スペイン/続く猛暑、森林火災、旱魃の三重苦 !! スペイン政府のグッドジョブ!!
8月11日(木曜日)
相変わらずスペインのニュースは猛暑、火災、旱魃のニュースで持ちきりです。やっと鎮火の傾向にあった森林火災も、今日また、新たに各地で発生し、生まれては消し、消しては生まれるイタチゴッコの様相を呈しています。消防関係の皆さん、本当に大変だと思います。全く雨が降らず、旱魃による貯水池の水位も下がり続け、殆どの州で貯水量が50%を下回り、20%台の危険水位に達しているところも出ています。前にも書きましたが、今のところマドリード州では給水制限の恐れは無いようですが、このままの状況が続けば安心はしておられません。
続く猛暑については、気象庁は14日の日曜日からは熱波が去り、通常の夏の気温に戻るという観測で、同時にトルメンタ(暴風雨)が発生するだろうと予測しています。暴風雨といえば、韓国のソウルや、日本の北陸地方を中心に洪水を引き起こし、大きな被害をもたらしていますが、スペインも洪水には無縁ではなく、大災害に至るケースは珍しいことではありません。予測される暴風雨は、一難去ってまた一難というものではなく、猛暑、森林火災、旱魃の三重苦を一気に解消する恵みの雨であって欲しいと切に願っています。
スペイン政府のグッドジョブ!
今日のスペインのニュースの中に、個人的には非常に感動を覚えたものがありました。凡そ1年前、アフガニスタンにタリバン政権が誕生して以降、世界各国のアフガン居住者は本国や第三国に避難を強いられました、日本やスペインも例外ではなく、その様子は連日メディアで報じられ、皆さんも記憶に新しいと思います。自国民だけではなく、いわゆる現地人協力者の処遇も大きな問題となりました。スペインや日本はともかく、特に米国などへの協力者には、タリバンによる何らかの報復があるのではとの危惧から、関係国は多くの現地人をアフガニスタンから避難させました。
勿論、スペインも日本も規模の違いこそあれ、それぞれに適切な措置をとっています。
前置きが長くなりましたが、今日、スペイン政府は、まだ現地に残されていたアフガニスタン人協力者294人を、特別機でマドリードに移送しました。私も、この現地協力者の事はすっかり忘れていましたが、スペイン政府は着々とその準備を進めており、全ての協力者を本国に受け入れたのです。日本を始め、他の国の事情は解りませんが、スペイン政府の行動は、現地の人たちを決して使い捨てにはせず、協力者の面倒を最後まできちんと見るという姿勢は賞賛に値します。久しぶりに心に響く出来事でした。
スペイン/ サル痘感染拡大 !! 第二次岸田内閣発足
8月10日(水曜日)
新型コロナ感染については、スペインの一般ニュースでは全く報じられなくなってから久しく、私がいつもソースとしていたロイター通信も、7月15日を最後に更新しなくなってしまいました。サル痘感染情報についても、日本の状況とは比較にならないほど大きな問題に違いないのですが、余りマスコミは報道していません。
こんな中、今日は久しぶりに国営TVのニュースCH「24h」で、"サル痘感染者5162人、ヨーロッパ最多、世界第2位"というテロップが流れ、エル・パイース紙とヨーロッパ・プレスの電子版で詳細を確認しようとしたのですが、探し方が拙かったのか、サル痘に関する記事は見当たりませんでした。感染者は4桁、死者も数人という事であまり関心がないようですね。
第二次岸田内閣発足
10日、時期外れの内閣改造が行われ(実質的には昨日決っていましたが)第二次岸田内閣が発足しました。あくまでも個人的な感想ですが、地味で新鮮味が全く無く、内閣の基盤を固め日本をより良くして行こうとする意志はなく、岸田さんの保身第一の人事のように思えます。
