エンジェル | 元レンタルビデオ屋店長の映画感想

元レンタルビデオ屋店長の映画感想

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エンジェル
エンジェル/ロモーラ・ガライ
7/2レンタル開始。
「8人の女たち」「スイミング・プール」のフランスの鬼才フランソワ・オゾン監督が、自身初の全編英語で撮り上げた異色メロドラマ。作家として若くして成功を手にした一人の女性が辿る華麗にして数奇な人生が、ハリウッド映画黄金期のテクニカラー的世界の中に綴られてゆく。主演は「ダンシング・ハバナ」のロモーラ・ガライ、共演にシャーロット・ランプリング。
 1900年代初頭のイギリス。貧しい家庭に生まれた少女エンジェル・デヴェレル。上流階級に憧れるエンジェルは、その世界を夢想しては文章にしたため物語を紡ぎ出していく。彼女の飽くなき情熱と類い希な文才が、やがて彼女に大きな転機をもたらす。彼女の原稿が出版社に認められ、16歳にして念願の作家デビューを果たすのだ。デビュー作『レディ・イレニア』は瞬く間にベストセラーとなり、人気作家となったエンジェルはついに夢見たとおりの暮らしを手に入れるのだったが…。

制作費25億円。全編英語と、往年のハリウッド映画風で、オゾンらしくない作品ですが、映像の絢爛さは、目を見張るし見応えもある。女性を巧みに描いているあたりはオゾンらしいが、この主人公には感情移入も出来ないし、むしろこんな女性が近くにいてほしくない。(笑)女性の深層心理を曝け出してしまっているかのような女性に感じた。鑑賞していると、どうも主人公が、オゾンの自己を反映しているような印象。原作があるので(観ていないので憶測ですが)忠実に再現しつつ、これに共感した自分自身の戒めのような。

商業的作品を作り、死んだら忘れられるか。ゴッホのようになるか。。今の時代、新しい物を作るなんて無理に近い。“常に新しいと感じる作品”を世に出さないと忘れられるクリエイターは、日々死ぬほど悩んでいるのだろう。