないでしょうが、 昨日の今日なので、すごくタイミングが良く、ひょっとして声が届いたのかも、と思ってしまいました。

  

 日本の科学技術を世界に示す、久々に明るいニュースだ。と書き起こしています。

 (私は、久々に日本が世界に発信できる明るいニュース・・・と書きました)


 ・・・福島、宮城両県内にある中核部品メーカーが被災し、一時は、「京」の開発が大幅に遅れる恐れも出ていた・・・とも書き、暗に、アメリカの開発の遅れが敵失にならなことをフォローしてくれています。


 もし、大震災の影響で、実際に「京」の開発が遅れ、アメリカや中国に負けていたら、マスコミの皆さんは、日本のエラーが彼らの勝因だった、と報じたでしょうか。


 ・・・思い出されるのは、一昨年秋の事業仕分けだと、「2位じゃだめ・・・」発言も取り上げくれていますし、経費が削減されたことにも触れ、スパコン開発は、激しい国際競争にさらされている。との認識も示しています。


 このように、全文がスパコン世界一の偉業を礼賛する紙面になっていますので、社説を目にされた皆さんには、大きな勇気と元気を与えてくれるはずです。

 世界一スパコンのこと、社説より先に書いておいて、本当に良かった、と思っています。


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世界一になったスパコン「京」