今回の内閣改造については、専門家を始め、あらゆる分野の人が、好き勝手に私見を述べていますが、岸田さんの最大のミスだと一致しているのが、林芳正外務大臣の留任です。ペロシ議長の訪台に端を発した感のある台湾問題に関する一連の言動からも、彼が親中派を超えた媚中派である事は明白です。また、直近になって大きな話題になっている中国の仕掛けたハニトラに引っ掛かった疑惑で、中国に対して何も言えない状態のようです。「コノナのパンデミック時にも係わらず、林外相は8回も訪中しているようです」とジャーナリストの門田隆将さんは、出入国管理事務所の確認(個人情報だから教えない)を取っていないのでとしながらも、どうしてそんなに訪中する必要があったのかと疑問を呈していました。さらに、故安倍さんの「林さんは中国のハニトラに引っ掛かっているようですよ」という言葉も引用していましたが、この事は何も門田さんに限らず、多くの人がYOUTUBEで発信しています。こんな人が米中、日中問題が山積する中で外務大臣を務めていて良いものでしょうか。
鈴木財務大臣の留任も早々と決りました。これからも緊縮財政を続けるという、岸田さんの財務省に対する配慮が感じられます。こんな事を続けていると日本は沈没してしまいます。先の門田さんが面白い事を言っていました。97年からの日本のGDPの伸び率は世界のワースト5に入るそうです。後の国々は、ソマリア、シリア、リビア、ザンビアだそうです。そんな国にと同じようになったら困りますよね。
防衛大臣の椅子は、岸さんがご病気という事で交代は止むを得なかったかも知れませんが、
確かに、浜田靖一さんは防衛大臣の経験があるとはいえ、大臣時代「日本が侵略国家だという認識は正しくない」と発言した田母神幕僚長の首を切った張本人です。あのハマコーさんの息子とも思えないほど器が小さいですね。唯一、オヤッと思ったのは、先日、石破さんたちと一緒に訪台(未確認)していることです。中国べったりではないとも受け取れますが、防衛費の2%レベルへの増額には反対していたようですから、間接的には中国を利する事になりますね。
個人的には、このところ日本の抱える防衛問題は、あらゆる意味で戦後最大級のものとも言えますので、高市早苗さんの登用でしたが、防衛面での経験不足は否めず、実現は無理だったようです。
岸田派には、小野寺五典さんや佐藤正久さんというこの方面での逸材がいるにも係わらず、どうして浜田さんなのかという疑問は誰でも持つでしょう。答えは二つ、中国を刺激したくない、領袖の座を脅かしかねない派閥の実力者の登用は避けたいと言う思いからでしょう。
私は全く把握していませんでしたが、門田さんの話では、福田康夫元首相の息子で、バリバリの親中派、福田達夫さんが最有力候補だったそうです。もし、これが実現していたらとゾッとします。浜田さんに落ち着いたのは、次々善の策だったかも知れません。
私が最も気にしていたのは、岸田首相とはことごとく意見の合わない高市早苗さんの処遇でした。中には、党役員(政調会長)や内閣から外れるという憶測が飛び交っていましたが、無役にして野に放つより、総裁選を争ったもう1人の河野太郎さんと共に、無任所大臣として閣内に留めておいた方が無難と考えたようです。河野太郎さんはデジタル大臣でしたが、高市さんの就いてポストは経済安全保障担当と、党の政調会長や人事権を握る省付き大臣と比べると格下感は否めませんが、高市さんは、自分が切り開いたとも言えるこの道のエキスパートですから、日本学術会議の見直しや牽制、スパイ防止法の成立などを視野に、存分に力は発揮できると思います。高市さんの後任に、安倍派の重鎮萩生田光一さんを当てたのも、萩生田さんと高市さんの関係からすると微妙ですが、大物を後任に据えるという、一種の高市さんへの配慮だと思います。それと、あくまでも形式だけの事ですが、閣僚応接室の席次を決めるに当たり、高市さんを №2の席を与えたのも岸田さんの遠望深慮でしょう。
他にも気になるところはあります。一つは、岸信夫前防衛大臣を安全保障担当首相補佐官に任命した事です。防衛大臣ほどの激務ではありませんので、十分に務められると思います。 岸さんを懐に入れることで、アメリカの心証を良くしようとする岸田首相の意図が透けて見えます。もう一つは、今回もまた国土交通大臣の椅子を公明党に譲った事です。中国にとっても、防衛大臣は手強い岸さんが退き、外務大臣と海上保安庁のトップは、引き続き意のままに動かせる人物とほくそ笑んでいる事でしょう。日中間の最大の懸案事項である尖閣諸島の最前線は海上保安庁で国交省の管轄ですから、日本の防衛力強化のためにも、主管を海上自衛隊に移して貰いたいものです。
YOUTUBEのWILLチャンネルに出演していた門田さんは、司会者の今回の内閣改造は何点くらいですか、改造内閣を何と呼びますか、と聞かれ、30点と答え、呼称については"媚中、金縮内閣"としていましたが、個人的には、門田さんと同じ30点、"保身内閣"とします。
点数や呼称はともかく、今回の内閣改造で、日本のどこが、どのように良くなるのか、岸田総理に問いたいと思います。もっとも、答えは、"結果を見て下さい"と逃げられるのは間違いないでしょう。
スペイン/ 観測史上最高の猛暑 ‼️
8月9日(火曜日)
このところマドリードの日中の最高気温は36℃から37℃で推移し、暑さもちょっと落ち着いてきた感じですが、今日の国営TVのニュースでは7月度の気温は異常中の異常で、気象観測史上最高の暑さだったと報じていました。それはそうでしょうね。50年以上マドリードに住んでいますが、気温41℃という炎天下でゴルフした経験などありませんでした。
異常気象といえば、殆どニュースにはなりませんが、極度の乾燥で森林火災の起きる大きな原因の一つでもある湿度の低さも大問題ではないでしょうか。実は昨日、私の経験した中での最低湿度についてブログ記事を書き始めたのですが、途中で下書き保存をするのを忘れてしまい、終了間際になって又もやIPADの不調で全てが飛んでしまいました。改めて要点だけを再現してみます。
昨日乃日中で一番暑くなる午後5時ごろ、休養でマドリード市内荷で他のですがそのときの気温は36℃で、差ほど驚くような事でもなかったのですが、それもその筈、空気中の湿度は僅か15%となっていました。私の中では全くの新記録となりました。
今から22年前の8月、皆さんも名前を聞けばご存知の方もらっしゃると思いますが、私の尊敬するエッセイストで漫画家の東海林さだお先生と一週間ばかりの小さな旅をしました。もちろん、スペインでの話しです。先生のエッセイはいつも豪放で、思い付いた事、感じた事をすぐに文章にしてしまうという印象を持ちますが、実は正反対、実に詳細な下調べをされてからでないとペンを持ちません。話がとんでもない方に行きそうですが、たとえばマドリードの気温について話すとき、温度は40℃近くになっても湿度が日本と違い非常に低いため、日陰に入れば差ほど暑さは感じないおいうと、やおら温度計を持ち出し(いつもお持ちです)、温度と湿度を測らってから、納得されます。その時は同じ8月でマドリードのカサ・デ・カンポ自然公園では温度が38℃を指していましたが、湿度は18%、翌日、トレドのパラドールのテラスで測った時も全く同じ値がでました。この20年数年前に先生が計測された18%という湿度が、これまでに私が体感した最低記録でしたが、その記録を昨日更新した次第です。日本の気候で湿度が15%という事はあり得るのでしょうかね。
東海林先生の緻密さを付け加えますと、マドリードでフラメンコを見物に行った時、舞台の大きさをメジャーでちゃんと計測した上で、日本の畳で言えば何畳という風に、先生独特の表現で読者をクスッと笑わせています。